貴方に捧げます


親からも、兄弟からも関心を持たれない俺は世界で一番不幸な人間だと思っていた。

でも、違った。

本当に不幸なのは、そんな俺に付き従わなければならない彼だった。

「…騎士を、目指していましたので」

そんなことも知らなかった俺に彼を縛り付けておく権利なんてなかった。

「おめでとう、幸せになれよ」

俺から解放してあげなければと、思ったんだ。

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