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3.2 死ぬまで、あなたのことだけを。 (2)
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「セックスって何なのか、私、ちょっとだけ分かった気がする」
気付くと、智子が私の上に乗っかっている。
ふとももを絡めて、胸を押し当てて、頬をぎゅっと当てて。
「まだ、一回しかやってないのに」
「無駄に生きても、回数を重ねても、何にもならないよ。大切なのは、どれだけ大事に生きるかだ」
智子のそんな言葉。ぎゅっと私は抱きしめる。
「もう一度やれば、もっと深く分かるかもしれないのに。勿体ないよ」
ぬふふふ。智子は笑う。
「何? 理紗さん、一時の気の迷いって言ってたのに。本当に好きになっちゃった?」
まさか。って笑いたかったけれど、私は笑うことができない。
「私、ひとつだけ思い出したことがあるんだ」
だから代わりにそう言った。
「え? 何? 何を思い出したの?」
ぬふふふ。って笑い声がまた聞こえそうな声色。
どんな顔をしてるかは見えないけど、だいたい想像がつく。
「小学校の頃、私がインフルエンザで休んだことがあったよね」
「あー。あったあった。私が理紗さんの家へ宿題を持っていくようにって、先生に命令されたやつだ」
「そして、そのまま忘れて持ってきてくれなかったやつ」
「……そうだっけ……?」
「そうだよ。やってないって散々怒られて、1か月後に智子の部屋の机で変わり果てた姿で発見されたんだ」
「そんな昔のこと、よく覚えてるね??」
「やられたほうの恨みは末代まで続くんだよ、死んだら怨霊になって、智子の枕元に毎日立ってやる」
「その行動に愛情を感じるのは私だけでしょうか」
ぬふふふ、って笑う智子に、バカじゃないのって返す。
「私、思ったんだよ。こいつ絶対毎日監視してないとやらかすって」
「歪んだ愛情がストーカーを生んでしまった!」
「だからさ。お望みとあれば、冬休みのあいだも宿題してるか毎日見に来てやろうかと」
その言葉はある程度本気だったけれど。
「嫌だよ」智子のその声はシンプルに拒絶だった。「絶対に、来ないで」
「まぁ、そうだろうね」そう言われることも何となく分かっていた。
「言ったでしょ。理紗さんが最後に見る私は笑顔じゃなきゃいけない。このきれいな身体じゃなきゃいけない」
そんなこと言うけど、私の目を覗き込んだ智子は全然笑ってない。
「私、明日手術行ってくる」
いきなりそんなこと言われても。「なんだか、急な話だね」
「まぁ大丈夫だよ。すぐ終わるから」
ぎゅっと身体を押し付けてくる。「1時間くらいだって。99%の確率でそれくらいで終わる」
それが何を意味するかは分からないし、考えないことにする。
ただ、
「確かに期間限定だね。これ」
智子の身体を撫でる。背中を、おしりを、ふとももを。頭を。
「そうだよ。傷跡もない、こんなにつるつるすべすべなのは今日までなのだ。だから、しっかり目に焼き付けてね」
って言いながら、体重をぐいぐいかけてくる。「もう二度と目の前から消えないくらいに」
「いや、見たくても見えないんだけど」
私の言うことなんて全然聞いてくれずに、唇を重ねてくる。
「くっつけばくっつくほど、相手のことがよく分かるし、お互いに溶けるみたいになって」
智子がくっついたままの身体を揺らす。乳首どうしがこすれあって、またじわじわと変な感じになる。
「理紗さんが気持ちいいなら、私も気持ちいい」
もう一度唇を重ねると、逃げられない。
熱くて、ぴったりくっついて。加速度的に落ちていく。智子の中へ。
