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壱章 クマさん道場
存在の考え
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「一応、コレを渡しておこう」
英義の翁から渡されたのは鞘に納められた片刃のナイフ。実際、抜刀してみると刃は純白で万物を切断できそうだ。この手の金属は見たことないな。日本刀なわけ無いよな?
「これは?」
「銘は白咎。霊刀の一種で特殊金属【白萩】を使っておる」
それ小倉にある町の名前では?というか咎めるという銘が少し怖いな。にしても思ったよりも軽いな。そう言えば家の真剣も似たような金属だよな。今日の型で使ったのは普通の玉鋼だけど。
「そうですか。何か効果でも?」
「霊には効く。かの天叢雲剣にも使われていると効く」
マジかよ。三種の神器の不壊性って一般的には知られていないけどその筋の人にはよく知られているんだよな。でも天叢雲剣って須佐男神が八岐大蛇を殺した際に手に入れた曰く付きの刀なんだよな。そもそも原典は剣という説もあるし。不壊ではあるが加工は可能ってのが謎だけどな。強化だから関係ないとか言いそうだけどな。
「あの天叢雲剣って神話上の?」
「そうじゃ。かの剣は香織殿の始祖が愛用したとも聞く。でなければ「天」の名をはるか昔から名乗れるはずもなかろう。決して表に出てこないのはその極地にあると聞く」
知ってるよなそりゃあ。はなからそっち側の存在だしな。理由としてはそうなんだが天皇家が存在している2000年以上前から存在している一族で武家なんだからあんまり表にいないのは不思議なんだよな。
「家のソレまで知っているって英義さんって…?」
「それなりに長生きしているからのう。それこそお主の先祖ともそれなりに交流があるからのう。確か500年前から」
おーおそんな前からですか。確かに霊がどうのこうのは江戸くらいだっけ?いや妖怪はそれ以上前から存在する。アレらは霊とは違いなんらかの概念である場合もある。例えば鎌鼬。
明治時代に「かまいたち」現象は、旋風の中心に出来る真空または非常な低圧により皮膚や肉が裂かれる現象であるという説明解釈がなされており、井上円了などもその説を紹介していた。この知識は一見科学的であったために近代以後、児童雑誌や科学記事などを通じて一般に広く浸透し、日本の漫画やアニメーション等フィクションには、しばしば旋風によって物体をカッターのように切り裂く表現が見受けられる。円谷プロ製作『怪奇大作戦』16話「かまいたち」でも、この理論を元にストーリーが作られていると聞いたことがある。
だけど実際には皮膚はかなり丈夫な組織であり、人体を損傷するほどの気圧差が旋風によって生じることは物理的にも考えられず、さらに、かまいたちの発生する状況で人間の皮膚以外の物(衣服や周囲の物品)が切られているような事象も報告されていないはず…。
これらの理由から、現在では機械的な要因によるものではなく、皮膚表面が気化熱によって急激に冷やされるために、組織が変性して裂けるといったような生理学的現象(あかぎれ)であると考えられている。かまいたちの伝承が雪国に多いことも、この説を裏付ける。また、切れるという現象に限定すれば、風が巻き上げた鋭利な小石や木の葉によるものとも考えられているが昔の人はつむじ風に乗って現われて人を切りつける。これに出遭った人は刃物で切られたような鋭い傷を受けるが、痛みはなく、傷からは血も出ないともされる妖怪だ。
こういう風にそういうこともあったり物体に宿る場合もある。それは付喪神の類いかな。もちろん三種の神器も宿っている。よく源平合戦で安徳天皇とともに入水して損失したとされるがどれも影打ちの品物であり原典は今も厳重封印されていると聞く。そういえば天之尾羽張も真打は天皇持ちで家も影打だってさ。
「それは主にやろう。神殺しの逸話の剣と同じ素材だと聞く。貴殿も振るったであろう。竜墜の刃」
「?」
そんな伝説級の剣なんて持ちたくない。持っていても意味ないし。というか神って存在は信じているが信仰まではしてないぞ。居たら嬉々として勝負仕掛けるだろうな。天埜家ってそういう存在だし。だからこそ僕はあの時クロノスドラゴンを殺すか殺されるかのどちらか以外ありえないと感じた。
あ!
「辰之剣?」
「そういう銘か。何にせよ貴殿が目指す場所はあの遊戯の世界で見つけるだろう」
この人はあの世界についてナニを知っているのだろうか。遥か悠久の刻を過ごした存在。その上で僕が知りたいことを知ってそうな口振り。
この妖怪とは長い付き合いになりそうだ。
天埜流の極地は本来門外不出。弟子4人や佳奈や悠二でさえも知らないだろうソレ。
ただソレがあの世界にあるというなら全て切る。
それだけだ。
英義の翁から渡されたのは鞘に納められた片刃のナイフ。実際、抜刀してみると刃は純白で万物を切断できそうだ。この手の金属は見たことないな。日本刀なわけ無いよな?
