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第四章 夜会と嫉妬
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第8話【夜会の灯と、独占の影】
夜の帳が降り、伯爵家の大広間には柔らかなシャンデリアの光が満ちていた。
銀の燭台。絹のドレス。笑い声と、軽やかな弦の音。
これがアルセイン家の夜会。代々続く伯爵家の威光を示す、年に一度の格式高い催し。
フィリップは黒の燕尾服に身を包み、いつもより少し真面目な表情で招待客に応じていた。
「ノア」
「はい」
「今日の君のネクタイ、初めて見るね」
「夜会に合わせて新調したのです。坊っちゃんのご衣装に合わせるため」
「ふーん、そう」
フィリップは彼の言葉一つで簡単に嬉しくなりニヤリと笑った。しかしそれもつかの間──
「ノア・グレイス様、もしや今宵はエスコート役で?」
振り返れば、レディ・アンジェリカが微笑んでいた。金の髪、艶やかな青のドレス、そして手にはシャンパングラス──まるで舞踏会の絵画から抜け出したような女性だ。
「いいえ、私の役目は坊っちゃんの補佐でございます」
「まあ、冷たい。でも、いつかお暇があればぜひ私にも……」
その時、フィリップの持つグラスが静かに揺れた。
「ノア、僕は少し外の空気が吸いたい」
「承知しました」
*
夜風がほんのり冷たくなってきた中庭のバルコニー。
フィリップは手すりに寄りかかって月を見上げた。
「やだなぁ、さっきの女性。君のこと狙ってたみたい」
「坊っちゃん、お言葉ですが嫉妬は品格を損ないます」
「そんなこと分かってる」
フィリップはブスッと顔をしかめてノアの顔を見つめた。
「悪いけど君を手放すことは絶対にないからね」
その言葉にノアは主にバレないように、ほんの少し口元を綻ばせた。
「ええ、分かっております」
第9話【馬車のなか】
「坊っちゃん、コートをお忘れですよ」
「ありがとう、ノア。……ふふ、君って本当に母親みたいだね」
「そのような不敬なことを仰ると、コートを外に放りますよ」
「ごめんってば」
今日は街へ出る日。
公爵家から譲り受けた由緒ある馬車に乗り込み、伯爵家の若き当主は執事を従えて出発する。
ゴトゴトと揺れる車内。クッションのきいた座席に深く腰かけたフィリップは、何気なく向かいの席のノアを見つめた。
「こうして二人で出かけるのって、ちょっとデートっぽくない?」
「買い付けと視察を兼ねた正式な用務です。勘違いなさらぬように」
「……でも、密室には変わりないよ?」
ニヤリ、フィリップが笑う。しかしノアは大した反応もみせず、「やれやれ、困った坊っちゃんだ」と外へ視線を向けた。
「ちぇ、つまんないの」
フィリップは拗ねたように目を閉じた。
*
街は活気に満ち溢れていた。石畳の道、行き交う人々、カラフルなパラソルの市場。
「坊っちゃん、はぐれぬように」
「わかってるって……って、ちょ、手を引くなよ! 子供じゃあるまいし!」
「人混みの中で逸れては困りますので」
「……もう、分かったよ」
恥ずかしいなぁと思いながらもフィリップは繋いだ手を嬉しそうに見つめていた。
*
買い物を終えて、馬車に戻る頃には夕暮れが街を染めていた。
「お疲れでは?」
「ちょっとね。でも……楽しかった。街の中で、君が僕の隣にいるの、特別な感じがして」
「いつもお屋敷でも、私は坊っちゃんの隣におりますよ」
「うん、それは分かってるんだけど……」
馬車の扉が閉まり、再び二人きりの密室。
夕暮れの光の中、フィリップはそっとノアの袖に指をかけた。その頬は赤く染まっている。
「ノア、次は一緒にお茶をして帰ろうか」
「ええ、坊っちゃんさえよろしければぜひ」
揺れる馬車のなか。ノアは目の前の青年を愛おしそうに見つめるのだった。
第10話【眠れぬ夜とミルク】
「……眠れないのですか、坊っちゃん」
