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聖剣の秘密

聞き終えて---------

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「聞くんじゃなかった…………」

 あの後、結局、全てを聞いてしまった俺。

 あまりの情報量に、頭の整理が追いつかない。

 いや、そうでもないのか?

 一応は、何故、聖戦なんて呼ばれるのか。

 その理由はよく分かった。

 けれど、話の内容からして、本末転倒過ぎる。

 このミハエルって少女の話を信じるなら、本来、聖戦とは、この世界を滅ぼすのではなく、為のものだった。

 それが今はどうだ?

 無作為に人という人を殺戮するロボット共が数万人規模で虐殺し、国すらも滅ぼしてしまっている。

 そして、今、一番厄介なのが、残り二つの遺跡が既に稼働している事だろうな…………。

「もう一度、聞くが…………残り二つの遺跡はこことは、引けにならないくらい危険なんだな…………?」

『そう言ったよ?

 もし、私の予測通りに話が進んでいるなら、取り返しの付かない事に、もうなってる』

 無慈悲な断言をするミハエル。

 あまり、信じたくないが、本当の事だと、仮定しよう。

 次に俺が取るべき、選択肢は何だ?

「……………………」

 考えても、考えても、纏まらない。

 というか、もう纏めるレベルを等に超えてる。

 どう考えても、俺達に勝ち目なんてない。

 もし仮に勝てたとしても、俺達に残るのはのみ。

 完全に詰んでいる。

 何が唯一の希望だよ?

 ほんと、この世界嫌い!!!

 何でこうも、俺が悩まなくちゃならんのだ!?

 とりあえず、こいつを殺すのは、また今度にしておこう。

 まだ色々と利用しないといけないし、貴重過ぎる情報源だ。

 何かしらのアドバイス的なもんを貰わんと俺はやっていけん!!

 特に、この戦艦は絶対いる。

 だから、まずはこいつに戦艦を動かさせる。

 何か知らんが、こいつはこの戦艦のメインコンピューター的な感じらしいし、問題なく動かせるだろう。

 そんで、その後は、この遺跡を爆破破棄して-------------

 やる事一杯だよ!!!

 もうやんなる!!!!!

 とりあえず、今、考えた事をこいつにやらせて、要塞に戻ろう。

 そして、寝る。

 超疲れた。

 よく寝て、よく休んで、それから-------------あのエセ勇者の

 そう心に誓い、ミハエルに力なく指示した湊の表情は、これまでにない程、疲れ切っていた。
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