84 / 153
第二章
謝罪
しおりを挟む─────「ミア、忘れろ。全て…」
なんで?忘れたくないよ…国王様……!!
「リア起きろ。フレドリックが来てるぞ」
目を開けると顔を覗き込むアランと目が合った。
「ん~……フレドリック?」
ミルディリアは眠い目を擦りながら伸びをした。頭がぼーっとしている。
「まだ眠たい…」
「寝すぎだろ。いい加減起きろ。フレドリックが待ってる。リアがいない間フレドリックは毎日手紙を送ってきてたんだ。顔を見せて安心させてやれよ」
「ん~…フレドリックってあのフレッド?」
(何だか今日はとてつもなく眠たい。頭が朦朧とする…きっと昨日変な事を思い出したせいだ)
「毎日手紙って…?」
「フレドリックにも容疑がかかってる内はメディウムに居たことは言うなよ」
「え~…なんで…?」
ミルディリアは頭がすっきりしないせいで深く考える事ができない。
(フレッドに会ったら怒り狂ってやろうと思ってたのに…なんか…頭が回らないなぁ…)
「リアが悪魔退治に居たとなるとフレドリックは動揺するだろ?下手に取り繕われて本心が分からなくなる。だから調査が終わるまでは待て。俺もレオも居るから。とにかくフレドリックと少しでも会っておこう、な?」
「う~ん…国王様は?」
「…………お父様は居ないが、俺がついてるから」
(お父様…?ああ、そうか。ここはウェントゥスだ。カイル国王様は…いないんだ)
侍女が来てミルディリアに服を着せる。その間も頭はぼーっとしたまま、なんだかとてつもなく眠い。
(いっぱい寝たはずなのになぁ…)
ミルディリアはされるがまま支度を整え、応接室に連れて来られた。
そこに入るとフレドリックと目が合う。
「ミディ!!」
フレドリックが立ち上がりミルディリアの元へ近寄る。触れそうな距離をレオが遮った。
「フレドリック、先ずは謝罪だろ?」
「…すまない」
フレッドはソファーに座り直した。ミルディリアも向かいのソファーに座る。
(謝罪?あー悪魔退治のこと?)
フレッドは悲壮感を漂わせて口を開いた
「ミディ、家出していた事をレオに話してごめんよ」
ミルディリアはまだ寝ぼけていた。
「……?うん?…うん。そう。そっか」
(???何の事?家出?いつしたっけ?)
旅に出て最初に訪れたのはフレドリックの統治するソルム。ソルムに来た事を口止めしたのだが、約束は破られていた。ベルンハルドの目を盗んで妹の所在を探っていたレオにソルムへ来た事を話していたのだ。
「許してくれるかい?」
フレッドの言っている事がいまいち分からないミルディリア。
「あーうん。大丈夫。…それよりフレッドは戦いの時どんな事を考えてるの?」
意味不明な謝罪よりもメディウムでのフレッドがどうしても引っ掛かっていた。
フレッドの顔に少しの変化が見える。探るような、考えるような表情をしている。
「それは……どういう事かな?」
見兼ねたアランが捕捉する
「リアはフレドリックの事を心配してるんだろう。戦いの中フレドリックが怪我を負ったりしないかと」
(そんな事思ってないけど。悪魔退治で毎回無傷って最強じゃん)
フレドリックは暫し考えて答えた。
「少し…普段よりは気が立っているかな?国を護る者としては責任もあるしね。それを支えてくれる人が居たら…また違うと思うんだけど…」
フレッドは熱の籠もった瞳でミルディリアを見つめた。
しかしミルディリアは
「王妃様は忙しいもんね」
と呟く。
王妃様とはフレッドの母の事だろう。フレッドは意味を理解し、落胆した。フレッドは32歳。流石に母親に支えられる歳ではない。
「ミディ、もし君が私の側に居て支えてくれたら…」
「フレドリック、今日は謝罪だと聞いていたが」
レオが不機嫌そうにフレドリックを睨む。
「穏やかじゃないですね~」
空気を読まないのはミルディリアだ。それを見てアランがようやく異変に気付いた。
「リア?」
額に手を触れる
「熱っ…!」
ミルディリアは昨日水を浴び続けたせいで熱を出していた。本人も気付いていなかったが。
「熱がある……フレドリック悪いが今日は…」
アランがミルディリアを部屋に連れて行く為に立たせようとした。しかしミルディリアは座ったままアランに向けて両手を広げる