「私はきっと、これから一生、理紗さんのことだけを考えて暮らすんだ」
「手術が成功した後で後悔しそうなセリフ」
「いいよそれでも。明日が終わったら今の私はもういない。抜け殻だよ」
智子の指が私の性器に押し付けられると、やっぱり簡単に入ってしまう。
きっとそれは、私が智子を好きだから。なんだろう。
「だからこれが、私にとって最後のセックス。もう二度と、理紗さんには私を触らせてあげない」
だから私も、智子の中に指を入れる。
智子の中はさっきよりもずっとぬるぬるしてて、膨らんだ場所も簡単に見つかる。
きっと、私のほかには誰も知ることはないんだろう。
智子の気持ちいい場所がこんなに大きく膨らむこと。
必死で抑えてる声がいつもよりちょっとハスキーになること。
智子とのキスがこんなにも熱く溶けること。
智子と私は、今、くっ付いて溶け合ってる。
唇も。舌も。胸も。腕も。両脚も。
そしてお互いの性器を感じあっている。
「ん、んんんん、う、んぅ、う、うぅぅぅぅ……」
二人の気持ちも声も。
お互いにいちばん弱い部分なんて隠しようもなくて、その場所をぐいぐいと触りあう。
私が智子の中の膨らみをこりこりと刺激すると、
智子は私の中の弱いところをぐーっと持ち上げる。
びく、びく、時々震える身体をふたつ結びつけるように、ぎゅっと抱きしめあう。
「う、う、う、う、う、うぅぅぅ、っは、あ、あぁぁぁ……」
智子のすべすべの肌、もちもちしたふともも、暖かい腕、全部が気持ちいい。
二人で満たしあう。満たされあう。
「りささん、っ、あ、あ、っぁ……わたし、りささんのこと……っすき……っあ……!」
「知ってるよ……わたしも、っあ、すき、だよ、っあ……!」
二人の全身の震えがどんどん大きくなる。
だから抱きしめる力も強くなる。
ふたり、どこまでも繋がっていく。
「りささん……あ、ぁぁ、いきそうっ、だよねっ……! なかが、びくびくしてるっ、よ……」
「ともこもっ、Gスポットが、あ、ぁぁ、すごいおおきくて、ぬるぬるでっあぁぁぁ……!」
どろっ、暖かいものが漏れ出してきて、中指にかかった感覚。
「いくならっ、あ、あ、いっしょがっ、いいよっ」
「いっしょにっあ、あ、あ、あ、かってに、いっちゃ、だめだよ……っ、あ」
身体がぽかぽかと熱くなって、
力が抜けて、私の身体がいうことを聞かなくなる。
「あ……あ……あ……あ……!」と、声が喉の奥から勝手に漏れる。
智子が全力で抱き着いてくるから、私も同じように抱き返す。
いったとき、好きな人の肌を感じていられるのって、とても安心できるし幸せなこと。
これも智子がいなければ分からなかったこと。
「理紗さん、っ、重くない……? 大丈夫?」
はぁはぁと荒い息が、私の耳にかかって熱い。
「大丈夫だよ。何だか、智子がここにいて、二人で生きてるって気がするから」
私は、智子の体温を全身で感じている。
今、ここは智子と私しかいない世界。
汗でおでこに張り付いた前髪を払う。
ピンキーリングの青い光跡が目に焼き付いた。
美しい私はイルミネーションで飾られる価値があるんだ。智子はそう言ったけれど。
結局あの夜から今まで、飾られてるのは私なんだ。
左手の青いダイヤモンドを見るたびに私は思う。
あの空の色を映し取っているようで、だけど本当は空よりもずっと青い。
空よりもずっと透き通っている。
だから私は、あの目を忘れることができない。
笑顔、真っ赤になって私を感じてくれた顔、大人みたいに艶っぽい顔。
それは確かに、誰も見たことのない星みたいで。
私に刻まれて消えないそれは、確かに消えない呪いかもしれない。
いつかまた、どこかで智子に会ったら、「私の願いがかなった」って笑われるのだろう。
永遠の幸せ。確かにダイアモンドの石言葉は正しいのかもしれない。
