【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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世界の破滅編

演技って大事だよね…………

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「どうぞ…………」

「は、はぃ…………あ、ありがとうございます…………」 

 俺は弱々しく、ビクビクと震える振りをしながら、聖女の手からマグカップを受け取った。

 あの後、俺は事情聴取みたいな感じで、なし崩しに勇者パーティーの面々と同行していた。

 今は、あの惨劇のあった川を登った先でキャンプを設置し終え、夕食の準備をしている最中である。

 あ、これココアだ。

 身に染みるなぁ~…………。

「それで、詳しくお話し聞かせて貰っても良いかな!?」

 元気いっぱいに勇者が俺の隣に腰掛けると、満面の笑みで尋ねて来る。

 とりあえず、なし崩しに説明するか。

 ん?

 何か、剣聖様がこっちを睨んでいる気がする。

 一体、何故?

「そ、その私も詳しくは覚えていないんですが…………。

 途中で道を間違えたのか、森の中を彷徨っていたら、誰かが助けを呼ぶ声が聞こえたんです…………。

 そ、それで…………き、気になって、声のする方へ顔を向けたら…………」

「…………あのゴーレムがいた、と…………?」

 剣聖がビクビクと震えながら、語る俺の言葉を遮り答える。

「は、はい…………」

 俺は震える振りをしながら、頷く仕草を見せた。

「ふん…………思った以上にやばいかもな…………」

 戦士が、何やら意味深な発言をする。

 やばい?

 どういう意味だ?

 こういう時は情報収集だな!!

 聞けるだけ聞いてみるか。

「あ、あの…………!

 ど、どういう意味…………ですか…………?」

 俺が戯けたように尋ねると、「何でもないんだ…………」と優しげな笑みを浮かべる戦士。

 ちっ…………流されたか…………。

 まあ、こんなおびた子に不安な想いをさせない配慮だろう。

 面倒だなぁ~!?

「……………………」

「あ、あの…………な、何か…………?」

 さっきから胡散臭い目で、こっちを見られていて鬱陶しいんだよ!?

 剣聖様!!

 何?!

 何か用なの!?

「あぁ…………すまない…………。

 君とは何処かで、会ったような気がしただけだ。

 気を悪くしたようなら謝る…………」

「い、いえ…………そこまでして頂かなくても…………」

 ほんと、勘の良い奴だ。

 ちょっと、警戒しておいた方が良さそうだな…………。

「それで、どうしてあのゴーレムは倒されていたの!?」

 おっと、話を続けなければ…………。

「は、はい…………!

 その後は、気が付いたら…………としか言いようがないんですが…………。

 私の目の前を何か、黒い影のようなものが横切ったと思ったら、あのゴーレムが倒れていて…………。

 その後に、勇者様が駆け付けてくれたんです…………」

「そうかぁー…………。

 大変だったんだね…………?」

 勇者が俺の頭を優しく撫でて来る。

 うんうん、うまい事信じてくれているみたいだな…………。

 俺って、詐欺師の才能があったりして…………?

 劇団員とかでも、良いかも!?

「皆さん!

 シチューが出来上がりましたよ!!」

 夕食の作業を行なっていた魔法使いが声を掛けて来た。

「はーい!!

 今行くよ!!

 ほら、君も行こう!?」

「え? あの…………」

「レッツゴー!!」

 勇者に手を引かれ、強制連行される俺。

 やっぱり、この勇者嫌い。

 まぁ、楽してご馳走にありつけるんだし…………。

 これはこれで良いかな?

 では、ご相伴にありつかせて貰います。


「……………………」
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