「国王様…」
「………」
「………」
アランとレオは瞬時に理解した。『国王様』が誰を示しているかを。
「ミディはベルンハルド様から親離れしていないんですね」
フレドリックはミルディリアを愛しそうに見つめて微笑む。
「…悪いが日を改めてくれないか」
「ええ。ミディの体調が良くなったら連絡を下さい」
丁寧に礼をするフレドリックを見て、アランは複雑な思いを隠しミルディリアを連れて部屋を出た。
***
「アラン!俺がリアを連れてく!」
「…誰がつれてったって同じだろ」
レオはミルディリアに固執しすぎている。それをアランは以前から気にしていた。アランや父は叱る時はちゃんと叱って、その上で可愛がっているのだが、レオは甘すぎる。ミルディリアが求めれば何でも許容して、部屋にもよく入り浸っている。
ミルディリアが旅に出て益々執着する様になった気がする。まるで制御を失ったかのようだ。監視の役目は勤まらなくもないが、いつか禁忌を犯さないかアランは危惧していた。だからレオと二人きりにならないようにアランがミルディリアを監視する事にした。
「看病は使用人にさせる。治るまでは会うな」
アランの言葉にレオは不愉快さを露にする
「ふざけんな。俺が看病する。リアを離せ」
あからさますぎる牽制を込めてレオがアランを睨む。
「レオ、いい加減にしろ。リアは物じゃない。一人の女性だ。お前の我が儘で振り回すな」
ミルディリアの気持ちに気付いて無い訳が無い。ミルディリアがふと口をついては『国王様』と言う意味。それが分からない程レオは馬鹿じゃない。
「認めねぇぞ。カイルもフレドリックも。俺の目に敵う相手じゃなきゃリアはやらねぇ!!」
不機嫌さをそのままにレオは去った。
「………勘弁してくれよ」
まるで父親みたいな台詞に少しは安心したが、ミルディリアだっていつかこの城から出て行く日が来る。そんな事で制御を失われたんじゃ堪ったもんじゃない。レオはいつかアランとともにこの国を背負う立場なのに。
「頼むからいい加減妹離れしてくれよ…」
アランは願う事しかできず部屋に戻った。
***
ミルディリアはベッドに寝かされると同時に離れて行く温もりに寂しさを感じた。
─────国王様
『ミア…忘れろ…』
─────嫌だ!忘れたくない!
国王様の腕を掴んだはずなのに、真紅の髪色は薄茶色に変わっていく。
「…ちっ!またお前か!」
アランだ。
「リア?大丈夫か?」
目を閉じて抱きつけば国王様が髪を撫でてくれるのに。うっかりアランに抱きついてしまったようだ。
「ちがーう!!」
「いってぇ!!」
アランを思い切り蹴飛ばした。完全なる八つ当たりだ。
(国王様の感触が消えていっちゃう…
国王様…怒ってますか?
私の事…嫌いになりましたか?
ずっと黙っていてごめんなさい。
もう許してはくれませんか…?
例え嫌われても…
私の気持ちは変わらない………)
国王様─────
カイルは無意識に振り向いた。
そこにあるのはいつもと変わらない執務室の窓。暖かい午後の日差しと穏やかなそよ風が入り込む。
「幻聴が聞こえるなんてどうかしてる」
カイルは机に向き直り持っていたペンをそこに放った。書こうとしていたのはミルディリア宛の手紙
(何を書こうとしてるんだ…)
気持ちはひとつだけ。
ただ
逢いたい。
たとえ魔法が使えたとしても、ウェントゥスの姫であったとしても
気持ちは変わらないのに
綴る言葉が出てこない。
(強制的に帰らされたんだ。しかも恐らく兵士をやっていた事を家族には隠していた。イグニスには戻って来れないだろう。そして俺が逢いに行ったところで門前払いを喰らうのが目に見えている)
────コンコココン
「入れ」
クロードが書簡を手に入って来た。それにはウェントゥスの紋章が入っている。
「返事が来たぞ」
カイルはそれを受け取って開く。予想通りベルンハルド宛に『もう一度姫に詳しい話を聞かせて欲しい』と書いた書簡の返事だった。
「どうだ?」
「………」
カイルは首を横に振った。
「やはり相当お怒りか」
「姫を兵士にしていなければ協力できたかもしれないが…」
