白雪の巫女〜朝起きたら女になってて、指名手配されてました〜

水先 冬菜

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第1章 初雪〜ハツユキ〜

START-8

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「さてさて、続きをやろうかな……? 指名手配犯様、って、やっぱり長いし、めんどくさいなぁ~……。ねぇ、あなたの名前ってなんていうのかな? 私はアルベール王国第二王女のユリシーズ・アルベール。よろしくね!」

 めんどくさいと言いながらよく喋るな……。

 いい笑顔しやがって……。

 てか、自己紹介なんてしたら、俺の居場所丸わかりになるだろうが……。
 それどころか今は喋ってる場合じゃないての!

 とりあえず--------

「逃がさないよ」

 俺が立ち上がるのと同時にお姫様が一気に距離を詰め、上段から剣を振り下ろした。

 まずっ!!

 俺は咄嗟とっさに先程のイメージを思い起こし、身代わりを作って距離を取った。

 その瞬間、身代わりが真っ二つに叩き切られ、地面に倒れ砕け散った。

「また、それなの!? もうちょっと、面白いもの見せて、よっ!!!」

 続いて二撃三撃と攻撃をひらりとかわしていく。

 うん。感は鈍ってないな……。

 さて、なんか知らんが気分が落ち着いて来たな……。

 確か、こんな感じだったな……。


『--------------------』

 お、またなんか来たな……。

 そんじゃ、いってみますか。

 俺は再び舞い降りて来たイメージに沿って、右手に意識を集中する。

 もちろん、あのお姫様の攻撃を避けつつ、だ。

 すると、右手の掌の前に白い球体が出現し、球体の周りから細かな光が吸い寄せられるように集まってくる。

 そして、とある形に球体が変化すると、まるでガラスが砕け散ったかのように光が拡散し、それが姿を現した。


 それは雪のように真っ白な刀だった。

 つばがない以外あまり特徴のないシンプルな刀だが、どこか儚げで、触れたら壊れてしまいそうな繊細な印象を受ける。

 ぶったゃけた話がすぐへし折られそうなほどヤワに見える。

 だが、現実というのは残酷なもので---------

「えっ……?」

 --------そんなへし折られそうな刀に、お姫様の剣がバターの如く刀身が切り落とされる。

 お姫様はその光景に困惑した表情を見せたが、すぐに立て直して、距離を取った。

 そして、自分の手にしている刀の方に目をやり、無邪気な子供のように目をキラキラと輝かせ、緩みそうな頰を必死に抑えようとしている。

 正直、容姿もあいまって、何だこの可愛い生き物は……と思いたいが--------

「ねえ、私と殺し合いましょう!!!」

 お姫様が口にした言葉に俺は戦慄せんりつしか覚えられなかった。
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