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24、反撃開始。
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わたしは子供の頃から誘拐されたり、誘拐されかけたりを繰り返していた。生後三日目に既に誘拐された事を考えると、わたしはそういう星の下に生まれてきたのかなと思う。そのわたしの人生の中でも今回の出来事は二、三番目に危なかった。
「これが二、三番目か。どんな人生だったんだ?」
「聞きたい?オスカー様にはもう殆ど秘密がないし、あとで教えてあげるね。今はイザベル様とソフィアを助け出さないと。」
「ソフィアも捕まっているのか?」
「オスカー様だったら学園に置いて行く?」
「いや、連れて行くか殺すか、どちらかだな。」
「多分脅されて裏切ったんだと思う。」
「裏切られたのに助けるのか?」
「出来れば助けたい。ソフィアが死んだらギルバートが泣くもの。」
「まずイザベルを助けよう。カルロス王子の様子からして貞操の危機だ。」
「ねえ、さっきのバーンってやつ、また出来る?拘束具がいっぺんに弾け飛んで格好良かった。」
「あれは緊急事態だけだ。魔力を持っていかれて結構キツイ。」
「オスカー様もそんな裏ワザがあるなら早く使ってくれたら良かったのに。」
「今回初めて発動したんだ。聞いたこともない技だ。」
「どんなワザなの。」
「秘密だ。」
「ケチ、わたしなんてとっておきを教えたのに。」
「そのかわりバラした時に崖から飛び降りたくなる魔法をかけられた。」
「だって人を自由に操れるなんて怖いでしょ。そんな魔法が使えるなんて知られたら誰も近づいてくれなくなるよ。」
「でも無闇に使ったりしないだろ?」
「うん、本当に緊急事態しか使わない魔法なの。無闇に使うと血族魔法が使えなくなるんだって。」
「じゃあ怖くない。俺はユインティーナを信用しているからな。」
オスカー様がいい笑顔でわたしを見つめた。
「わたし達、親友だね。」
「いや、俺はもっと上を目指している。」
親友より上なんてあったかな?心の友とかいうやつかな?
デンに敵の情報を吐かせると敵はほとんどハイデル王国から来た人間で此処には9人いるらしい。
「それってデンと王子を入れて?」
「へい、そうで。」
「じゃあ戦える人間はあと7人か。」
「 ユインティーナが話しかけると動くんだな。」
「さっきは手足のロープを切って止まれって、命令したから動かなくなっていただけ。普段通りにしろっていえば普通にしているよ。」
「記憶はどうなるんだ。」
「魔法をかけられていた一日を忘れてしまうみたい。」
「便利だな。」
「それがそうでもないの。わたしに一定以上の好意を持つ人間に魔法をかけると、永遠の虜にしてしまう。性欲も好意に入れられるみたい。強姦しようと近づいた人間にかけると、大抵、永遠の虜よ。」
「永遠って死ぬまでか?」
「たぶん。わたしが5歳の時かけた相手がそのままだから。」
「デンもそうなるな。」
「そうだね。永遠の虜に命令しないと動かないで死んじゃうから、みんな冒険者ギルドに入って冒険者として真面目に働いて、普通に生きるように言ってある。」
「何人いる?」
「4人、デンが入ると5人になる。普通に見えても何処か変なの。死ぬとどっちがマシなんだろう?」
わたしたちはデンに先導されてカルロス王子のいる馬車まで来た。馬車は3台あり、わたしたちが乗せられていた馬車の前に1人、カルロス王子の馬車の前に2人護衛がいた。その全てをデンが倒した。
「デンは結構強いな。」
「仲間だから油断してるしね。」
カルロス王子の馬車には外から鍵が掛けられていた。
「イザベルを逃がさないためか。」
「早く助けよう。」
デンを見張りに残してわたし達が馬車に入ると、そこには思ってもいない光景があった。
