白雪の巫女〜朝起きたら女になってて、指名手配されてました〜

水先 冬菜

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第2章 姫巫女〜ヒメミコ〜

COUNT-8

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「お久しぶりでございます。ユリシーズ姫殿下。今日はどういったご用件で……」

「うん? 暇つぶしに来ただけなんだけど……」

 暇つぶしって……。
 そんな可愛く小首を傾げてられても、普通に許される問題じゃない気がするですが……。

 こんなのが、上に立っていて、この国本当に大丈夫か?

「むぅ、何よ……。別にそれぐらいいいじゃない……」

 そんな俺の考えが顔に出ていたのか、頰をプクッと膨らませ、不機嫌そうに口を尖らせた。

 何か子供っぽい人だな……。

 ふと、わざとらしい咳払いが聞こえた。

 聞こえた方に視線を移すと天音がジトッとした視線をこちらに向けていた。

 主にお姫様の方に向けて……。

「もう天音ったら、そんな怖い顔しないでよ。別にあなたのお兄さんを取って食う訳じゃないんだから……!」

 いや、多分、天音が言いたいのはそういう事じゃなく、ここは図書館だからお静かにだと思うよ?

 天音もそんなに顔を赤くしたら周りの人達に誤解されるからやめなさい。

 あの女もそうだが、この二人も俺の頭痛の種の一つだな……。



------------------------------------------


 数時間後--------

 天音からここアルベール王国きっての大図書館。
 『アルベール図書館』に来た目的を遠回しながら聞くことが出来た。

 何でも、あの王女様は白雪の時の俺の事で何か思い出した事があり、この図書館に来たのだという。

 ここの図書館で、確か、白雪に関する本を読んだ事があるから、と……。


 俺はすぐに館長に連絡を取り、王女様が指定する場所の入室許可を取って貰った。

 もちろん、俺も同行する事になっている。

 そして、今、その本を必死に探しているのだが……。

 思うように中々進展はない。

 何故なら、王女様が指定した場所というのが、アルベール図書館の最深部。
 地下10F、数億冊という世界中の本という本が保管されている書庫なのだ。

 一体何時間どころか何年掛かることやら……。

 幸い、館長が検索魔法を使える職員を何人か同行させてくれたが、それでも数万という本がある。

 やんなっちゃうなぁ~……。


 そんなことを思っていると、ふととある本が目に入った。

 そして、何故かものすごく気になって仕方がない。

 恐る恐る近づいてみる。

 何だか不思議な感じだ。

 懐かしいというか、やたらと落ち着くというか。

 俺は本をそっと静かに取ると、その表紙を見た。

 かなり字は掠れて、あまり読めたものではないが、だが、俺には何故かこの本の表紙が読めた。

 雪の姫巫女……?

 中を読んでみると、白雪と言われる姫巫女が外敵から人類を守り続け、そして--------

「ああああっ!?」

 書庫内に聞き覚えのある少女の声がする。

 声の方に視線を向けると、王女様が俺の方に人差し指を向けていた。

 そして、ものすごい勢いで距離を縮めて、「それよ、それ!!」と俺が持っている本を指差した。

「これ、ですか……?」

 俺が本を手渡すと、彼女はものすごく嬉しそうにはしゃいだ後、「この本を借りてくるね」と駆け出していった。

 俺は王女の後ろ姿を呆然と見送りながら佇んでいた。

 そんな彼女が意味深に微笑んでいた事にも気付かずに--------
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