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4,変わらない笑顔
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リアム…いやルームメイトの彼は小山春樹と名乗った。
あのあと、自己紹介を経て今は自身のダンボールの荷解きをしている。
ちらりと横目で彼を見やる。
「小山くん、君がリアムだと信じてる。君には前世の記憶はあるのか?」心の中でそう問いかけてみる。もちろん口には出さない。
小山くんは一般的な庶民の家庭の出という話だ。
この学園は基本的にお金のある家の子息が多いが、受験をして受かれば一般の家庭でも入学が可能なのだ。強いて言えば学費など諸々の費用が高めなのだが、特待生で入学すれば奨学金もでる。
小山くんと同室になったことを考えると、寮の部屋割りも家柄で分けられてる訳じゃなさそうだ。前世の記憶を取り戻したばかりで不安だった僕にとっては思いがけない幸運だが。
荷解きが終わりを迎える頃、招集の声がかかった。どうやら新入生達を集めて寮の規則を説明する時間のようだ。急いで向かうと既に談話室には多くの新入生達で賑わいを見せており、そこに小山くんと僕は肩を並べて座る。
「皆さん、改めて入学おめでとう。」寮長と思われる人物が穏やかな声で話し始めた。
「ここでの生活が皆さんの学業と人格を磨く場になることを願っています。まず、いくつかこの寮で守っていただきたい基本的なルールを説明します。」
寮長は新入生達に数枚の紙を配ったあとで順番に説明を始めていく。
「まず、門限は22時です。それまでに寮に必ず戻ってください。22時を過ぎる外出や外泊の際には、事前に紙に書いて寮母さんまで提出するように。
次に、寮内での過度な騒音は厳禁です。特に夜21時以降は静かに過ごすようにして下さい。共用施設の詳しい時間はお渡しした用紙に詳しく記載してますので各自しっかり読み込むように!」
僕は寮長の話に真剣に耳を傾けながらも、隣に座るリアムとの再会に今だ心が揺れていた。気のせいか、小山くんからも時折視線を感じるような気がする。
「皆さん同室のルームメイトとはもう挨拶は済みましたか?互いのプライバシーを尊重しつつ協力して生活していってくれたらと思います。もし困ったことがあれば、いつでも私や先輩方に相談してくださいね。
それでは最後に何か質問はありますか?」
説明が終わると、僕と小山くんは軽い会話をしながら自分たちの部屋に戻ってきた。
「改めて小山くん、これからよろしくね。何かあれば遠慮なく言ってね。」
小山くんは笑顔で頷いた。「うん!こちらこそよろしく。俺のことは春樹で良いから。」
「わかった。僕のことも菫怜って呼んでよ。」
*
1日があっという間に過ぎ夜になってお互い寝ようと布団に体を沈めたときに春樹がふと呟いた。「菫怜と話していて何度か感じたんだけど、とても懐かしい気持ちになるんだ。君とは何故だか初めて会ったような気がしないというか…ごめん変な話だよね。」
その言葉に驚き、思わず春樹の顔を見た。
「実は、僕も…僕も同じだよ。君とは何か特別な繋がりがあるように感じる。」
僕の言葉に春樹は微笑み、顔をこちらに向けた。
「もしかしたら何処かで…前世とかで知り合いだったのかもしれないね。」
その言葉に溢れそうになった涙をぐっと堪え、心の中で頷いた。
彼の見せた笑顔はあの頃と何一つ変わらない春の陽だまりのような笑顔だった。
菫怜はリアムが前世で誓った事など知る由もない。だがきっとリアムの強い願いが、再び巡り会うという運命を現実にさせたのだろう。
こうして転生後、記憶をもった状態での新たな生活が始まった。
菫怜と春樹の再会は、前世の絆を再び繋げ、新たな運命を紡ぎだす序章となる。これからの学園生活で沢山の思いがけない波乱な出来事が二人を待ち受けていることを、彼らはまだ知らない。
あのあと、自己紹介を経て今は自身のダンボールの荷解きをしている。
ちらりと横目で彼を見やる。
「小山くん、君がリアムだと信じてる。君には前世の記憶はあるのか?」心の中でそう問いかけてみる。もちろん口には出さない。
小山くんは一般的な庶民の家庭の出という話だ。
この学園は基本的にお金のある家の子息が多いが、受験をして受かれば一般の家庭でも入学が可能なのだ。強いて言えば学費など諸々の費用が高めなのだが、特待生で入学すれば奨学金もでる。
小山くんと同室になったことを考えると、寮の部屋割りも家柄で分けられてる訳じゃなさそうだ。前世の記憶を取り戻したばかりで不安だった僕にとっては思いがけない幸運だが。
荷解きが終わりを迎える頃、招集の声がかかった。どうやら新入生達を集めて寮の規則を説明する時間のようだ。急いで向かうと既に談話室には多くの新入生達で賑わいを見せており、そこに小山くんと僕は肩を並べて座る。
「皆さん、改めて入学おめでとう。」寮長と思われる人物が穏やかな声で話し始めた。
「ここでの生活が皆さんの学業と人格を磨く場になることを願っています。まず、いくつかこの寮で守っていただきたい基本的なルールを説明します。」
寮長は新入生達に数枚の紙を配ったあとで順番に説明を始めていく。
「まず、門限は22時です。それまでに寮に必ず戻ってください。22時を過ぎる外出や外泊の際には、事前に紙に書いて寮母さんまで提出するように。
次に、寮内での過度な騒音は厳禁です。特に夜21時以降は静かに過ごすようにして下さい。共用施設の詳しい時間はお渡しした用紙に詳しく記載してますので各自しっかり読み込むように!」
僕は寮長の話に真剣に耳を傾けながらも、隣に座るリアムとの再会に今だ心が揺れていた。気のせいか、小山くんからも時折視線を感じるような気がする。
「皆さん同室のルームメイトとはもう挨拶は済みましたか?互いのプライバシーを尊重しつつ協力して生活していってくれたらと思います。もし困ったことがあれば、いつでも私や先輩方に相談してくださいね。
それでは最後に何か質問はありますか?」
説明が終わると、僕と小山くんは軽い会話をしながら自分たちの部屋に戻ってきた。
「改めて小山くん、これからよろしくね。何かあれば遠慮なく言ってね。」
小山くんは笑顔で頷いた。「うん!こちらこそよろしく。俺のことは春樹で良いから。」
「わかった。僕のことも菫怜って呼んでよ。」
*
1日があっという間に過ぎ夜になってお互い寝ようと布団に体を沈めたときに春樹がふと呟いた。「菫怜と話していて何度か感じたんだけど、とても懐かしい気持ちになるんだ。君とは何故だか初めて会ったような気がしないというか…ごめん変な話だよね。」
その言葉に驚き、思わず春樹の顔を見た。
「実は、僕も…僕も同じだよ。君とは何か特別な繋がりがあるように感じる。」
僕の言葉に春樹は微笑み、顔をこちらに向けた。
「もしかしたら何処かで…前世とかで知り合いだったのかもしれないね。」
その言葉に溢れそうになった涙をぐっと堪え、心の中で頷いた。
彼の見せた笑顔はあの頃と何一つ変わらない春の陽だまりのような笑顔だった。
菫怜はリアムが前世で誓った事など知る由もない。だがきっとリアムの強い願いが、再び巡り会うという運命を現実にさせたのだろう。
こうして転生後、記憶をもった状態での新たな生活が始まった。
菫怜と春樹の再会は、前世の絆を再び繋げ、新たな運命を紡ぎだす序章となる。これからの学園生活で沢山の思いがけない波乱な出来事が二人を待ち受けていることを、彼らはまだ知らない。
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