18 / 27
第2章 姫巫女〜ヒメミコ〜
COUNT-8
しおりを挟む
「お久しぶりでございます。ユリシーズ姫殿下。今日はどういったご用件で……」
「うん? 暇つぶしに来ただけなんだけど……」
暇つぶしって……。
そんな可愛く小首を傾げてられても、普通に許される問題じゃない気がするですが……。
こんなのが、上に立っていて、この国本当に大丈夫か?
「むぅ、何よ……。別にそれぐらいいいじゃない……」
そんな俺の考えが顔に出ていたのか、頰をプクッと膨らませ、不機嫌そうに口を尖らせた。
何か子供っぽい人だな……。
ふと、わざとらしい咳払いが聞こえた。
聞こえた方に視線を移すと天音がジトッとした視線をこちらに向けていた。
主にお姫様の方に向けて……。
「もう天音ったら、そんな怖い顔しないでよ。別にあなたのお兄さんを取って食う訳じゃないんだから……!」
いや、多分、天音が言いたいのはそういう事じゃなく、ここは図書館だからお静かにだと思うよ?
天音もそんなに顔を赤くしたら周りの人達に誤解されるからやめなさい。
あの女もそうだが、この二人も俺の頭痛の種の一つだな……。
------------------------------------------
数時間後--------
天音からここアルベール王国きっての大図書館。
『アルベール図書館』に来た目的を遠回しながら聞くことが出来た。
何でも、あの王女様は白雪の時の俺の事で何か思い出した事があり、この図書館に来たのだという。
ここの図書館で、確か、白雪に関する本を読んだ事があるから、と……。
俺はすぐに館長に連絡を取り、王女様が指定する場所の入室許可を取って貰った。
もちろん、俺も同行する事になっている。
そして、今、その本を必死に探しているのだが……。
思うように中々進展はない。
何故なら、王女様が指定した場所というのが、アルベール図書館の最深部。
地下10F、数億冊という世界中の本という本が保管されている書庫なのだ。
一体何時間どころか何年掛かることやら……。
幸い、館長が検索魔法を使える職員を何人か同行させてくれたが、それでも数万という本がある。
やんなっちゃうなぁ~……。
そんなことを思っていると、ふととある本が目に入った。
そして、何故かものすごく気になって仕方がない。
恐る恐る近づいてみる。
何だか不思議な感じだ。
懐かしいというか、やたらと落ち着くというか。
俺は本をそっと静かに取ると、その表紙を見た。
かなり字は掠れて、あまり読めたものではないが、だが、俺には何故かこの本の表紙が読めた。
雪の姫巫女……?
中を読んでみると、白雪と言われる姫巫女が外敵から人類を守り続け、そして--------
「ああああっ!?」
書庫内に聞き覚えのある少女の声がする。
声の方に視線を向けると、王女様が俺の方に人差し指を向けていた。
そして、ものすごい勢いで距離を縮めて、「それよ、それ!!」と俺が持っている本を指差した。
「これ、ですか……?」
俺が本を手渡すと、彼女はものすごく嬉しそうにはしゃいだ後、「この本を借りてくるね」と駆け出していった。
俺は王女の後ろ姿を呆然と見送りながら佇んでいた。
そんな彼女が意味深に微笑んでいた事にも気付かずに--------
「うん? 暇つぶしに来ただけなんだけど……」
暇つぶしって……。
そんな可愛く小首を傾げてられても、普通に許される問題じゃない気がするですが……。
こんなのが、上に立っていて、この国本当に大丈夫か?
「むぅ、何よ……。別にそれぐらいいいじゃない……」
そんな俺の考えが顔に出ていたのか、頰をプクッと膨らませ、不機嫌そうに口を尖らせた。
何か子供っぽい人だな……。
ふと、わざとらしい咳払いが聞こえた。
聞こえた方に視線を移すと天音がジトッとした視線をこちらに向けていた。
主にお姫様の方に向けて……。
「もう天音ったら、そんな怖い顔しないでよ。別にあなたのお兄さんを取って食う訳じゃないんだから……!」
いや、多分、天音が言いたいのはそういう事じゃなく、ここは図書館だからお静かにだと思うよ?
天音もそんなに顔を赤くしたら周りの人達に誤解されるからやめなさい。
あの女もそうだが、この二人も俺の頭痛の種の一つだな……。
------------------------------------------
数時間後--------
天音からここアルベール王国きっての大図書館。
『アルベール図書館』に来た目的を遠回しながら聞くことが出来た。
何でも、あの王女様は白雪の時の俺の事で何か思い出した事があり、この図書館に来たのだという。
ここの図書館で、確か、白雪に関する本を読んだ事があるから、と……。
俺はすぐに館長に連絡を取り、王女様が指定する場所の入室許可を取って貰った。
もちろん、俺も同行する事になっている。
そして、今、その本を必死に探しているのだが……。
思うように中々進展はない。
何故なら、王女様が指定した場所というのが、アルベール図書館の最深部。
地下10F、数億冊という世界中の本という本が保管されている書庫なのだ。
一体何時間どころか何年掛かることやら……。
幸い、館長が検索魔法を使える職員を何人か同行させてくれたが、それでも数万という本がある。
やんなっちゃうなぁ~……。
そんなことを思っていると、ふととある本が目に入った。
そして、何故かものすごく気になって仕方がない。
恐る恐る近づいてみる。
何だか不思議な感じだ。
懐かしいというか、やたらと落ち着くというか。
俺は本をそっと静かに取ると、その表紙を見た。
かなり字は掠れて、あまり読めたものではないが、だが、俺には何故かこの本の表紙が読めた。
雪の姫巫女……?
中を読んでみると、白雪と言われる姫巫女が外敵から人類を守り続け、そして--------
「ああああっ!?」
書庫内に聞き覚えのある少女の声がする。
声の方に視線を向けると、王女様が俺の方に人差し指を向けていた。
そして、ものすごい勢いで距離を縮めて、「それよ、それ!!」と俺が持っている本を指差した。
「これ、ですか……?」
俺が本を手渡すと、彼女はものすごく嬉しそうにはしゃいだ後、「この本を借りてくるね」と駆け出していった。
俺は王女の後ろ姿を呆然と見送りながら佇んでいた。
そんな彼女が意味深に微笑んでいた事にも気付かずに--------
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる