最下級冒険者は英雄である事をひた隠す 〜生産スキルで、メカチート生産?〜

水先 冬菜

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第二章 水の都市の大罪

悔しさ

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『ビルへルミナ様。

 射程圏内に入りました。

 可変ビット《白雪》を起動して、援護します』

「お願い」

 私は彼と別れた後、あるものを背負い、すぐ様クラーケンのいる方へと飛び、攻撃を開始した。

 両腕のバルカン砲が火花を散らし、光の弾丸が吸盤に着弾するとミサイルが誘爆して触手が爆ぜる。

 飛来するミサイルはパートナーである《サキネ》がビットを防御モードで、ガードしてくれるので怖くはない。

 向かって来る触手やミサイルを回避攻撃をしながら、クラーケンの頭へと向かう。

 そして、頭部まで到達した時、死角から触手が目の前から襲い掛かり、至近距離からミサイルが放たれる。

『シールド』

 だが、《サキネ》がそれに気付いて、バリアフィールドを貼ってくれたおかげで、ダメージを最小限に抑えられる。

「ありがとう」

『全ては聖女様のために…………』


 本当に頼りになる子だと本当に思う。

 私の考えを読んだように、行動に移してくれる。

 ただ、それだけだというのに、こんなにも戦い易くなるなんて…………。


 本当に、彼には感謝しないと…………。


『右上方から熱源接近。

 数は七!』

「っ!?」

 報告を聞いた私は、右腕のバルカン砲でそれを迎撃し、狙いを定めさせないように飛行して動き回る。

 
「サキネ。

 目的のものは見つかった?」

『まだ発見出来てはおりません。

 申し訳ありませんが、もう少しだけ時間をください』

「お願い」

 今はまだ戦闘中、気を引き締めて、…………。


------------------------------------------


「何か、悔しいな…………」

 海上で待機する小型艇。

 今も起きている戦闘の光景を眺めながら、剣聖は物思いに呟く。

「いきなり、どうしましたの……?」

 その隣で、同じく佇みながら、その光景を眺めていた大賢者が話し掛けて来る。

「いやなぁ…………。

 こうして、指を加えて見ている事しか出来ないっていうのが…………。

 悔しくてな…………」

 重々しく想いの内を語る剣聖の拳が強く握られているのが、大賢者の視界に入る。

 それを見て、大賢者は察した。

 きっと、彼女は今、を思い出しているのだろう、と…………。


 確か、あの時も、こんな風に、私達はただ見ている事しか出来なかった。


 救える筈だった多くの命を見捨てる事しか出来なかった、己が弱さを恥じながら…………。


「…………強く…………なりてぇな…………」


 今にも、消え入りそうな声で、ジッと戦闘を見つめる眼は、徐々に怒りに染まっていった。

 己が力の無さを嘆きながら…………。

 私にも、あの力があれば…………!

 大賢者は、剣聖のその横顔を悲痛な面持ちで眺め続けるのであった。
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