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「祐也、本当に行っちゃうの?」

目をうるうるとさせながら俺を見つめてくる。

こんな目で見つめられたら仕事場に連れていきたくなるじゃねえか!
 
 それも一応 可能になったものの、雪が変なことをしそうで…

人間の姿でも首輪をしてやらないとっ…ってそれただの変態じゃねーか!!!

すると、真っ直ぐおれを見つめて

「なんで行くの?」

と不安そうな顔で見つめてくる。

なので、俺は

「生活に必要なことだ。」

というと

「よく分かんない!!!」

と即答される。

「ほら、ご飯を、手に入れるために必要なことなんだ。」
 
と雪がわかるであろう言葉で教えてみると、納得したように

「わかったーー!!」

と俺に ちゅっ、として 軽く俺を抱き寄せてくれた。

「いってくるな…!」

「お土産欲しい!!」

「はいはい、じゃあいってきまーす!」
 
「いってらっしゃい!」

そして、まるで新婚夫婦の様な、送られ方をしたのでした。
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