ハズレ勇者のメカ武装 〜役立たずと王都を追い出されたので、暇つぶしに魔王を倒す〜   試作品

水先 冬菜

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ハズレ勇者

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「さてさて、指輪が砕けてしまった…………。


 という事は、王女様が愛した王国はどうなっているのかな…………?」


 指輪から放たれた光が収まり、俺の手の平には砕け散った指輪の残骸がある。


 それを見た瞬間、第一王女が膝から崩れ落ち、嗚咽が止まる事なく、失意の中、泣き始めた。


「ねぇねぇ、王女様?


 国が滅んじゃったけど、どんな気持ち…………?


 ねぇねぇ、どんな気持ち!?」


「貴様っ!!」


 王女の背後にいた騎士達が、一斉にこちらへ向かって来る。


「うるさい。


 外野は黙ってろ…………」


「ぐっ!!」


「がっ!?」


 吹き飛ばされる騎士達。


 俺は王女にある事を囁いて、堂々と教会を出て行った。


 背後では、ごめんなさいと泣きじゃくる王女の姿が滑稽過ぎて笑えた。


 ほんとは、っていうのにな…………。


 俺が本当に願ったのは、事であって、決して国を滅ぼそうとは思ってはいない。


 かなり恨みはあったが、そこに住んでる連中に罪はない訳だしな…………。


 気が付くまで、精々苦しむと良い…………。


 まあ、良い暇つぶしになったよ。


 第一王女ミリアリア様。


------------------------------------------


 さてさて、とりあえず、王女の方はしばらく来る事はないだろうし…………。


 ここからは他の国にいる勇者とやらの所へ向かってみるとするか…………。


 話では、エメラルダ王国の南方に位置するスメワルダ共和国って国らしいが…………。


 あの王女共の所為で、懐も心許ないし、そろそろでもしますかね…………。


 丁度、依頼人もこの辺にいるらし…………い…………?


「……………………」


 これはミスったな…………。


 まさか、あいつが依頼人なのかよ!?


 というか、ターゲットはやっぱりだよな…………。


 仕方ない。


 この依頼は破棄して、次の町へ向かおう。


「ん…………?」


 今、物音がした気がしたが…………。


 気の所為か…………?
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