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QRを読み込むと動画が現れ画面には再生ボタンのみ表示されている。
これを押せばスレンダーマンが現れる。本当に押していいのだろうか、現れたところでどうしよう。緊張が走る。
…もし殺されたりしたら嫌だけど、都市伝説の人物に会うことができる機会を逃すのは勿体無い。やるしかないだろう。
指が再生ボタンへと伸び…画面に触れた。
動画は風の音と暗い森が映し出されている。定点カメラで撮影されたのか、木が風に煽られ揺れる以外画面は動かない。少しだけ不安になってくる。
ザザ……
画面が少しだけ乱れた。一瞬画面の中央に誰かいたように感じた。
変わったことはそれだけで30秒後動画が再生をやめ、自動的に消える。
なんとか見終わった。あとは周りを確認するだけと思い後ろを振り向こうとした。
ベチャっ、
首に何か温かいものが触れる。
ッッッッッ!?!?
その温かいものは首の前の方にだんだんと移動して来て服の間に入るとゆっくりと胸の方へと下に下がって行く。
平べったい胸を暫く張った後、へその中に何かが入ろうとする。
「ッッん」
スレンダーマンが来てしまった、怖い。気持ち悪い。怖い。
いまだに後ろを振り替えられないまま気持ちの悪いなにかにじっと耐える。
トントンッ
窓から音がしてびっくりする。
体を這う何かも驚いたのか体から離れ、解放される。
俺は窓にかけだした。急いで窓を開けると驚いたように見つめる志麻に向かってダイブする。
「危ないだろ!いくら窓が近いっていったってここは2階だぞ、もし落ちたら……?」
志麻は自分の腕の中で震える結季を見て様子がおかしいことに気づいた。
「結季?大丈夫か?」
結季の背中にそっと手を置いて撫でる。
だんだん落ち着いて来たのか、震えが止まっていく。
「志麻…今俺の部屋になんかいる?」
「部屋?………」
結季の部屋を見つめる。電気が消され暗い部屋を確認するが、特に誰もいない。
「いないけど…どした?」
結季は起き上がると涙の溜まった瞳で志麻を見つめる。……かわいい。
志麻を見つめた後意を決して自信の部屋を見る。が、そこにはなにもいなかった。
「…志麻、俺殺されるかもしれない」
唐突に不吉なことを呟く結季に志麻は驚く。
「もしかして、強盗とか?それともストーカー?警察呼ぶか?」
「……違う。そんなものよりもっと恐ろしいもの」
そんなものより恐ろしいものとはなんだろうか…。不意に志麻の視界に結季の部屋の机の上、風でペラペラと捲れる雑誌が目に入る。
「もしかして…一人でなんかやっちゃった?」
「スレンダーマン、呼び出した。」
志麻の口からため息が溢れる。結季は昔からそうだ。志麻自体は幽霊や宇宙人などは信じていない。しかし霊感?とやらがある姉や母をみて育ち、そういうことには触れてはいけないと教育されていた。しかし、志麻が気をつけようが隣で結季がそういったことをバカバカとやるのだ。そのたびに志麻は自然な形で止めに入り、中断させた。中学にも上がりそういったことはしないだろうと安心していたが、はぁ。
「…呼び出してどうなったの?」
「後ろに現れた変な触手?が俺の体を這いずってた。俺、どうしよう…。」
もっと、自分は強いと思っていた。しかしいざ対峙してみるとなにもできず振り返ることもままならなく、されるがままにされ、逃げ出した。
志麻からの返事がない。
「……しま?」
振り返ると志麻の顔がほんのり赤くなっていた。
「………結季、とっておきのおまじない教えてやろうか?」
これを押せばスレンダーマンが現れる。本当に押していいのだろうか、現れたところでどうしよう。緊張が走る。
…もし殺されたりしたら嫌だけど、都市伝説の人物に会うことができる機会を逃すのは勿体無い。やるしかないだろう。
指が再生ボタンへと伸び…画面に触れた。
動画は風の音と暗い森が映し出されている。定点カメラで撮影されたのか、木が風に煽られ揺れる以外画面は動かない。少しだけ不安になってくる。
ザザ……
画面が少しだけ乱れた。一瞬画面の中央に誰かいたように感じた。
変わったことはそれだけで30秒後動画が再生をやめ、自動的に消える。
なんとか見終わった。あとは周りを確認するだけと思い後ろを振り向こうとした。
ベチャっ、
首に何か温かいものが触れる。
ッッッッッ!?!?
その温かいものは首の前の方にだんだんと移動して来て服の間に入るとゆっくりと胸の方へと下に下がって行く。
平べったい胸を暫く張った後、へその中に何かが入ろうとする。
「ッッん」
スレンダーマンが来てしまった、怖い。気持ち悪い。怖い。
いまだに後ろを振り替えられないまま気持ちの悪いなにかにじっと耐える。
トントンッ
窓から音がしてびっくりする。
体を這う何かも驚いたのか体から離れ、解放される。
俺は窓にかけだした。急いで窓を開けると驚いたように見つめる志麻に向かってダイブする。
「危ないだろ!いくら窓が近いっていったってここは2階だぞ、もし落ちたら……?」
志麻は自分の腕の中で震える結季を見て様子がおかしいことに気づいた。
「結季?大丈夫か?」
結季の背中にそっと手を置いて撫でる。
だんだん落ち着いて来たのか、震えが止まっていく。
「志麻…今俺の部屋になんかいる?」
「部屋?………」
結季の部屋を見つめる。電気が消され暗い部屋を確認するが、特に誰もいない。
「いないけど…どした?」
結季は起き上がると涙の溜まった瞳で志麻を見つめる。……かわいい。
志麻を見つめた後意を決して自信の部屋を見る。が、そこにはなにもいなかった。
「…志麻、俺殺されるかもしれない」
唐突に不吉なことを呟く結季に志麻は驚く。
「もしかして、強盗とか?それともストーカー?警察呼ぶか?」
「……違う。そんなものよりもっと恐ろしいもの」
そんなものより恐ろしいものとはなんだろうか…。不意に志麻の視界に結季の部屋の机の上、風でペラペラと捲れる雑誌が目に入る。
「もしかして…一人でなんかやっちゃった?」
「スレンダーマン、呼び出した。」
志麻の口からため息が溢れる。結季は昔からそうだ。志麻自体は幽霊や宇宙人などは信じていない。しかし霊感?とやらがある姉や母をみて育ち、そういうことには触れてはいけないと教育されていた。しかし、志麻が気をつけようが隣で結季がそういったことをバカバカとやるのだ。そのたびに志麻は自然な形で止めに入り、中断させた。中学にも上がりそういったことはしないだろうと安心していたが、はぁ。
「…呼び出してどうなったの?」
「後ろに現れた変な触手?が俺の体を這いずってた。俺、どうしよう…。」
もっと、自分は強いと思っていた。しかしいざ対峙してみるとなにもできず振り返ることもままならなく、されるがままにされ、逃げ出した。
志麻からの返事がない。
「……しま?」
振り返ると志麻の顔がほんのり赤くなっていた。
「………結季、とっておきのおまじない教えてやろうか?」
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