愛はひとつが良いと思うの

聖 りんご

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最低の記念日

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「ねぇねぇリック~。あーん♡」

「あーん♡」

「……何アレ。」

ララは結婚記念日にあたる今日、最高のディナーを作るべく荷物持ちを依頼した友人夫婦と買い物に来ていた。
結婚三年目、ラブラブ新婚生活も良いけどそろそろ子共が欲しいななんて思ってもいたりもさした。しかし、それは自分だけだったようで夫のリックは目の前で別の女性とパフェを食べながらイチャラブして鼻の下をのばす醜態を晒している。

「ララ、とりあえずアレらぶん殴ってくるわ。」

「ま、まてメリー!落ち着けよ!」

「これが!落ち着いていられる?!」

「こんなところで暴れたらしょっぴかれるぞっ!」

「こんな裏切りっ!見て見ぬふりなんてできないわよっ!!」

リックと浮気相手を殴る為にカフェのテラス席に乗り込もうとするメリーを夫のサムが必死に止める。
そんな中、怒りに身を震わせるララは拳を握りこんで突撃さしたい衝動を抑えた。

「メリー……あの女、雑貨屋の娘のミグで間違いないかしら。」

「ええ。あの蜂蜜色の髪に緑の瞳はミグで間違いないわ。トレードマークの三つ編みからポニーテールにしてるけど変装のつもりかしら。」

「メ、メリーもララも落ち着けよ。雑貨屋のミグな訳ないだろ?だってミグはいつも愛想が悪くて俯いてるのにあんな可愛い笑顔とか別人だろ。」

「いいえ。アレはミグよ!」

「ええ。間違えたりしないわ!サムは男だから騙されるのよ。」

雑貨屋のミグは普段は大人しく地味な服装と洒落っ気の無い三つ編みをしている。
しかし、今目の前にいるミグは赤いリボンで結ばれたポニーテールに身体のラインの分かるワンピース、男ウケしそうな化粧をして笑顔でリックの隣に座っていた。

つまり、いつものスタイルはフェイク。
今の姿が本来のミグなのであろう。ララの目から見ても今のミグは可愛い。でも、自分がそれに劣るとは思っていない。
ピンクブラウンの髪は編み込みのハーフアップにしてリックからもらったバレッタで留め、下品にならないラインの大人な印象の青いワンピースを着てメイクしたララはここまでもある程度の熱視線は集めていた。

「リック~。今日はこの後お買い物行く?それとも、イチャイチャ?♡」

「決まってるだろ?君のいる場所が俺の居場所だよ。」

「きゃっ♡」

何処からどう見てもバカップル。疑いの余地がなく続く光景にララの怒りは振り切れた。

「メリー、サムごめんなさい。買い物は取り止めるわ。その代わりちょっと別の事に協力してくれないかしら。」

「もちろんよ!ララ、何でも言って!!」

「あ、ああ。協力するよ。」

「二人共ありがとう。」

ニッコリ笑ったララの目は全く笑ってはおらず後ろにドス黒いオーラも見える。サムは本能的に一歩後ずさり、心の中でリックの冥福を祈った。



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