1 / 3
「俺、いいえ、わたくしでした?」
しおりを挟む
「な、なんだと!?」
朝起きたら、俺はやったことのあるゲームの世界に居た。
その世界の名はエルグラ。
中世ヨーロッパ風な世界観をイメージして作られた乙女ゲーム『エンジェルズストーリー』の舞台だ。
普通はMMOとかそう言うゲーム世界に飛ばされるんだろうが、残念なことに俺が一度だけオタク女子から強引にやらされた乙女ゲームの世界に紛れ込むとは思っても居なかった。
なんで、分かるかって?
いや、俺の顔が乙女ゲームに出て来る登場キャラそのものなんだぞ?
「不味い。不味いぞ」
そして、俺が乗り移ったキャラは主人公でも無ければヒロインでもない。
だからと言って、モブキャラではなく……
「悪役令嬢の僕だ……」
そう、悪役令嬢へ恋した哀れな者。
利用されるだけ利用され、ほとんどのルートで首ちょんぱされる悪役令嬢の傀儡。
ミハエル・エレッサなのである。
ただ幸いなことにスタートはどうやら相当はじめらしい。
乙女ゲームでは幼少期の描写もあり、俺が乗り移ったミハエルはその幼少期姿で少年のままだ。
この年齢の時、悪役令嬢はまだ取り返しのつかない事はしていない。
という事はこのまま悪役令嬢に関わらなければ、俺は哀れな男にはならないんじゃないか?
「そうとなれば、この世界は悪くない」
乙女ゲーム。
中世ヨーロッパ風な時代背景で描かれ、そこには魔法も存在している。
誰しもが一度は夢見たことがあるはずだ。
魔法を使ってみたいと。
乗り移る前はどうしたって?
……残念なことに社畜だ。
会社と自宅を行き来するだけの毎日。両親もすでに他界してしまった。
やり残した未練などこれっぽちも残していない。
だからこそ、すっきりとした気分で俺はミハエルとして生きて行くことにしよう。
「ただ問題は……」
ミハエルになり替わったのは良い。
だがしかし、ミハエルの記憶など引き継いでないのだ。
ただ単に俺の意識がミハエルの体を乗っ取った形に違いないだろう。
じゃあ、本当のミハエルの意志はどうなったんだ? とか思うと色々と面倒なので知ったことじゃない。
そう割り切った時であった。
こんこんとノックされた俺の部屋。
「ミハエル様。お召し物をお着替えする時間です」
「あ、え、ああ。頼む」
ミハエルの記憶なんて引き継いでない俺はさも常識があり、まるでミハエルかのように振る舞った。
やって来たメイドに服を着替えさせて貰い始める。
上着を脱がせて貰い、下着も脱いだ時だ。
「ん?」
「ミハエル様。どうかなさいましたか?」
「えっと、股間に何にもついてないんですけど?」
「冗談はよしてくださいな。ミハエル様は女の子ですからそれで当たり前なのです」
「……」
え、あ、え?
なんでミハエル女なの?
あ、待った。
乙女ゲームの中でミハエルだけ水着の立ち絵がなかった気がするし、服装も厚着ばっかだった。
俺は腐女子に脅され、ゲームの内容をしゃぶりつくしたんだぞ? 記憶が間違っているわけがない。
というか、待った。ゲーム内では、ミハエルが女だって一言も言ってないが、男だとも明言されてねえ……。
つ、つまり、制作陣は何らかの理由でミハエルが女であるという内容を削除。
結果、プレイヤーには知られていなかっただけ。
何が言いたいかは簡単だ。
「ミハエルは俺じゃなくて、わたくしでした?」
そう、ミハエルはプレイヤーからは男だと思われていたが、実は女でした。
「こ、こうなったら、俺、いいえ、わたくしとして幸せを勝ち取って見せます!!!!!」
朝起きたら、俺はやったことのあるゲームの世界に居た。
その世界の名はエルグラ。
中世ヨーロッパ風な世界観をイメージして作られた乙女ゲーム『エンジェルズストーリー』の舞台だ。
普通はMMOとかそう言うゲーム世界に飛ばされるんだろうが、残念なことに俺が一度だけオタク女子から強引にやらされた乙女ゲームの世界に紛れ込むとは思っても居なかった。
なんで、分かるかって?
いや、俺の顔が乙女ゲームに出て来る登場キャラそのものなんだぞ?