「これは?」
「銘は白咎。霊刀の一種で特殊金属【白萩】を使っておる」
それ小倉にある町の名前では?というか咎めるという銘が少し怖いな。にしても思ったよりも軽いな。そう言えば家の真剣も似たような金属だよな。今日の型で使ったのは普通の玉鋼だけど。
「そうですか。何か効果でも?」
「霊には効く。かの天叢雲剣にも使われていると効く」
マジかよ。三種の神器の不壊性って一般的には知られていないけどその筋の人にはよく知られているんだよな。でも天叢雲剣って須佐男神が八岐大蛇を殺した際に手に入れた曰く付きの刀なんだよな。そもそも原典は剣という説もあるし。不壊ではあるが加工は可能ってのが謎だけどな。強化だから関係ないとか言いそうだけどな。
「あの天叢雲剣って神話上の?」
「そうじゃ。かの剣は香織殿の始祖が愛用したとも聞く。でなければ「天」の名をはるか昔から名乗れるはずもなかろう。決して表に出てこないのはその極地にあると聞く」
知ってるよなそりゃあ。はなからそっち側の存在だしな。理由としてはそうなんだが天皇家が存在している2000年以上前から存在している一族で武家なんだからあんまり表にいないのは不思議なんだよな。
「家のソレまで知っているって英義さんって…?」
「それなりに長生きしているからのう。それこそお主の先祖ともそれなりに交流があるからのう。確か500年前から」
おーおそんな前からですか。確かに霊がどうのこうのは江戸くらいだっけ?いや妖怪はそれ以上前から存在する。アレらは霊とは違いなんらかの概念である場合もある。例えば鎌鼬。
明治時代に「かまいたち」現象は、旋風の中心に出来る真空または非常な低圧により皮膚や肉が裂かれる現象であるという説明解釈がなされており、井上円了などもその説を紹介していた。この知識は一見科学的であったために近代以後、児童雑誌や科学記事などを通じて一般に広く浸透し、日本の漫画やアニメーション等フィクションには、しばしば旋風によって物体をカッターのように切り裂く表現が見受けられる。円谷プロ製作『怪奇大作戦』16話「かまいたち」でも、この理論を元にストーリーが作られていると聞いたことがある。
だけど実際には皮膚はかなり丈夫な組織であり、人体を損傷するほどの気圧差が旋風によって生じることは物理的にも考えられず、さらに、かまいたちの発生する状況で人間の皮膚以外の物(衣服や周囲の物品)が切られているような事象も報告されていないはず…。
これらの理由から、現在では機械的な要因によるものではなく、皮膚表面が気化熱によって急激に冷やされるために、組織が変性して裂けるといったような生理学的現象(あかぎれ)であると考えられている。かまいたちの伝承が雪国に多いことも、この説を裏付ける。また、切れるという現象に限定すれば、風が巻き上げた鋭利な小石や木の葉によるものとも考えられているが昔の人はつむじ風に乗って現われて人を切りつける。これに出遭った人は刃物で切られたような鋭い傷を受けるが、痛みはなく、傷からは血も出ないともされる妖怪だ。
こういう風にそういうこともあったり物体に宿る場合もある。それは付喪神の類いかな。もちろん三種の神器も宿っている。よく源平合戦で安徳天皇とともに入水して損失したとされるがどれも影打ちの品物であり原典は今も厳重封印されていると聞く。そういえば天之尾羽張も真打は天皇持ちで家も影打だってさ。
「それは主にやろう。神殺しの逸話の剣と同じ素材だと聞く。貴殿も振るったであろう。竜墜の刃」
「?」
そんな伝説級の剣なんて持ちたくない。持っていても意味ないし。というか神って存在は信じているが信仰まではしてないぞ。居たら嬉々として勝負仕掛けるだろうな。天埜家ってそういう存在だし。だからこそ僕はあの時クロノスドラゴンを殺すか殺されるかのどちらか以外ありえないと感じた。
あ!
「辰之剣?」
「そういう銘か。何にせよ貴殿が目指す場所はあの遊戯の世界で見つけるだろう」
この人はあの世界についてナニを知っているのだろうか。遥か悠久の刻を過ごした存在。その上で僕が知りたいことを知ってそうな口振り。
この妖怪とは長い付き合いになりそうだ。
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ただソレがあの世界にあるというなら全て切る。
それだけだ。
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