ハズレ勇者のメカ武装 〜役立たずと王都を追い出されたので、暇つぶしに魔王を倒す〜   試作品

水先 冬菜

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ハズレ勇者

土下座王女

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「東條真幸様ですね…………?」


 いつもの如く、近場にあった甘味処へと入ろうとした矢先、如何にも金持ちそうな美女に声を掛けられた。


 良く見ると、その背後には騎士甲冑を見に纏った怖そうな女が立っている。


 誰だと訝しげに見つめていると-------------


「申し遅れました。


 わたくし、エメラルダ王国第一王女のミリアリア・フォン・エメラルダと申します」


 -------------いきなり、自己紹介をして来た。


 というか、エメラルダだと…………?


 何処かの貴族だとは思っていたが、まさかあの愚王の娘か何かか……?


 何か、面倒ごとの匂いがするし…………。


「人違いだ…………」


 さっさと突き放して、店の中にに入ろうとしたら、いきなり、その王女とやらが地面に膝を付いて頭を下げて来た。


 所謂、土下座と言うものだ。


 それに追随するように、後ろの騎士達も同様に土下座していた。
 

 突然の出来事に、周りの住民達が何事かとどよめいている。


「お願い致します。


 ほんの少し、わたくしのお話を聞いて頂けないでしょうか……?」


「聞く耳持たん…………」


 そう王女とやらを冷たく突き放したのだが…………。


 その日を境に、その王女は何度も俺の元へと訪れて来た。


 何度も何度も、俺の前で土下座して来る王女。


 あまりにも、しつこい王女に違和感を覚えた俺は町を秘密裏に脱出するなり、二度と戻る事はないと誓っていたエメラルダ王国へと向かった。


 そして、エメラルダ王国へ到着するなり、耳にしたのは…………。


 エメラルダ王国の王都が魔王軍に落とされ、国王が討ち死にしたというものだった。

 
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