「不味い。不味いぞ」
そして、俺が乗り移ったキャラは主人公でも無ければヒロインでもない。
だからと言って、モブキャラではなく……
「悪役令嬢の僕だ……」
そう、悪役令嬢へ恋した哀れな者。
利用されるだけ利用され、ほとんどのルートで首ちょんぱされる悪役令嬢の傀儡。
ミハエル・エレッサなのである。
ただ幸いなことにスタートはどうやら相当はじめらしい。
乙女ゲームでは幼少期の描写もあり、俺が乗り移ったミハエルはその幼少期姿で少年のままだ。
この年齢の時、悪役令嬢はまだ取り返しのつかない事はしていない。
という事はこのまま悪役令嬢に関わらなければ、俺は哀れな男にはならないんじゃないか?
「そうとなれば、この世界は悪くない」
乙女ゲーム。
中世ヨーロッパ風な時代背景で描かれ、そこには魔法も存在している。
誰しもが一度は夢見たことがあるはずだ。
魔法を使ってみたいと。
乗り移る前はどうしたって?
……残念なことに社畜だ。
会社と自宅を行き来するだけの毎日。両親もすでに他界してしまった。
やり残した未練などこれっぽちも残していない。
だからこそ、すっきりとした気分で俺はミハエルとして生きて行くことにしよう。
「ただ問題は……」
ミハエルになり替わったのは良い。
だがしかし、ミハエルの記憶など引き継いでないのだ。
ただ単に俺の意識がミハエルの体を乗っ取った形に違いないだろう。
じゃあ、本当のミハエルの意志はどうなったんだ? とか思うと色々と面倒なので知ったことじゃない。
そう割り切った時であった。
こんこんとノックされた俺の部屋。
「ミハエル様。お召し物をお着替えする時間です」
「あ、え、ああ。頼む」
ミハエルの記憶なんて引き継いでない俺はさも常識があり、まるでミハエルかのように振る舞った。
やって来たメイドに服を着替えさせて貰い始める。
上着を脱がせて貰い、下着も脱いだ時だ。
「ん?」
「ミハエル様。どうかなさいましたか?」
「えっと、股間に何にもついてないんですけど?」
「冗談はよしてくださいな。ミハエル様は女の子ですからそれで当たり前なのです」
「……」
え、あ、え?
なんでミハエル女なの?
あ、待った。
乙女ゲームの中でミハエルだけ水着の立ち絵がなかった気がするし、服装も厚着ばっかだった。
俺は腐女子に脅され、ゲームの内容をしゃぶりつくしたんだぞ? 記憶が間違っているわけがない。
というか、待った。ゲーム内では、ミハエルが女だって一言も言ってないが、男だとも明言されてねえ……。
つ、つまり、制作陣は何らかの理由でミハエルが女であるという内容を削除。
結果、プレイヤーには知られていなかっただけ。
何が言いたいかは簡単だ。
「ミハエルは俺じゃなくて、わたくしでした?」
そう、ミハエルはプレイヤーからは男だと思われていたが、実は女でした。
「こ、こうなったら、俺、いいえ、わたくしとして幸せを勝ち取って見せます!!!!!」
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生しましたが、全部諦めて弟を愛でることにしました
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢に転生したものの、知識チートとかないし回避方法も思いつかないため全部諦めて弟を愛でることにしたら…何故か教養を身につけてしまったお話。
なお理由は悪役令嬢の「脳」と「身体」のスペックが前世と違いめちゃくちゃ高いため。
超ご都合主義のハッピーエンド。
誰も不幸にならない大団円です。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
小説家になろう様でも投稿しています。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
悪役令嬢が睨んでくるので、理由を聞いてみた
ちくわ食べます
恋愛
転生したのは馴染みのない乙女ゲームの世界だった。
シナリオは分からず、登場人物もうろ覚え、タイトルなんて覚えてすらいない。
そんな世界でモブ男『トリスタン』として暮らす主人公。
恋愛至上主義な学園で大人しく、モブらしく、学園生活を送っていたはずなのに、なぜか悪役令嬢から睨まれていて。
気になったトリスタンは、悪役令嬢のセリスに理由を聞いてみることにした。
わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが
水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。
王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。
数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。
記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。
リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが……
◆表紙はGirly Drop様からお借りしました
◇小説家になろうにも掲載しています
目覚めたら大好きなアニメの悪役令嬢でしたが、嫌われないようにしただけなのに全員から溺愛されています
月影みるく
恋愛
目を覚ましたら、大好きだったアニメの世界。
しかも私は、未来で断罪される運命の悪役令嬢になっていた。
破滅を回避するために決めたことはただ一つ――
嫌われないように生きること。
原作知識を頼りに穏やかに過ごしていたはずなのに、
なぜか王族や騎士、同年代の男女から次々と好意を向けられ、
気づけば全員から溺愛される状況に……?
世界に一人しかいない光属性を持つ悪役令嬢が、
無自覚のまま運命と恋を変えていく、
溺愛必至の異世界転生ラブファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる