【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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脅威

メイド聖女爆誕!?

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「一体、何がどうなってんだ…………?」

 あのクソメイドを葬って、要塞の転移機能を何とか、起動させ、ベリンキューム帝国に戻って来たのだが-------------

「はい。

 こちらをお召し上がりください」

「……………………」

 何故か、地面にマットを敷き、ティーセットを広げた聖女が、今も救護兵達によって、手当てを受けている騎士達に、お茶を振る舞っていた。

 ほんの数分、放置していただけで、もう色々とあり過ぎて、訳が分からん。

「あっ!?

 ご主人様もお茶をお召し上がりになりますか?」

 ご主人様はやめろ!?

 寒気がする。

「まぁ、とりあえず…………くれ…………」

「かしこまりました」

 そのまま、聖女様は笑顔で、ポットにお湯を入れて、テキパキと支度して、行ってしまった。

 何で、優秀なメイドみたいな感じになってるんだ?

 あのクソったれ、聖女様に一体、何をしでかしたんだ?

「戻ったようね」

「ん?」

 振り返ると、手当てを受けたであろう包帯を巻いた剣聖様が、何か、言いたげに、こちらを睨んでいた。

 つか、怒ってるな。

「何が、言いたいのか、分かるが-------------はっきり言って、俺も理解出来ていねぇぞ…………?」

 何か、聖女様が、前と比べて、表情が柔らかくなったというか。

 フレンドリーになったというか。

 少しばかり、キャラが変わったような気がする。

 というか、何で、プロのメイドみたいな動きしてんだ?

 どっから、どう見ても、素人の動きとは思えない程、手慣れているな…………。

 ちょっと、あの蘇生装置を調べておいた方が良い気がする。

 カプセル内の培養液も含めて-------------

 そういや、あの蘇生装置って…………。

「?

 どうか致しましたか?

 ご主人様」

 しばらく、考え込んでいると、湯気の立ったティーカップをトレイに乗せて、聖女様が向かって来た。

「すまんが、そのご主人様ってのは、マジでやめて…………。

 鳥肌もんだから…………」

 ティーカップを受け取りながら、顔を青ざめると、聖女様が----------------

「かしこまりました。

 では、何とお呼び致しましょう?」

 --------と笑顔で、受け答えして来る。

 何、これ?

 超不気味なんですけど…………。

 何で、そんなにも従順なのでしょうか?

「あら?

 随分と面白い事になっているみたいね」

「っ!?」

 この気配はっ!?

 ジッと声のした方を振り返ると、城の方から悠々と歩いて来る女がいた。

 いや、随分と色っぽいというか、肌面積が多いというか。

 しかも、その特徴的な尻尾は-------------

「お初にお目に掛かるわね。

 私は魔王軍が四天王の一人、サキュバスのヘレスディアよ。

 よろしくね」

 それが、俺と魔王軍の四天王ヘレスディアの出会いだった。



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