小指の指輪はいつもひどく邪魔だ。
こんなんじゃ他の指輪なんて一生付けることが出来ない。
だから私は、死ぬまであなたのことを忘れてあげない。
気付くと、智子が私の上に乗っかっている。
ふとももを絡めて、胸を押し当てて、頬をぎゅっと当てて。
「まだ、一回しかやってないのに」
「無駄に生きても、回数を重ねても、何にもならないよ。大切なのは、どれだけ大事に生きるかだ」
智子のそんな言葉。ぎゅっと私は抱きしめる。
「もう一度やれば、もっと深く分かるかもしれないのに。勿体ないよ」
ぬふふふ。智子は笑う。
「何? 理紗さん、一時の気の迷いって言ってたのに。本当に好きになっちゃった?」
まさか。って笑いたかったけれど、私は笑うことができない。
「私、ひとつだけ思い出したことがあるんだ」
だから代わりにそう言った。
「え? 何? 何を思い出したの?」
ぬふふふ。って笑い声がまた聞こえそうな声色。
どんな顔をしてるかは見えないけど、だいたい想像がつく。
「小学校の頃、私がインフルエンザで休んだことがあったよね」
「あー。あったあった。私が理紗さんの家へ宿題を持っていくようにって、先生に命令されたやつだ」
「そして、そのまま忘れて持ってきてくれなかったやつ」
「……そうだっけ……?」
「そうだよ。やってないって散々怒られて、1か月後に智子の部屋の机で変わり果てた姿で発見されたんだ」
「そんな昔のこと、よく覚えてるね??」
「やられたほうの恨みは末代まで続くんだよ、死んだら怨霊になって、智子の枕元に毎日立ってやる」
「その行動に愛情を感じるのは私だけでしょうか」
ぬふふふ、って笑う智子に、バカじゃないのって返す。
「私、思ったんだよ。こいつ絶対毎日監視してないとやらかすって」
「歪んだ愛情がストーカーを生んでしまった!」
「だからさ。お望みとあれば、冬休みのあいだも宿題してるか毎日見に来てやろうかと」
その言葉はある程度本気だったけれど。
「嫌だよ」智子のその声はシンプルに拒絶だった。「絶対に、来ないで」
「まぁ、そうだろうね」そう言われることも何となく分かっていた。
「言ったでしょ。理紗さんが最後に見る私は笑顔じゃなきゃいけない。このきれいな身体じゃなきゃいけない」
そんなこと言うけど、私の目を覗き込んだ智子は全然笑ってない。
「私、明日手術行ってくる」
いきなりそんなこと言われても。「なんだか、急な話だね」
「まぁ大丈夫だよ。すぐ終わるから」
ぎゅっと身体を押し付けてくる。「1時間くらいだって。99%の確率でそれくらいで終わる」
それが何を意味するかは分からないし、考えないことにする。
ただ、
「確かに期間限定だね。これ」
智子の身体を撫でる。背中を、おしりを、ふとももを。頭を。
「そうだよ。傷跡もない、こんなにつるつるすべすべなのは今日までなのだ。だから、しっかり目に焼き付けてね」
って言いながら、体重をぐいぐいかけてくる。「もう二度と目の前から消えないくらいに」
「いや、見たくても見えないんだけど」
私の言うことなんて全然聞いてくれずに、唇を重ねてくる。
「くっつけばくっつくほど、相手のことがよく分かるし、お互いに溶けるみたいになって」
智子がくっついたままの身体を揺らす。乳首どうしがこすれあって、またじわじわと変な感じになる。
「理紗さんが気持ちいいなら、私も気持ちいい」
もう一度唇を重ねると、逃げられない。
熱くて、ぴったりくっついて。加速度的に落ちていく。智子の中へ。
「私はきっと、これから一生、理紗さんのことだけを考えて暮らすんだ」
「手術が成功した後で後悔しそうなセリフ」
「いいよそれでも。明日が終わったら今の私はもういない。抜け殻だよ」
