ノンケだった僕たちは…。~タチもネコも経験させられて~

椿木ガラシャ

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case3:モブ竿俳優の俺が男の娘の彼氏役に抜擢されて…。

撮影開始 ~男の娘になった同期~

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 ――一週間後、出勤した紘はプロデューサーから渡された学生服を着てスタジオに入った。スタジオの端に設けられたメイクスペースには、セーラー服を着てメイクをしている由愛がいた。
「え、お前、なんでお前がいるんだ!」
 久しぶりに会った由愛は紘を睨み付けてた。
「社長から言われたんだ。由愛の彼氏役して欲しいって」
「ちっ、あのくそエロ親父!」
 思いっきり舌打ちをし、立ちあがった由愛は紘をスタジオの死角になるところに連れていく。
「いいか、紘!」
 壁に背を打ち付けられる。至近距離で由愛を見ることになってしまう。紘よりやや背の高い由愛に見下ろされる。
「余計なことはするな。俺より目立つな。いいな!」
 由愛は必死だった。吊り上がった双眸はメイクをしているせいでいつもより迫力がある。
「わ、わかったよ…」
 紘が頷くと、再び舌打ちをして由愛は離れた。
 今の由愛はいわゆるギャルだ。紘が大人しい感じの学生なので、カースト上位のギャル彼女とカースト下位の地味彼氏という設定らしい。
 こんなところでも格差を見せつけられて、紘はひそかにため息を吐いた。

