忘却の檻 〜あなたは誰〜

ぐう

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 果たして舞踏会の参加者の貴族は敵か味方か。敵までも行かなくとも、学園で婚約者に侮られていたユリアは軽んじられることは想像に難くない。また自分の家を援助してくれる婚約者をないがしろにして、尻軽な低位貴族令嬢に入れ込んだレオンハルトも思慮が浅いと良くは思われてはいない。

 だが、ここ二~三年で一気に領地を持ち直した、その功績は結婚したばかりのエーレンフェスト家の莫大な持参金を引っさげて、領地改善をした夫人のものだとも知られていた。また、尻軽女にだまされたレオンハルトも結婚後は会頭として実績を積んでいる。その商会の扱う品物全てが、大人気になり、貴族の間どころか裕福な平民にも人気になって、商会として大きくなっている。
 その存在を無視するのは、体面は取り繕うが、金の匂いに引きつけられる貴族にとっては良策とも言えない。
 つまり、貴族達に取って、アインベルグ公爵夫妻は、どう扱うべきか迷う対象なのである。

 ユリアの記憶は学園時代のことしか、思い出せてない。学園時代に交流のあった人間の名前は思い出せたが、それ以外の人間は全くわからない。そのため、リリアンヌはユリアが無理して名前を言わなくていいように、レオンハルトに自分が前に出て、会話の中にその人間の名前と関係を言うように言い渡した、ユリアは貴族年鑑を熟読して、覚えたので、レオンハルトが言う名前をヒントを貰ってなんとか、話を合わせるようにするという作戦だ。


「ユリアは卒業後五年も領地に籠もっているから、少しくらい知らないことがあっても、領地にいたからと弁解ができるわ。記憶が無いなんて知られたら貴族達のいい中傷の的だから気をつけないとね」

 とリリアンヌに言われて、ユリアは昔のユリアが引きこもっていたのは、そういう貴族達に会いたくなかったのだろうなと思った。レオンハルトに蔑ろにされている学園時代、周りに何と言われていたか、覚えて無くても察することはできるから。ユリアをそんな目に合わせた元凶は、一つ片付けたことで、秀麗な顔を緩めていた。

「まだこれからだから、引き締めて、あなたに掛かっているよ」

 ユリアが侍従が『アイレンベルグ公爵ご夫妻ご入場!』と会場に告げているときに耳打ちした。
 レオンハルトは顔を引き締めると、ぐいっと背筋を伸ばして、ユリアをうやうやしくエスコートして入場した。
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みんなの感想(30件)

りぃ
2021.06.19 りぃ

私もレオンハルトと別れるに一票かなー。
ユリアを想っていた過去も真実だろうけど、してきた裏切りも真実。
ユリアにはレオンハルトとは決別して記憶を無くしたユリアも今のユリアも幸せになってほしい。
信頼出来ない関係は長く続かない。

まもなく終章でしょうか。
どのような結末が二人を迎えるのか、、、

解除
蜜柑マル
2021.06.14 蜜柑マル

おはようございます、このたび一気に読ませていただきました。すごく好きです。今まで知らなかった…見つけられなかったのが本当に悔やまれます…。
たぶん、一気に読んだからかもしれませんが、ヘタレでも私はこの旦那さん好きです。ユリアさんに、思う存分復讐してもらってかまわないけど、この旦那さんは一時期気の迷いがあったとは言え、ユリアさんを好きなことには変わりはなかったのでは、と思いました。

他の方の感想への返信に、まもなく終着?と書かれていたので、どんな結末になるのか楽しみに待ちたいと思います。文章も好きです。語彙力がなくてすみません。

解除
RoseminK
2021.04.25 RoseminK

レオンハルト様、幸せのために頑張ってくださいませ♪

解除

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