ふわりとカーテンが揺れた。
開け放したままの窓から入り込んだ夜風とともに、ノアが静かに現れる。
「うん……変な夢を見た気がするんだ。内容は覚えてないけど……目が覚めちゃって……」
「それは困りましたね。ではお飲みになりますか?」
ノアが手にしていたのは、温められたミルクの入ったカップ。ふわりと立ち上がる湯気に、フィリップは思わず微笑む。
「君って……本当に、なんでもお見通しだね」
「坊っちゃんがベッドに入って二度寝できない時は、必ず十五分以内に私を呼ばれますから」
「……呼んだつもりなかったんだけどな」
ノアはいつものように涼しい顔でベッドの傍らまで来ると、ミルクをそっと手渡した。フィリップはそれを受け取って、一口、口に含む。
あたたかくて、少し甘くて。心の奥までほどけていくようだった。
「明日って、客人が来る日だったよね?」
「はい。公爵令嬢とその付き人たちが午後に。お気に召すお菓子はすでに手配しております」
「うん……やだなあ。きっとまたご挨拶が長いんだろうなあ」
「その時は私がお助けいたします」
「うん、絶対助けてね。……というか、君の顔だけ見てればいいかな?」
「それは光栄ですが、無礼な人物だと思われては困りますので」
「じゃあ、僕の部屋から客間まで、ずっと手を握っててくれる?」
「それは検討いたします」
「うん」
ぬくもりの残るミルクのカップをノアに手渡したフィリップはようやっと瞼を下ろした。ベッドの傍らにいる愛しい執事の姿を思い浮かべながら──。
第11話【午後の訪問者と、見えない火花】
正午を知らせる鐘が鳴り、伯爵家の庭に馬車の車輪音が響いた。
「ようこそお越しくださいました、公爵令嬢」
ノアの完璧な一礼を皮切りに、玄関ホールに客人が招かれる。
フィリップは階段の上からその様子を見下ろしていた。
飾り羽のついた帽子に、きらびやかな刺繍のドレス。
まさに高嶺の華と称されるにふさわしい令嬢だった。
「やだ、見て。あれがフィリップ坊ちゃまよ。まあまあ、写真よりもずっと……」
付き人らしき少女たちのひそひそ声が聞こえてくる。
フィリップはため息をついた。
(うん、やっぱり……疲れそうな午後になりそうだ)
「坊っちゃん、応接室へご案内いたします。お飲み物はレモン入りの紅茶と、スコーンを」
「ありがとう。ノア、今日もよろしくね」
「はい、五分刻みにそれとなく合図をいたしますので、ご安心を」
その言葉に少しだけ元気をもらって、フィリップは応接室へ向かった。
*
「それでね、フィリップ様。わたくし、乗馬も刺繍もピアノも得意なの。フィリップ様はわたくしのようなレディはどうかしら?あら?まあまあ!お庭も素敵だわ。あちらの温室なんてまるでおとぎ話のよう。素敵なお屋敷には可憐なレディがお似合いだと思わない?」
「は、はあ……温室は僕の大切な場所です、お褒めにいただき光栄です」
当たり障りのない返答をし、作り笑いをしてやり過ごしていると、紅茶を注いでいたノアの冷たい瞳が彼女をとらえる。
公爵令嬢はくすっと笑いながら、カップに口をつける。
「まぁ、執事さまったら怖い。まるでフィリップ坊ちゃまの番犬みたいですこと」
「番犬ではなく、執事です。ですが吠えるよりは噛む方が得意かもしれません」
「ノア、よさないか」
フィリップはノアを叱りつけると苦笑いを浮かべながら姿勢を正す。
「失礼いたしました、執事が無礼を」
「ふふ、いいのよ。面白いものが見れたわ」
令嬢は満足げに微笑む。するとノアが再び割って入った。
「申し訳ございません。坊っちゃんにはこの後バイオリンのレッスンが控えておりますので」
「あら、そう」
令嬢はそう言うと、それなら仕方ないわねと立ち上がった。そしてやや挑戦的な笑みを浮かべてノアを振り返る。
「ふふ……あなた案外嫉妬深い方なのね」
「出口まで案内いたします」
「いいえ、結構です」
ノアと令嬢の間に漂う見えない火花に気づきつつも、フィリップはあえて何も言わず、静かに紅茶に口をつけた。
