【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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水の遺跡

閑話 当然、ロボットもある。

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~ミハエル視点~


「ぐっ!?」

『ふんっだ!!!

 人の話を聞こうとしないからだよ!?』

 巨大な拳共に壁に減り込んだ俺を、プンスカと子供じみた怒り方をするミハエル。

 もしかしてなくても、やり過ぎちゃった? と拳を放った巨大ロボットの肩へと浮遊しながら、腰掛けて、顔を真っ青にしている。

『ねぇ…………? 死んじゃったの?』

 恐る恐る尋ねるミハエルに帰って来た返答は、当然-------------プラモに変身して、その拳を切り刻み、怒りに燃える、赤い眼の機神の姿だった。

『やってくれたな、クソ野郎!!!!』

『ちょっ!?

 ノーダメージ!?!?

 嘘でしょ!?』

 ミハエルは驚愕を隠せなかった。

 何故なら、ミハエルが作ったこのロボットは唯一無二にして、ただ殴るだけという、武装が一切無いパワー型巨大ロボット。

 その為、このロボットの拳はダイヤモンドよりも硬い鉱石を素材にして、製作された。

 試験の際では、を消し飛ばす威力がある。

 それを無傷、あまつさえ、その拳を豆腐みたいに切り刻めるなんて-------------

 どんな構造してるんだろう!?

 外の戦いを見ていた時も思ったが、その高起動にして、圧倒的な運動性能。

 武器の威力も桁外れで、私の知識でも推し量れない、未知の何かが彼にはある。

 しかも、今の彼の姿はさっきのとは、形状が異なっている!?

 どんな武装や性能を秘めているのか。

 知りたい。

 何が何でも、その何かを私は知りたい!!!

『行け!!!

 マーク30987、イレブン!!!

 奴を捕らえるのよ!?』

『遅い!!!』

『…………へっ…………?』

 鼻息を荒くして、威勢よく彼を指差しながら、ロボットに命令した。

 しかし、時既に遅く、視界が切り替わったかと思うと、ミハエルは斬り刻まれたロボットの残骸に埋もれていた。

 何とか、這い出てみたが、出て直ぐに目の前に、自身の頭をかち割りそうや大きな大剣が地面に突き刺さる。

『逃げられると思うなよ…………?』

 身の毛も与奪ような冷え切ったその声音に、凍り付いたミハエル。

 無言のまま、振り上げられた、その剣は静かに自分に下されるのだった。
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