【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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プロローグ

仮面のヒーロー

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「…………まぁまぁだな…………」

 辺境の町『イルゼ』-------------

 今まさに、スタンピードが起ころうとしている頃。

 俺は避難を終えた無人の町で、宿屋と思しき建物の中にあった姿見で、黒衣のローブに身を包んだ仮面の男《自分》を眺めていた。

「適当に見繕ってはみたが…………。

 想像以上にダッサ…………。

 マジで引くわぁー…………」

 実はガキ大将を気絶させたあの後、目に入った露店でこの仮面とローブを購入し、数日分の食料を購入した俺。

 おかげで財布の中は空っぽになったが…………。

 まあ、しばらくは安泰だろう。

 いやいや、そうじゃなくてだな…………。

 とりあえず、これで身バレの心配はない筈だ。

 後は漫画や小説とかで良くある声バレとかか?

 なら、念のためボイスチェンジャー辺りを作るべきだな…………。

 そう思い至り、無言でスキルで作ったチョーカーを首に付ける俺。

 てか、何やる気になってるんだろう。

 ほんと、柄じゃねぇよ。

 厨二臭過ぎて、痛い。

 あぁ、ほんと、恥ずかしくて死にそうだわ。

 まぁ、やると決めた以上、やる事はやるかね。

「確か、こっちの方角だったな…………」

 ボイスチェンジャーをオンにして、立て掛けてあったライフルを背負い、駆け出す。

 屋根から屋根へと飛び移り、森へと入って行く。

 しばらく、森を駆け抜けて行く内、静か過ぎた森が急に喧騒として来る。

 丁度、見渡し易そうな木々へと跳躍して、周りを見渡してみる。

 こういう時、勇者特権の身体能力は便利だと思う。

「うっわ…………きっしょい…………」

 だが、登り終え、周りを見渡した時、前言撤回したくなった。

 何せ、幾重もの黒い点が辺り一面、細波の如く町の方へと押し寄せて来るその光景は、台所の嫌われものでもある、かのGさんが迫って来るようで気味が悪い。

 ほんと、さっさと終わらそう。

 俺は背負っていたライフルを構えて、スコープを覗き込むと、その引き金に掛けた指を引いた。
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