夜の帳が降り、伯爵家の大広間には柔らかなシャンデリアの光が満ちていた。
銀の燭台。絹のドレス。笑い声と、軽やかな弦の音。
これがアルセイン家の夜会。代々続く伯爵家の威光を示す、年に一度の格式高い催し。
フィリップは黒の燕尾服に身を包み、いつもより少し真面目な表情で招待客に応じていた。
「ノア」
「はい」
「今日の君のネクタイ、初めて見るね」
「夜会に合わせて新調したのです。坊っちゃんのご衣装に合わせるため」
「ふーん、そう」
フィリップは彼の言葉一つで簡単に嬉しくなりニヤリと笑った。しかしそれもつかの間──
「ノア・グレイス様、もしや今宵はエスコート役で?」
振り返れば、レディ・アンジェリカが微笑んでいた。金の髪、艶やかな青のドレス、そして手にはシャンパングラス──まるで舞踏会の絵画から抜け出したような女性だ。
「いいえ、私の役目は坊っちゃんの補佐でございます」
「まあ、冷たい。でも、いつかお暇があればぜひ私にも……」
その時、フィリップの持つグラスが静かに揺れた。
「ノア、僕は少し外の空気が吸いたい」
「承知しました」
*
夜風がほんのり冷たくなってきた中庭のバルコニー。
フィリップは手すりに寄りかかって月を見上げた。
「やだなぁ、さっきの女性。君のこと狙ってたみたい」
「坊っちゃん、お言葉ですが嫉妬は品格を損ないます」
「そんなこと分かってる」
フィリップはブスッと顔をしかめてノアの顔を見つめた。
「悪いけど君を手放すことは絶対にないからね」
その言葉にノアは主にバレないように、ほんの少し口元を綻ばせた。
「ええ、分かっております」
第9話【馬車のなか】
「坊っちゃん、コートをお忘れですよ」
「ありがとう、ノア。……ふふ、君って本当に母親みたいだね」
「そのような不敬なことを仰ると、コートを外に放りますよ」
「ごめんってば」
今日は街へ出る日。
公爵家から譲り受けた由緒ある馬車に乗り込み、伯爵家の若き当主は執事を従えて出発する。
ゴトゴトと揺れる車内。クッションのきいた座席に深く腰かけたフィリップは、何気なく向かいの席のノアを見つめた。
「こうして二人で出かけるのって、ちょっとデートっぽくない?」
「買い付けと視察を兼ねた正式な用務です。勘違いなさらぬように」
「……でも、密室には変わりないよ?」
ニヤリ、フィリップが笑う。しかしノアは大した反応もみせず、「やれやれ、困った坊っちゃんだ」と外へ視線を向けた。
「ちぇ、つまんないの」
フィリップは拗ねたように目を閉じた。
*
街は活気に満ち溢れていた。石畳の道、行き交う人々、カラフルなパラソルの市場。
「坊っちゃん、はぐれぬように」
「わかってるって……って、ちょ、手を引くなよ! 子供じゃあるまいし!」
「人混みの中で逸れては困りますので」
「……もう、分かったよ」
恥ずかしいなぁと思いながらもフィリップは繋いだ手を嬉しそうに見つめていた。
*
買い物を終えて、馬車に戻る頃には夕暮れが街を染めていた。
「お疲れでは?」
「ちょっとね。でも……楽しかった。街の中で、君が僕の隣にいるの、特別な感じがして」
「いつもお屋敷でも、私は坊っちゃんの隣におりますよ」
「うん、それは分かってるんだけど……」
馬車の扉が閉まり、再び二人きりの密室。
夕暮れの光の中、フィリップはそっとノアの袖に指をかけた。その頬は赤く染まっている。
「ノア、次は一緒にお茶をして帰ろうか」
「ええ、坊っちゃんさえよろしければぜひ」
揺れる馬車のなか。ノアは目の前の青年を愛おしそうに見つめるのだった。
第10話【眠れぬ夜とミルク】
「……眠れないのですか、坊っちゃん」
ふわりとカーテンが揺れた。
開け放したままの窓から入り込んだ夜風とともに、ノアが静かに現れる。
「うん……変な夢を見た気がするんだ。内容は覚えてないけど……目が覚めちゃって……」
「それは困りましたね。ではお飲みになりますか?」