智子の指が私の性器に押し付けられると、やっぱり簡単に入ってしまう。
きっとそれは、私が智子を好きだから。なんだろう。
「だからこれが、私にとって最後のセックス。もう二度と、理紗さんには私を触らせてあげない」
だから私も、智子の中に指を入れる。
智子の中はさっきよりもずっとぬるぬるしてて、膨らんだ場所も簡単に見つかる。
きっと、私のほかには誰も知ることはないんだろう。
智子の気持ちいい場所がこんなに大きく膨らむこと。
必死で抑えてる声がいつもよりちょっとハスキーになること。
智子とのキスがこんなにも熱く溶けること。
智子と私は、今、くっ付いて溶け合ってる。
唇も。舌も。胸も。腕も。両脚も。
そしてお互いの性器を感じあっている。
「ん、んんんん、う、んぅ、う、うぅぅぅぅ……」
二人の気持ちも声も。
お互いにいちばん弱い部分なんて隠しようもなくて、その場所をぐいぐいと触りあう。
私が智子の中の膨らみをこりこりと刺激すると、
智子は私の中の弱いところをぐーっと持ち上げる。
びく、びく、時々震える身体をふたつ結びつけるように、ぎゅっと抱きしめあう。
「う、う、う、う、う、うぅぅぅ、っは、あ、あぁぁぁ……」
智子のすべすべの肌、もちもちしたふともも、暖かい腕、全部が気持ちいい。
二人で満たしあう。満たされあう。
「りささん、っ、あ、あ、っぁ……わたし、りささんのこと……っすき……っあ……!」
「知ってるよ……わたしも、っあ、すき、だよ、っあ……!」
二人の全身の震えがどんどん大きくなる。
だから抱きしめる力も強くなる。
ふたり、どこまでも繋がっていく。
「りささん……あ、ぁぁ、いきそうっ、だよねっ……! なかが、びくびくしてるっ、よ……」
「ともこもっ、Gスポットが、あ、ぁぁ、すごいおおきくて、ぬるぬるでっあぁぁぁ……!」
どろっ、暖かいものが漏れ出してきて、中指にかかった感覚。
「いくならっ、あ、あ、いっしょがっ、いいよっ」
「いっしょにっあ、あ、あ、あ、かってに、いっちゃ、だめだよ……っ、あ」
身体がぽかぽかと熱くなって、
力が抜けて、私の身体がいうことを聞かなくなる。
「あ……あ……あ……あ……!」と、声が喉の奥から勝手に漏れる。
智子が全力で抱き着いてくるから、私も同じように抱き返す。
いったとき、好きな人の肌を感じていられるのって、とても安心できるし幸せなこと。
これも智子がいなければ分からなかったこと。
「理紗さん、っ、重くない……? 大丈夫?」
はぁはぁと荒い息が、私の耳にかかって熱い。
「大丈夫だよ。何だか、智子がここにいて、二人で生きてるって気がするから」
私は、智子の体温を全身で感じている。
今、ここは智子と私しかいない世界。
汗でおでこに張り付いた前髪を払う。
ピンキーリングの青い光跡が目に焼き付いた。
美しい私はイルミネーションで飾られる価値があるんだ。智子はそう言ったけれど。
結局あの夜から今まで、飾られてるのは私なんだ。
左手の青いダイヤモンドを見るたびに私は思う。
あの空の色を映し取っているようで、だけど本当は空よりもずっと青い。
空よりもずっと透き通っている。
だから私は、あの目を忘れることができない。
笑顔、真っ赤になって私を感じてくれた顔、大人みたいに艶っぽい顔。
それは確かに、誰も見たことのない星みたいで。
私に刻まれて消えないそれは、確かに消えない呪いかもしれない。
いつかまた、どこかで智子に会ったら、「私の願いがかなった」って笑われるのだろう。
永遠の幸せ。確かにダイアモンドの石言葉は正しいのかもしれない。
小指の指輪はいつもひどく邪魔だ。
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