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スレンダーマンは真っ直ぐ俺を見つめていた。
「っひ……ぅ、殺すならさっさと殺して。……」
俺は生きていては行けないから死んだ方がいいんだ。頭の中でそればっかり考えてしまう。目の前の男は俺を殺しに来たんだ。ちょうどよかった。
しかし、スレンダーマンは殺そうとするどころかジーとこちら伺うだけで動かない。
「どうしたいんだよ………」
なにをするでもなく、ただジーと見つめてくる。
不意に背中に寒気が走り、耳にザザッとしたノイズが入ってくる。
「……ぁぁ、……ぅぁ、………ああ」
男の口から聞き取れないような小さな声が聞こえてくる。
「ぅぅ……ぅぅぃ、………ゆぅぃ、ゆうき」
次第に訳のわからない言葉が俺の名前に変わっていった。スレンダーマンなのだから獲物の名前を知っていて当たり前だろう。
「ゆうき……かえる?」
おぼつかない言葉で男は質問をしてくる。帰るってどこへだろうか、そういえばここはどこだっけか。まぁ、そんなことどうでもいい。
「俺に、帰るとこなんてない。だから早く殺してくれ」
スレンダーマンの手を掴み自分の首元に持っていく。
「ほんと?本当?おれの物?」
スレンダーマンは俺の首に手を置いたまま喜ぶような口調で確認してくる。
「ああ、だから、早く俺を…」
殺してくれと言いかけた時、スレンダーマンは首にあった手を脇に入れ、俺を抱き上げる。そのままスレンダーマンの顔が近づいてくる。
「俺の、結季。」
スレンダーマンは俺の腹に頬擦りをしだしたのだ。なにが起きているのかさっぱりわからない。腕を相手の頭に乗せて力いっぱい押すが、びくともしない。
「なんなんだよお前…!」
そういえば、スレンダーマンって子供を攫った後何をするんだろうか。雑誌には子供を攫って生きたまま喰うとか書かれていたけど………雑誌ってなんだっけ?
頭の中の霧が晴れないみたいにずっと何かがモヤモヤしている。この黒い空間にも違和感を感じるのだが、何がおかしいのか全くわからない。
「結季、考え事?ダメだよ」
スレンダーマンの後ろから触手のような物が生え、俺の体全身に巻きついてくる。異色の感覚でちょっと気持ち悪い。触手は動けなくなるほど巻きついて、熱くなる。
これが捕食なのだろうか?
そう思い目を瞑る。しかし、急に暑さがなくなった。目を開けると触手はいなくなっていた。なんだったのだろうか?
「おい、今のって…?」
「お腹すいた?これ食べて。」
ことごとく奴は俺の質問を遮る。目の前に差し出された見たことないフルーツを凝視する。
「これは、食べない?」
「いや、これなんなんだ?」
奴が首を傾げる。
「林檎だよ?美味しいよ?」
俺の知っているリンゴとは違う。目の前の植物は林檎より小さく。白い見た目をしている。手にとっても大丈夫だろうか?毒とかありそうな見た目なんだが…
「食べて?」
胸にリンゴ?が押し付けられ思わず落としそうになるのをすんでのところでキャッチする。危ねぇ…
奴の顔には目やら眉やらがないからわからない筈なのに不安そうにこちらを見つめていることがわかる。まぁ、毒なら毒でいっか。
俺は白い林檎を齧る。
「ん……………意外と美味しいな。リンゴじゃないけど」
食感は桃に近く、味は葡萄に似ている気がする。どこにもリンゴと繋がる要素がない。
俺が一口食べるたびに奴は嬉しそうに笑っているような気がした。元々小さかった身だが案外腹に溜まるようで全部たいらげた時には俺のお腹は満腹を感じていた。
「美味しかった。その、…ありがとう」
お礼を言うと奴は嬉しそうに俺の頭を撫で始める。
「っひ……ぅ、殺すならさっさと殺して。……」
俺は生きていては行けないから死んだ方がいいんだ。頭の中でそればっかり考えてしまう。目の前の男は俺を殺しに来たんだ。ちょうどよかった。
しかし、スレンダーマンは殺そうとするどころかジーとこちら伺うだけで動かない。
「どうしたいんだよ………」
なにをするでもなく、ただジーと見つめてくる。
不意に背中に寒気が走り、耳にザザッとしたノイズが入ってくる。
「……ぁぁ、……ぅぁ、………ああ」
男の口から聞き取れないような小さな声が聞こえてくる。
「ぅぅ……ぅぅぃ、………ゆぅぃ、ゆうき」
次第に訳のわからない言葉が俺の名前に変わっていった。スレンダーマンなのだから獲物の名前を知っていて当たり前だろう。
「ゆうき……かえる?」
おぼつかない言葉で男は質問をしてくる。帰るってどこへだろうか、そういえばここはどこだっけか。まぁ、そんなことどうでもいい。
「俺に、帰るとこなんてない。だから早く殺してくれ」
スレンダーマンの手を掴み自分の首元に持っていく。
「ほんと?本当?おれの物?」
スレンダーマンは俺の首に手を置いたまま喜ぶような口調で確認してくる。
「ああ、だから、早く俺を…」
殺してくれと言いかけた時、スレンダーマンは首にあった手を脇に入れ、俺を抱き上げる。そのままスレンダーマンの顔が近づいてくる。
「俺の、結季。」
スレンダーマンは俺の腹に頬擦りをしだしたのだ。なにが起きているのかさっぱりわからない。腕を相手の頭に乗せて力いっぱい押すが、びくともしない。
「なんなんだよお前…!」
そういえば、スレンダーマンって子供を攫った後何をするんだろうか。雑誌には子供を攫って生きたまま喰うとか書かれていたけど………雑誌ってなんだっけ?
頭の中の霧が晴れないみたいにずっと何かがモヤモヤしている。この黒い空間にも違和感を感じるのだが、何がおかしいのか全くわからない。
「結季、考え事?ダメだよ」
スレンダーマンの後ろから触手のような物が生え、俺の体全身に巻きついてくる。異色の感覚でちょっと気持ち悪い。触手は動けなくなるほど巻きついて、熱くなる。
これが捕食なのだろうか?
そう思い目を瞑る。しかし、急に暑さがなくなった。目を開けると触手はいなくなっていた。なんだったのだろうか?
「おい、今のって…?」
「お腹すいた?これ食べて。」
ことごとく奴は俺の質問を遮る。目の前に差し出された見たことないフルーツを凝視する。
「これは、食べない?」
「いや、これなんなんだ?」
奴が首を傾げる。
「林檎だよ?美味しいよ?」
俺の知っているリンゴとは違う。目の前の植物は林檎より小さく。白い見た目をしている。手にとっても大丈夫だろうか?毒とかありそうな見た目なんだが…
「食べて?」
胸にリンゴ?が押し付けられ思わず落としそうになるのをすんでのところでキャッチする。危ねぇ…
奴の顔には目やら眉やらがないからわからない筈なのに不安そうにこちらを見つめていることがわかる。まぁ、毒なら毒でいっか。
俺は白い林檎を齧る。
「ん……………意外と美味しいな。リンゴじゃないけど」
食感は桃に近く、味は葡萄に似ている気がする。どこにもリンゴと繋がる要素がない。
俺が一口食べるたびに奴は嬉しそうに笑っているような気がした。元々小さかった身だが案外腹に溜まるようで全部たいらげた時には俺のお腹は満腹を感じていた。
「美味しかった。その、…ありがとう」
お礼を言うと奴は嬉しそうに俺の頭を撫で始める。
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