気絶させられたカルロス王子をイザベル様とソフィアの二人が紐で縛りあげている。
「護身術教室、役に立ったわよ。」
イザベル様がにっこりと微笑んだ。
「これが二、三番目か。どんな人生だったんだ?」
「聞きたい?オスカー様にはもう殆ど秘密がないし、あとで教えてあげるね。今はイザベル様とソフィアを助け出さないと。」
「ソフィアも捕まっているのか?」
「オスカー様だったら学園に置いて行く?」
「いや、連れて行くか殺すか、どちらかだな。」
「多分脅されて裏切ったんだと思う。」
「裏切られたのに助けるのか?」
「出来れば助けたい。ソフィアが死んだらギルバートが泣くもの。」
「まずイザベルを助けよう。カルロス王子の様子からして貞操の危機だ。」
「ねえ、さっきのバーンってやつ、また出来る?拘束具がいっぺんに弾け飛んで格好良かった。」
「あれは緊急事態だけだ。魔力を持っていかれて結構キツイ。」
「オスカー様もそんな裏ワザがあるなら早く使ってくれたら良かったのに。」
「今回初めて発動したんだ。聞いたこともない技だ。」
「どんなワザなの。」
「秘密だ。」
「ケチ、わたしなんてとっておきを教えたのに。」
「そのかわりバラした時に崖から飛び降りたくなる魔法をかけられた。」
「だって人を自由に操れるなんて怖いでしょ。そんな魔法が使えるなんて知られたら誰も近づいてくれなくなるよ。」
「でも無闇に使ったりしないだろ?」
「うん、本当に緊急事態しか使わない魔法なの。無闇に使うと血族魔法が使えなくなるんだって。」
「じゃあ怖くない。俺はユインティーナを信用しているからな。」
オスカー様がいい笑顔でわたしを見つめた。
「わたし達、親友だね。」
「いや、俺はもっと上を目指している。」
親友より上なんてあったかな?心の友とかいうやつかな?
デンに敵の情報を吐かせると敵はほとんどハイデル王国から来た人間で此処には9人いるらしい。
「それってデンと王子を入れて?」
「へい、そうで。」
「じゃあ戦える人間はあと7人か。」
「 ユインティーナが話しかけると動くんだな。」
「さっきは手足のロープを切って止まれって、命令したから動かなくなっていただけ。普段通りにしろっていえば普通にしているよ。」
「記憶はどうなるんだ。」
「魔法をかけられていた一日を忘れてしまうみたい。」
「便利だな。」
「それがそうでもないの。わたしに一定以上の好意を持つ人間に魔法をかけると、永遠の虜にしてしまう。性欲も好意に入れられるみたい。強姦しようと近づいた人間にかけると、大抵、永遠の虜よ。」
「永遠って死ぬまでか?」
「たぶん。わたしが5歳の時かけた相手がそのままだから。」
「デンもそうなるな。」
「そうだね。永遠の虜に命令しないと動かないで死んじゃうから、みんな冒険者ギルドに入って冒険者として真面目に働いて、普通に生きるように言ってある。」
「何人いる?」
「4人、デンが入ると5人になる。普通に見えても何処か変なの。死ぬとどっちがマシなんだろう?」
わたしたちはデンに先導されてカルロス王子のいる馬車まで来た。馬車は3台あり、わたしたちが乗せられていた馬車の前に1人、カルロス王子の馬車の前に2人護衛がいた。その全てをデンが倒した。
「デンは結構強いな。」
「仲間だから油断してるしね。」
カルロス王子の馬車には外から鍵が掛けられていた。
「イザベルを逃がさないためか。」
「早く助けよう。」
デンを見張りに残してわたし達が馬車に入ると、そこには思ってもいない光景があった。
気絶させられたカルロス王子をイザベル様とソフィアの二人が紐で縛りあげている。
「護身術教室、役に立ったわよ。」
イザベル様がにっこりと微笑んだ。
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