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しおりを挟むニース…
城で冷遇されて育った、国の第3王子。
上の兄が2人とも優秀な所為で、何も期待されないが故に誰にも関心を持たなかった結果、生まれながらにしてネグレクトのような環境に身を置くことになった、可哀想な子。
ちなみに彼の運動神経が悪いのは、資質もあるが、幼少期の栄養失調が原因。
食事が出されなかったわけではないが手を抜かれていた為、兄2人が当たり前のように受けていた対応がされなかった。それを王すら確認していなかったので、長年続いた結果、発育不足に。
これを知っているのはクレブだけで、本人は自覚すらない。
そんな環境でただ唯一自分に良くしてくれたのがクレブだったので、依存と重い恋心を抱える羽目になる。
クレブと離れて外交を担っていたときは、国に切り捨てられた場合の保険として、匿ってもらえるようなところを探す為にとても熱心に仕事をしていたので、諸外国の印象はとても良い。
そんな彼の代わりを務められる者など居るはずもなく、外交に関してはじわじわと瓦解の一途を辿っている。
このまま手をこまねいているだけならば、近いうちに貿易などを打ち切られることになるがーー箱庭に囚われた彼には、関係のない話。
クレブ=アルアドル…
騎士を父親にもつ平民。
幼い頃から父親に憧れ、才能もあり王城の護衛騎士に抜擢される。
が、たまたまニースが泣き止まない場面に出会した際、乳母に言われるがまま抱き上げると泣き止んだので、それを理由に傍従えを押しつけられた不運な男。
最初は不貞腐れて適当に対応していたが、ニースはそもそも構ってもらえることがなかったので、適当でも自分の話を聞いて、自分の考えを訊いてくれるクレブに速攻で懐いた。
そんなニースに困惑しながらも自分の気持ちが落ち着いてくると、ニースの置かれた不憫な現状に気が付いて色々と世話を焼いているうちに絆されてしまった。
それからニースの待遇の改善を図ってきたが一従者が出来ることなどたかが知れていたので、「自分が不甲斐ないばかりに」とよく言うようになった。(それでもだいぶ改善された)
ニースの成人を機に、ゆっくりと傍従えとして遠ざけられていることには気付いていたが、別に抗議するほどでもないと思っていた。
けれど完全に関わりがなくなった後、色々と違和感を感じるようになり、自分がニースをいつの間にか好きになっていたからだと気付いて身体を鍛え直し、一兵卒から騎士を目指すことにした。
最初はニースの護衛騎士を目指していたが、ちょうどよく隣国が攻めてきたのでこれ幸いと敵将を打ち倒し、ニースを褒美に貰おうと企み、成功させる。
やっと手に入ったと思いきや、奴隷落ちや自殺宣言をされ、ここ数年の想いが溢れて怒り爆発。監禁へと至ることになる。
監禁と王位継承権の返還の行動についての心理としては、今まで蔑ろにしてきた奴らの為にこれ以上身を削る必要はないと思っているから。
なので、もし今後外交のことについて王家から助けを求められたとしても、体調不良で押し通すし、継承権を放棄したニースには義務がないと言って譲らない。
表面上は取り繕いながら「ざまぁみろ。今までニース様を兄たちより劣ると冷遇し、軽んじてきた結果で、自業自得。助ける義理も、義務もない」と心の中で王家を罵ることだろう。
ちなみに、式典の前に王には一度会っており、その時も同様の願いを二つ返事で了承されている。
王はニースの気持ちも知っていたので勝手に良いことをした気になっているが、ニースの蔑ろにされ続けた故の自己評価の低さの為に、王の対応から彼らのすれ違いが生まれることに気づけなかった。結局大体の原因はこいつ。
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