 ――撮影が始まった。スタジオ内には電車の見立てたスタジオが用意されている。
 シチュレーションとしては付き合いたての由愛と紘カップルが電車に乗っている途中、由愛が痴漢にあうのだ。実は由愛は男の娘であり、驚いている紘の前で無残にも凌辱されてしまうのだ。
「はい、スタート!」
 監督の合図で撮影がスタートした。モブ役として一緒に電車に乗るAV男優たちもスタンバイを終えていた。
「紘、いこう!」
 先ほどまでの仏頂面はどこにいったのか、由愛はにこやかに紘の手を取る。そして電車に乗り込むと、ふたりは真ん中に立った。
 お互い手を握り合ったまま、何気ない会話を交わす。
 それが演技であることを分かりながら、なんだか紘は切ない気持ちになる。出会ったばかりの頃は、お互いのアパートを行き来し、深夜まで好きな映画を語り合ったりAV研究をしたりと仲が良かったのに…。
 あの頃に戻ったようで、切ないながらも嬉しくなってしまう。思わず笑ってしまうと、由愛も笑ってくれた。
 その直後、由愛が硬直した。
「ん…」
「どうしたの、由愛くん?」
 男の娘であるという設定を強調するため、あえて『くん』付けを監督から支持されていた。その由愛が身悶えている。
「な、何でもない…」
 紘が心配そうに尋ねると、由愛がぎゅっと紘の手を握った。
「ん、はう…くっ、あ…」
 演技とは思えぬ由愛の喘ぎに紘が瞠目すると、後ろから由愛を抱きすくめてくる男がいた。その顔には見覚えがあった。
「先輩!おはようございます!」
「お、紘おはよう。お前も参加してたのか」
 先輩モブ俳優だった。撮影中なのであいさつは小声だ。
 普段は裏方で働いているおじさんだが、なかなか気が良い人でよく飲みに連れて行ってもらっていた。
「紘って、ゲイ系とかBL系初めてだっけ?」
「そうです。社長に誘われて」
「じゃあ、気を付けねえと。お前天然美人って、評判だったし」
「え、天然美人って…」
 『誰のことですか?』と尋ねようとしたところで、
「ちっ、今日はアナ一つかよ」
 由愛と紘を取り囲む男優たちから声が上がった。
「仕方ないだろ。ここの事務所、ゲイ系なんてはじめてだし、しかも男の娘なんだし」
 事務所にとっては男同士の絡みは初めての取り組みだった。そのため、他の事務所の教えを乞うているのだ。その事務所はゲイ系やBL系でも実績を重ねており、業界では先駆的な取り組みがしていた。
 当然俳優たちも、ゲイかバイの者たちが多いらしい。
「こっちのアナがあるじゃねえか」
「え、ちょ!」
 会話に気を取られていた紘は、自分の尻をすりすりと撫でる男の手に気付いた。ベルトを外され、ズボンごと下着をずらされた。
「え、紘に何してるんだ…?」
 由愛は驚いた声を上げている。由愛自身も男優たちに足や髪をさすられているのに、紘に視線を向けている。
「ひゃあ!」
 紘は下着をずらされ、尻をすりすりと撫でられる。
「彼氏役の方ってなにもしないんじゃなかったっけ?」
「あー、そうだったか?別にいいんじゃねえ?こんないいケツだし、孔もピンクだしな。処女廚に受けがよさそうだ」
 「ひゅああ!」
「紘!」
 由愛の焦った声が聞こえる。
 ぬるぬると孔になにかを塗り込められたかと思うと、ぬぷっと何かが入り込む。それはローションを纏った男優の指だった。ググっと奥まで挿入され、襞を撫でられる。
「や、やめてください…俺は!?」
 紘が必死になる。そんな話は聞いていない。紘が涙目になり、思わず目の前にいる由愛にしがみつくと、ぎゅっと抱きしめられた。
 紘が見上げると、ぐっと何かを耐える由愛の顔があった。
「俺が守るから」
 そして紘の手を引きはがすと自ら誘いをかける。
「ね、おじさんたち。そんなモブより、俺の方がおいしそうだろ?ほら、俺今日のために、ちゃんと仕込まれたんだから、な?」
 自らセーラー服のスカートをたくし上げる。そこには、黒いセクシーランジェリーを纏った下肢があった。由愛は顔に似合わず性器のサイズは大きめだ。玉もどっしりとあった質量があり、ランジェリーからはみ出ている。
 無理やりに華奢なサテンの布に収まっている男のものが、ギャップがあっていやらしい。
 男優たちはごくりと息を飲む。紘を嬲っていた手がひいていき、その手は由愛に伸ばされた。AV男優たちの手が由愛の体を這いまわる。
「あ、いた、乳首は…っ!」
 コネコネと胸を撫でまわされ、スカートの下にも男たちの手が入り込んでいる。
「ひ!玉を揉むな…!」
 由愛が紘から引きなされていく。座席に座らされた由愛は、大きく足を開く形になる。その身体に、AV男優たちが吸い寄せられるように近づいていく。
 (助かった…?)
 紘がほっと溜息をついていると、
「くっ、そんないきなり…」
「ローション仕込んであるんだろ?大丈夫だって」
「くう、あああ!」
 と叫ぶ声が聞こえた。由愛が両足を上げさせられ、足の間にAV男優が腰を打ち付けていた。
「んあ!おっさんのデカチンコ、いきなり…んあ!!」
「すっげえ。孔も柔らかくていい感じだ」
 いきなりずっと深くまで打ち付けられて、由愛は顔を真っ赤にして身悶えている。
「あ、あ、あん!」
「お、出すぜ」
「あああん!」
 由愛は次いで座席に座ったAV男優の上に、跨ぐ形で座らされた。
「ん、また、大きい…!」
 亀頭でぬるぬると会陰を撫でられ、一気に奥まで貫かれる。腰を上下させられ、ぬぷぬぷと男根が内壁をさすり上げる。
「は!あ!く、ううん!はら、腹いっぱい…!」
「ほら、カレシにみてもらえ」
「嫌だ…!紘、みるなあ!」
 由愛を犯していたAV男優の手が尻を割り開く。目の前でずっぷりと男根を咥えこんだ孔を見せられた。紘はごくりと息のをんだ。女性器とは違う、だがぴくぴくと縁を震わせながら、巨大な男根を飲み込んでいるのだ。
 紘が呆然としていると腕を引かれた。
「紘、こっちこい」
「社長?」
 そこにいたのは筏であった。ぐっと持ち上げられ、撮影から離れた場所に連れていかれる。
「お前、今から孔洗浄してこい」
 社長に手渡されたものに紘は目を見開く。それはイチジク浣腸だった。
「え、え?」
「撮影に戻れば、お前も由愛と同じ目に合う。だがその分、基本給は今までの倍だ。どうする?」
 簡潔に筏は問いかける。
 筏が視線を向けた先には、AV男優たちに囲まれている由愛がいる。セーラー服は既に脱がされている。靴下とローファー、そして下着のみの姿だった。
「きゃ、あ!いや、ああ!くそ…!おっさん、ども…が!」
「ゲイ系初めてのくせに、才能あるなこいつ」
「生意気そうな顔しているのもいい」
 平たい胸を包んでいるブラジャー越しに乳首を吸われ、紐パンをずらされて孔を犯されている由愛が鳴いている。
 異常な光景だがなにより、由愛が気持ちよさそうにしている。
 同性である男に嬲られるのは、そんなに気持ちいいモノなのだろうか?
「ほら、いって来い」
 紘の表情が変化したことに気付いた筏は背をたたいて、スタジオの外へおしやったのだった。
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