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中編
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キャリーはドアをガチャガチャと鳴らすレイヴンにゆくっり近づいた。その右手には長剣を持っている。
「レイヴン、私ね貴方に話してなかったこと後あるの。私の仕事についてなんだけど…貴方は興味があるのは貴方の目の前にいる時の私だって言って仕事の事何も聞かなかったでしょ?今更だけど聞いてくれる?」
「は…はあ?!剣なんて持ってどうしたんだい…そんなもの危ないから置いて……。」
「ふふ…そんなに怯えないでも大丈夫。それでね、私の仕事なんだけど…私、騎士団で働いてるの。事務官とかじゃなくて騎士として。」
「はあ?!き、君が?!冗談でしょ。女が騎士だなんて…そんな野蛮な。」
「本当なの。コレが証拠。」
キャリーは服の中に隠していたペンダントのチェーンを指にかけ引っ張り出す。銀のペンダントトップには騎士団の紋章がしっかりと刻まれており疑う余地は無い。ソレを持つのは騎士だけなのだから。
レイヴンは自分が騙したのが騎士だという事実に顔を真っ青にしながら足から崩れ落ちた。この後に待つのはどう考えても破滅だ。減刑も求められない。
「キャ、キャリー…落ちついて。さっきのは冗談だ。」
「冗談……?」
「そう!冗談さ。君は勘違いをしてるんだよ!!君は最高の女性だ。僕には勿体ない程だ。不安になんてさせてごめんよ。今からまたやり直そう!大丈夫。僕はもう何処にもいかないっ!!」
レイヴンはキャリーを懐柔しようと必死に言葉を並べた。一度は惚れさせた女だ。造作もないはず。レイヴンが捨てたのにも気が付かずに心配し探し続ける程に惚れていたんだから、可能なはずだと心の中で自分を励ましながら心にも無い言葉を口にする。
どこにも行かないなんてことも無い。この場をやり過ごしドアが開けば即座に逃亡する気マンマンだ。
「レイヴン…本当に?」
「ああ、本当さっ!だからそんなもの捨てて僕の胸に飛び込んで…。」
キャリーはレイヴンの胸に飛び込んだ。
レイヴンの顔のすぐ横に剣が突き刺さり、ほぼゼロ距離でキャリーの顔がレイヴンの顔の前にくるがその瞳には温かさが感じられない。
「ねぇ…レイヴン。私、貴方への愛…冷めちゃった。今ははね怒りの気持ちでい~っぱい。だから、ね?ナメてんじゃねぇよっ!」
「ヒッ」
キャリーは剣を抜きながら立ち上がるとドアの鍵を開けた。レイヴンは恐怖で動けず鍵が空いたのに震えて身動きひとつしない。ギィィと音を立てて開いたドアの向こうには数名の騎士が立っておりレイヴンの両脇を抱えて引きづって行った。
「お疲れ様。」
「団長…。」
「まっ。今日は良いから明日話を聞かせてくれ。」
「はい…。」
キャリーは引き上げていく面々を見送るとドアを閉めてキッチンから一番強い酒とコップを取り出した。
「レイヴン、私ね貴方に話してなかったこと後あるの。私の仕事についてなんだけど…貴方は興味があるのは貴方の目の前にいる時の私だって言って仕事の事何も聞かなかったでしょ?今更だけど聞いてくれる?」
「は…はあ?!剣なんて持ってどうしたんだい…そんなもの危ないから置いて……。」
「ふふ…そんなに怯えないでも大丈夫。それでね、私の仕事なんだけど…私、騎士団で働いてるの。事務官とかじゃなくて騎士として。」
「はあ?!き、君が?!冗談でしょ。女が騎士だなんて…そんな野蛮な。」
「本当なの。コレが証拠。」
キャリーは服の中に隠していたペンダントのチェーンを指にかけ引っ張り出す。銀のペンダントトップには騎士団の紋章がしっかりと刻まれており疑う余地は無い。ソレを持つのは騎士だけなのだから。
レイヴンは自分が騙したのが騎士だという事実に顔を真っ青にしながら足から崩れ落ちた。この後に待つのはどう考えても破滅だ。減刑も求められない。
「キャ、キャリー…落ちついて。さっきのは冗談だ。」
「冗談……?」
「そう!冗談さ。君は勘違いをしてるんだよ!!君は最高の女性だ。僕には勿体ない程だ。不安になんてさせてごめんよ。今からまたやり直そう!大丈夫。僕はもう何処にもいかないっ!!」
レイヴンはキャリーを懐柔しようと必死に言葉を並べた。一度は惚れさせた女だ。造作もないはず。レイヴンが捨てたのにも気が付かずに心配し探し続ける程に惚れていたんだから、可能なはずだと心の中で自分を励ましながら心にも無い言葉を口にする。
どこにも行かないなんてことも無い。この場をやり過ごしドアが開けば即座に逃亡する気マンマンだ。
「レイヴン…本当に?」
「ああ、本当さっ!だからそんなもの捨てて僕の胸に飛び込んで…。」
キャリーはレイヴンの胸に飛び込んだ。
レイヴンの顔のすぐ横に剣が突き刺さり、ほぼゼロ距離でキャリーの顔がレイヴンの顔の前にくるがその瞳には温かさが感じられない。
「ねぇ…レイヴン。私、貴方への愛…冷めちゃった。今ははね怒りの気持ちでい~っぱい。だから、ね?ナメてんじゃねぇよっ!」
「ヒッ」
キャリーは剣を抜きながら立ち上がるとドアの鍵を開けた。レイヴンは恐怖で動けず鍵が空いたのに震えて身動きひとつしない。ギィィと音を立てて開いたドアの向こうには数名の騎士が立っておりレイヴンの両脇を抱えて引きづって行った。
「お疲れ様。」
「団長…。」
「まっ。今日は良いから明日話を聞かせてくれ。」
「はい…。」
キャリーは引き上げていく面々を見送るとドアを閉めてキッチンから一番強い酒とコップを取り出した。
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