ノアが手にしていたのは、温められたミルクの入ったカップ。ふわりと立ち上がる湯気に、フィリップは思わず微笑む。
「君って……本当に、なんでもお見通しだね」
「坊っちゃんがベッドに入って二度寝できない時は、必ず十五分以内に私を呼ばれますから」
「……呼んだつもりなかったんだけどな」
ノアはいつものように涼しい顔でベッドの傍らまで来ると、ミルクをそっと手渡した。フィリップはそれを受け取って、一口、口に含む。
あたたかくて、少し甘くて。心の奥までほどけていくようだった。
「明日って、客人が来る日だったよね?」
「はい。公爵令嬢とその付き人たちが午後に。お気に召すお菓子はすでに手配しております」
「うん……やだなあ。きっとまたご挨拶が長いんだろうなあ」
「その時は私がお助けいたします」
「うん、絶対助けてね。……というか、君の顔だけ見てればいいかな?」
「それは光栄ですが、無礼な人物だと思われては困りますので」
「じゃあ、僕の部屋から客間まで、ずっと手を握っててくれる?」
「それは検討いたします」
「うん」
ぬくもりの残るミルクのカップをノアに手渡したフィリップはようやっと瞼を下ろした。ベッドの傍らにいる愛しい執事の姿を思い浮かべながら──。
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正午を知らせる鐘が鳴り、伯爵家の庭に馬車の車輪音が響いた。
「ようこそお越しくださいました、公爵令嬢」
ノアの完璧な一礼を皮切りに、玄関ホールに客人が招かれる。
フィリップは階段の上からその様子を見下ろしていた。
飾り羽のついた帽子に、きらびやかな刺繍のドレス。
まさに高嶺の華と称されるにふさわしい令嬢だった。
「やだ、見て。あれがフィリップ坊ちゃまよ。まあまあ、写真よりもずっと……」
付き人らしき少女たちのひそひそ声が聞こえてくる。
フィリップはため息をついた。
(うん、やっぱり……疲れそうな午後になりそうだ)
「坊っちゃん、応接室へご案内いたします。お飲み物はレモン入りの紅茶と、スコーンを」
「ありがとう。ノア、今日もよろしくね」
「はい、五分刻みにそれとなく合図をいたしますので、ご安心を」
その言葉に少しだけ元気をもらって、フィリップは応接室へ向かった。
*
「それでね、フィリップ様。わたくし、乗馬も刺繍もピアノも得意なの。フィリップ様はわたくしのようなレディはどうかしら?あら?まあまあ!お庭も素敵だわ。あちらの温室なんてまるでおとぎ話のよう。素敵なお屋敷には可憐なレディがお似合いだと思わない?」
「は、はあ……温室は僕の大切な場所です、お褒めにいただき光栄です」
当たり障りのない返答をし、作り笑いをしてやり過ごしていると、紅茶を注いでいたノアの冷たい瞳が彼女をとらえる。
公爵令嬢はくすっと笑いながら、カップに口をつける。
「まぁ、執事さまったら怖い。まるでフィリップ坊ちゃまの番犬みたいですこと」
「番犬ではなく、執事です。ですが吠えるよりは噛む方が得意かもしれません」
「ノア、よさないか」
フィリップはノアを叱りつけると苦笑いを浮かべながら姿勢を正す。
「失礼いたしました、執事が無礼を」
「ふふ、いいのよ。面白いものが見れたわ」
令嬢は満足げに微笑む。するとノアが再び割って入った。
「申し訳ございません。坊っちゃんにはこの後バイオリンのレッスンが控えておりますので」
「あら、そう」
令嬢はそう言うと、それなら仕方ないわねと立ち上がった。そしてやや挑戦的な笑みを浮かべてノアを振り返る。
「ふふ……あなた案外嫉妬深い方なのね」
「出口まで案内いたします」
「いいえ、結構です」
ノアと令嬢の間に漂う見えない火花に気づきつつも、フィリップはあえて何も言わず、静かに紅茶に口をつけた。
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