乙女ゲームの登場人物かく語りき

ぐう

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伯爵令嬢 カトリーヌかく語りき

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 こんにちは。先日はリューイがお世話になったわね。口下手だからちゃんと話せたかしら?え?まあびっくりそんなこと言ったら惚気よね。恥ずかしいわ。でも私達が子供の頃からラブラブなのは本当よ。

 それなのにあの女は私達が義理で繋がってるとか言って、みんなの前で目をうるうるさせて「リューイ様を解放してあげて。あの方の悲しみをわかってあげられるのは私だけなの」と言うのよ。
 何よ、リューイの悲しみって。毎日元気にたくさん食べて、剣に体術にと稽古に忙しい大男が何が悲しみよ。嫌なことがあったら二人でストレス発散の打ち合いして、手を繋いで帰るとすぐ忘れれると言ってるのによ。二人っきりになると抱きついて来て「カトリーヌは大きいなぁ」て揉んで……な、何でもないわ。聞かなかった事にして。


 そんなことより王太子殿下とエリザベス様のことよね。ここに来た人はなんて言ってたの?そう。間違ってないわ。王太子殿下は婚約した時から態度が悪かったのよ。
 王太子殿下とエリザベス様とリューイと私、アルフレッド様とユリアーナ様この三組の婚約者でお茶会や散策などすること多かったから、幼い頃からのお二人はよく見てるの。え?アルフレッドの婚約者?公爵令嬢のユリアーナ様よ。アルフレッド様も来たのにお話出なかったの?へぇ、でもこのお二人はユリアーナ様が一目惚れで侯爵家に申し込んだからちょっと違うけれど。


 アルフレッド様は色男だったでしょ?色男て古い?じゃあなんて言えばいい?とにかく昔からアルフレッド様はちょいと目立つ子だったの。ユリアーナ様も本当は王太子妃候補だったのよ。もちろんエリザベス様の家の方が裕福で権力はあるのだけれど、ユリアーナ様の公爵家も先代の王姉が嫁いだとかで権威はあるの。残念ながら王族の血は繋がってないけれどね。そうよ。ユリアーナ様のお父様は妾の子だった訳よ。子供のいない王女様はそれが悔しくて浪費し放題だから家はちょっと傾いてるらしいわ。


 だから国王陛下はエリザベス様の公爵家の方が本命だったと思うわ。無事に婚約までしたけど、王太子殿下の態度が冷たくって、見ているこっちまでむかむかしたわ。エリザベス様はずっとしょうがないって諦めていらしたけど、私は王太子殿下は嫌いだったわ。リューイの主君になる人だったけど、何考えてるかわからないし、エリザベス様にひどいしね。

 エリザベス様は薔薇がお好きなの。しかも白薔薇。エリザベス様にぴったりよ。その会話を六人いる前でしたのに、王太子殿下からエリザベス様の誕生日に贈られたものは、黄色のカーネーションだったのよ。花言葉知ってる?軽蔑よ。酷すぎない?

 その後学園に入ってあの女に出会ってから、王太子殿下からエリザベス様にリボンの一本だって贈られてないのよ。婚約者なのに。リューイだって折々に私の好きなものを贈ってくれるのによ。あら 惚気になっちゃったわ。


 卒業パーティーで王太子殿下がエリザベス様に婚約破棄を言付けた後に、あの女が王太子殿下のそばに来て嬉しそうにエリザベス様に罪をなすりつけようとしたの。そしたら全部アルフレッド様に言い負かされたの。真っ青になった顔は見ものだったわよ。スカッとしたわ。さすが公爵家の秘密部隊。公爵様も愛娘のために部隊をどっと投入されたらしいわ。状況証拠だけでエリザベス様を陥れようなんて馬鹿だわよ。

 なんだか知らないけれどあの女は「私はヒロインなのに!」と言って王太子殿下にすがろうとしたのよ。そしたら王太子殿下は「不敬である」と突き飛ばしたのよ。
 好きなんじゃなかったのーと開いた口が塞がらなかったわ。
 それであの女は衛兵に連れ出されて行ったわ。その後エリザベス様の父君がいらして、王太子殿下とエリザベス様を連れて行かれたのよ。王宮で国王陛下と話し合いがあって、愛娘を長年に渡ってコケにされた公爵様はお許しにならなくて、王太子殿下は領地のない公爵になられたわ。

 ね。わかった?小説では王太子殿下は美化されすぎよ。とにかく酷い人なんだからもっと酷く書いて。そばにに置いたあの女ですら冷酷に突き放したのよ。重版する時はそこのところちゃんと書いてよ。

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