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愛はひとつが良いと思うの

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「ララ、僕と結婚してくれないか?」

「モーリス…私、バツイチだし…まだ…信じていられる自信がないわ…。」

「僕は君の前の夫とは違うよ。良いんだ。これからも僕には君しかない事を証明し続けるから、どうか一番近くで見ていてくれないかい。」

「モーリス…。」

離婚から一年半、ララは再婚する事にした。

ララがモーリスと出会ったのは離縁してから半年経った頃、馬車に引かれそうになったところを助けてくれたのがモーリスだった。一目惚れしたとモーリスから交際を申し込まれ、初めは断っていたララだったがその内モーリスの熱意に負け頷いた。
モーリスの一途で深い愛はララの心を癒していったがやはり一度出来た傷はそう簡単に癒えず、まだララは男性を信じる事を苦手としている。それでも自分の手を取ってくれるモーリスをララは信じたいと結婚する事にしたのだ。

「二人で幸せな家庭を築こう。」

「ええ…ありがとうモーリス。」


結婚後もモーリスのララへの愛は変わらず、ララは女の子を授かりリックとは出来なかった幸せな家庭を築くのだった。

その一方、メリッサが街中の女性にミグの話と浮気した男性の名前も一緒に広めた事で、関係を持った男性達は街中の女性達から嫌煙された。もちろんリックもその一人で、何処に居てもいたたまれなかったリックは離婚後ひと月もしないで街を出て消息を絶った。

その一人でもあるサムもメリーと二人の子供達と暮らしているが、サムがメリーを裏切ったと街の女性から聞いた長男が冷たい態度を取るようになった。メリーは自分で何とかしろと助け舟は出さないので親子関係は悪化していくばかりだった。

元凶のミグは貴族の男性に見初められ望み通り愛人契約を結んだ。しかしその相手は女性を奴隷の様に扱いハーレムをつくっているような人間で、ミグはそれを知らずに契約してしまった。今では屋敷で軟禁されながら開放される日を心待ちにする日々のようだ。



「結局、悪いことは出来ないって事。」

「メリッサ、もうミグより自分の幸せを見つけたら?メリーもそう思うでしょ?」

「もちろん!」

「ララ…自分が幸せだからって。」

ララ、メリー、メリッサの三人はカフェでお茶をしていた。子供をそれぞれ夫に預けているので心置き無く女子トークに励める。

「ふふっ。恩人の幸せを願うのは当然ね。結婚が全てではないけれど、貴女を…私達を不幸にした人達より幸せにしてくれる人達を見ていて欲しいの。私のワガママかしら。」

「そうね…。でも、私の幸せを祈ってくれるララの為に私だけの愛を見つけたいって思ってしまったわ。」

「応援してるわ。」

「ちゃんと紹介してよ!」

そんな話をしていた直後、メリッサが運命の人と出会いララがこっそり浮気調査したのは別の話。


FIN
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