【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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自己進化プログラム

まだやる気かよ

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「探しましたよ。

 主」

「ぅぅっ…………」

 何なのこれ?

 結構シリアス多めな感じの展開に、空気をぶち壊して現れたKYこと----------駄目メイド型アンドロイドのアルダート。

 その下で両手両足を斬り落とされ、今も踏み付けられている勇者。

 もう収集がつきそうにねぇな…………。

「とりあえず、帰るぞ…………」

「了解致しました。

 あれ?

 何か、変な感触ですね?

 あ、申し訳ありません。

 わざとです」

「……………………」

 俺は出会って数日も経っていないにも、関わらず平常運転のアルダートを見て、大きなため息を突いた。

 こいつの相手はほんとに疲れるよな…………。
 

「…………んで、まだやる気か…………?」


 俺は振り返る事もせず、背後の方から剣を杖のように突き立てて、向かって来る剣聖へと声を掛けた。

「き、貴様らを…………逃す訳には、いか、ない…………」

 はぁ…………。

 見るまでもないな…………。

 立つ事でさえ、精一杯な身体に鞭を打って、剣を構えているんだろう。

「主よ。

 消してもよろしいですか?」

 お前はお前で何、物騒な事言ってんの?

「お前は少し黙ってろ…………」

「了解致しました」

「はぁ…………。

 ほんと、馬鹿ばっかりでイラつくな…………。

 一応、言っておくが、その馬鹿の中にはそこの勇者も、てめぇも入っているからな…………」

「……………………」

 背後から、足を引きずる音が聞こえる。

 何で、そこまでして戦おうとするかね?

 しかも、大事な仲間の命を犠牲にしてさ…………。

 相手にするのも馬鹿らしいわ。

「わたし…………たちは…………せ、世界を救い……………………みんなを、幸せに…………」

「それ以上先を言うんじゃねぇぞ…………?」

 その言葉を聞き、俺は瞬間的に、自分から出たと思えない程、冷たい声を発した。

「皆を幸せに…………?

 んなもん出来る訳ねぇだろ…………?」

 俺は振り返ると、今にも倒れそうなボロボロな剣聖に対して、軽蔑の目を向けた。

「皆を幸せにって何だよ?

 大事な仲間を生贄にしておいて、何が皆の幸せだ!?」

「…………っ!?」

 剣聖の顔が悲痛に歪むが、んな事、知ったこっちゃねえ…………。

「前々から思っていたんだがな…………。

 てめぇらは、あまりにも自分の気持ちを蔑ろにし過ぎてねぇか…………?

 そりゃ、世界を救うなんて大層偽善的な信念を掲げているみたいだが…………。

 正直、俺から見れば滑稽に見えるぜ?」


「っ!! わたし、たちの…………何処が…………滑稽だと言うの…………!?」

 息も絶え絶えな剣聖が俺に反論して来るが-------------

「そういう所が滑稽だって言うんだよ!!!」

 俺は有無も言わせぬ迫力で、剣聖を叱責した。

「大体なっ!!

 その皆の幸せの中に、てめぇらは含まれてんのかよ!!!」 


「っ!?」


「自分を犠牲にし、他者の為に戦う。

 あぁ、美談だよ。

 とても素晴らしい事だよ。

 けどな…………俺からしたら、そんなもんはクソ食らいだっ!!

 自分が幸せを知らなきゃな、周りを幸せにするなんてあり得ないんだよ!?

 何せ、何が幸せなのかも、本人は分かっちゃいないんだからな…………!!!」

 何を言ってるんだ、俺は…………?

 うっわ、何、この厨二っぽい発言---------

 恥ずかしくて、表に出られなくなりそうだわ…………。


「この際だから、はっきり言っておく…………。

 幸せの価値も知らずに、人の幸せを語るな…………。

 このクソ偽善者共が…………!!!」

 行くぞ、とアルダートに指示を出し、剣聖の横を堂々と通り過ぎる俺。

 そして、ふと、目に入った聖女の亡骸を目にして、ソッと片膝を突いて、その身体を抱え上げた。

「連れて行くのですか?」

「…………そのつもりだ…………」

 アルダートの問いに素っ気なく答える。

 正直、関わり合いたくねぇよ。

 だが、こいつにも、言いたい事は山ほどある。

 とりあえず、連れて帰ってする。

「主はほんと、お優しいですね?」
 
 俺の考えを察してか、アルダートが悪戯っぽい笑みを浮かべた。

 何だ、アンドロイドの癖にちゃんと笑えるんだな…………?

「んな事どうでも良いから、とっと戻るぞ…………」

「かしこまりました」

 そうアルダートが頭を下げ、転移魔法を発動。

 俺達は打ちひしがれる剣聖を残し、移動要塞へと転移する。

 その直後、目を開けるとけたたましいアラート音が移動要塞全体に鳴り響いていた。
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