伴奏曲

necropsy

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伴奏曲21

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 飢えることのない、笑顔の絶えない生活を長老にあずさは強く訴えかけた。
 物々交換をしてはどうかとあずさはジョンの通訳をまじえて訴えかける。
 釣った魚を男たちが家々に持ち帰っていた。
 女が家の家事をするのなら畑仕事をする。まずは分配からはじめて、じょじょに物々交換したらどうだろうか。
 お腹が満たされたら、もっとこの島の人たちがおおらかに暮らせる。
 あずさはジョンが止めるのを聞かずジャガイモを持参していた。
 村人たちの前で海水を足したお湯で茹でたジャガイモが配られた。
 できるだけ多くの人たちにと思ったがざっと40人はいるすべてに行き渡らすことはできない。
 村人たちは不思議そうに配られたジャガイモを譲り合い食べだした。
 赤土の土壌。
 きれいな空気。
 あずさに好意的な夫婦がこの島の土壌を調べてくれていた。
 種さえあれば、珊瑚礁から生まれたこの島はミネラルを多く含んだ赤土に覆われていた。美味しい野菜を栽培するのに適した気候と土壌にあずさのこころが踊る。
 無理やりジョンから奪い取った種芋をあずさは島民にみせた。
 すべての民に責任をおわす。
 ルールがなければこれから作っていけばいいじゃない。
 あずさが農具を勝手に奪い取ると止めるジョンを無視して率先して畑仕事をはじめる。
 さいしょは遠目にみていた女らだったが少しずつあずさに協力するものが増えていった。
 畑を耕し石を取り除く。
 川から水を汲みに行っているが、ここに井戸が掘れないか、あずさはここでも心を砕いていた。
 後に掘られ、いまでは憩いの場所になっている井戸がある。
 ジュリアに案内された安藤は女らが集うこの場所で井戸水で冷やされたキュウリに目をやった。
「た、べる。か?」
 たどたどしい日本語のジュリアに安藤は「食べて大丈夫か?」と問い返すと、辺りにいる女らに聞くと安藤に一本手渡した。
 齧るととても瑞々しい。
 ジュリアが安藤に両親のことを聞く。安藤は少し項垂れるととても「親不孝」だったことを話した。
 まだまだ片言同士では話がなかなか通じ合わすことが難しい。
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