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前編
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「レイヴン…やっと見つけた。」
「やぁキャリー。久しぶりだね。君と話したいのは山々だけど俺は急いでるからじゃあね!」
「逃がす訳ないでしょ?」
昼下がりのカフェ、カプチーノを飲みながら優雅に腰掛けるレイヴンの顔面を鷲掴みにしてキャリーは優しげに微笑んだ。テーブルにはキャリーも過去にもらったバラの花束が置かれている。
この輝く金髪のイケメンに騙された被害者が来る前にキャリーは掴むものを顔から腕に変えてレイヴンをカフェから引きづって行った。
目指したのはもちろん二人きりになれるキャリーの部屋
。女性であるキャリーの腕などレイヴンは簡単に振り払えるはずなのにソレをしない。何故なら女性には優しくがレイヴンのモットーだからだ。
部屋に着くとキャリーは内から鍵をかけてレイヴンを椅子に座らせた。
「レイヴン。何で急に居なくなっの?!心配したんだよ!!」
「え?そんなの簡単な話だよ。僕にとってキャリーが価値の無い子になってしまったからに決まってるだろ?」
「価値の無い?!酷いっ!!私達結婚の約束もしてたじゃないっ!二人の新居もウエディングドレスも見に行って婚姻届も貰いに行って書いたのに…。」
キャリーが詰め寄ってくる間もレイヴンは余裕な表情でテーブルに肩肘を付き顔をのせて聞き流している。キャリーとしてはどうしようもない理由があってそうしたと信じたい気持ちがあったが、目の前のレイヴンの様子からはそんな事が無さそうで信じる気持ちは小さくなっていく。
「もしかして私の事…嫌いになっちゃった…?」
「まさかっ!嫌いだなんて思ってないよ。さっきも言ったろ?キャリーの価値が無くなったって。お金の無い君には用がなくなっただけだよ。」
「お金って…レイヴンに貸したから無くなったのよ?!貴方のお母様がご病気だって…薬代が必要だって言ったから、レイヴンの貯金じゃ足らないって言ったから貸したのに。」
「貸した?キャリー、君は僕と借用書も交わしていない。貸したと君は主張するけど僕はもらったと思っていたよ。優しい君が僕の為にくれたんだ。」
「そんな…。」
レイヴンの言いようにキャリーは困惑した。
そもそも恋人に借用書なんてつくる人間なんている訳が無い。貸したのにもらったと主張されてしまってはどうしようもないのだ。
「お金の無い、価値の無い君なんて結婚しても仕方がないだろ?だから君の前から居なくなったんだよ。キャリー、君は僕の事なんて忘れて次の恋に生きるべきだ。会うのも今日が最後。あっ間違いで大金持ちになったらまた付き合ってもいいかな。」
レイヴンは立ち上がるとキャリーの肩をポンポンと叩き部屋から出ようとドアに手をかけた。
しかしドアは開かずガチャガチャと音がするのみ。
「何で開かないんだ?」
「そんなの…貴方を逃がさないようにする為に決まってるでしょ。レイヴン…本当に愛してたのに……。」
「やぁキャリー。久しぶりだね。君と話したいのは山々だけど俺は急いでるからじゃあね!」
「逃がす訳ないでしょ?」
昼下がりのカフェ、カプチーノを飲みながら優雅に腰掛けるレイヴンの顔面を鷲掴みにしてキャリーは優しげに微笑んだ。テーブルにはキャリーも過去にもらったバラの花束が置かれている。
この輝く金髪のイケメンに騙された被害者が来る前にキャリーは掴むものを顔から腕に変えてレイヴンをカフェから引きづって行った。
目指したのはもちろん二人きりになれるキャリーの部屋
。女性であるキャリーの腕などレイヴンは簡単に振り払えるはずなのにソレをしない。何故なら女性には優しくがレイヴンのモットーだからだ。
部屋に着くとキャリーは内から鍵をかけてレイヴンを椅子に座らせた。
「レイヴン。何で急に居なくなっの?!心配したんだよ!!」
「え?そんなの簡単な話だよ。僕にとってキャリーが価値の無い子になってしまったからに決まってるだろ?」
「価値の無い?!酷いっ!!私達結婚の約束もしてたじゃないっ!二人の新居もウエディングドレスも見に行って婚姻届も貰いに行って書いたのに…。」
キャリーが詰め寄ってくる間もレイヴンは余裕な表情でテーブルに肩肘を付き顔をのせて聞き流している。キャリーとしてはどうしようもない理由があってそうしたと信じたい気持ちがあったが、目の前のレイヴンの様子からはそんな事が無さそうで信じる気持ちは小さくなっていく。
「もしかして私の事…嫌いになっちゃった…?」
「まさかっ!嫌いだなんて思ってないよ。さっきも言ったろ?キャリーの価値が無くなったって。お金の無い君には用がなくなっただけだよ。」
「お金って…レイヴンに貸したから無くなったのよ?!貴方のお母様がご病気だって…薬代が必要だって言ったから、レイヴンの貯金じゃ足らないって言ったから貸したのに。」
「貸した?キャリー、君は僕と借用書も交わしていない。貸したと君は主張するけど僕はもらったと思っていたよ。優しい君が僕の為にくれたんだ。」
「そんな…。」
レイヴンの言いようにキャリーは困惑した。
そもそも恋人に借用書なんてつくる人間なんている訳が無い。貸したのにもらったと主張されてしまってはどうしようもないのだ。
「お金の無い、価値の無い君なんて結婚しても仕方がないだろ?だから君の前から居なくなったんだよ。キャリー、君は僕の事なんて忘れて次の恋に生きるべきだ。会うのも今日が最後。あっ間違いで大金持ちになったらまた付き合ってもいいかな。」
レイヴンは立ち上がるとキャリーの肩をポンポンと叩き部屋から出ようとドアに手をかけた。
しかしドアは開かずガチャガチャと音がするのみ。
「何で開かないんだ?」
「そんなの…貴方を逃がさないようにする為に決まってるでしょ。レイヴン…本当に愛してたのに……。」
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