「謝罪を求める文言は?」
「無い」
兵士に志願したのはミルディリア本人だ。
カイルが誘ったとは言え、強制はしていない。その件についてイグニスから謝罪は一切していないし、するつもりもない。ウェントゥスからしたら『知らなかったでは済まされない』と思っているのかもしれないが。
「ミ…姫と改めて話したところで新たな情報は無いだろう」
赤い目が魔法を使う者に反応して襲って来るということ。トレデキムに関して言えば姫が魔法を使うまでは『臭い』に反応したのではないかということ。
トレデキムが使っていた香水の出所はどこにでもいるような商人だったという事しか分かっていない。
「姫は悪魔退治でフレドリックと会っているはずだ。今頃ソルムと協力しているとしたら、イグニスとの協力はあり得ないだろう」
フレドリックはあからさまにカイルを避けている。ウェントゥスを介してもイグニスと接点を持ちたくないだろう。
クロードはうーんと唸る
「悪魔退治でフレドリック国王と姫が接触したとは思えないんだよな」
「何故?」
「だから、姫は汚い物置小屋で寝泊まりしてたって言っただろ?フレドリック国王が姫の存在を知っていたらそんな場所にいるはずがない。そもそも悪魔退治にだって出さないだろ」
「…確かに。そうだな」
「それ以前に何故姫は悪魔退治の事を知らなかったんだろうな」
「ベルンハルド国王が隠していたんだろう。ミアの性格を考えれば隠すに決まってる」
「それもそうだな。いや…口止めしていたのはフレドリック国王かもしれないな」
「………そうだな」
姫のくせに自ら望んで危ない事に首を突っ込むなんて姫らしく無さすぎる。
「カイル。あんまりのんびりしてると持ってかれるぞ?」
「…またその話しか」
カイルは項垂れた。ミアがウェントゥスの姫だと分かった途端にクロードは豹変した。
「今は姫に手紙も届かないようだから直接会いに行くしかないな」
「おい。何故そうなる」
「毎日昼夜を問わずイグニスからウォラーレを飛ばしまくってるんだよ。ユーク、ファイ、ダリア、メイ…他にも沢山。手紙は全て未開封のまま返って来ている。恐らく姫じゃなくベルンハルド国王かアラン様が追い返してるんだろうな」
「そうだったのか…いや、そうじゃなくて。お前が独立の為に姫を利用したいのは分かるが、俺は逢いに行く気は無い」
「…まさか自覚してねぇのかよ?ま、いい。もしお前が行かなければ逢えないままだぞ?いいのか?」
「何の用で逢いに行くんだよ。協力は断られてるのに」
「だからプロポーズの為に」
「はぁ?!」
カイルは文字通り開いた口が塞がらなかった。
「ミルディリア姫ならカイルの正妻に文句無いだろう」
「お前…阿呆か」
カイルは呆れた目でクロードを見た。幾らなんでもあからさますぎる豹変振りだ。人の気持ちが無いんじゃないかと思う程に。
「阿呆はお前だ。俺は利用する為に提案してるんじゃねぇ」
「じゃあ何の為に」
「だからお前は阿呆だと言ってるんだ。行くならさっさと日を決めてくれ。悪いが一人で行ってもらう事になるが。まぁ、お前なら大丈夫だろう」
「だから…俺は行かないと言ってるだろ」
「まだ拗ねてんのかよ」
クロードは呆れた様子で首を振る。
「…ちげーよ。姫はウェントゥスに想い人がいる」
「『レオ』は兄だろ」
「…レオナルドじゃない」
あのエメラルドグリーンのネックレスを贈った相手。それがカイルの胸に影を落としていた。逢えない今は尚更。その男が側にいるのではないかと。それはフレドリックかもしれない。
「姫がそう言ったのか?好きな男がいると」
「いや、言ってないが…恐らくそうだ」
クロードは頭を掻いた
「拗らせてんな~…いいか、カイル。女には『言葉』が必要だ。いくら態度で示してもたった一言には敵わない。さっさと言いに行け。それからお前は無駄な思い込みよりも『態度』を見ろ」
(何言ってんだ、こいつ)
「それよりもモンスターを操る魔法を探る方が先だ」
「そんな悠長な事言って………手遅れになっても知らねぇからな」
「魔法に関してはグラキエスで一度調べてみるか」
グラキエスとはイグニスより北に向かった所にある大きな街。魔法を使える者が多く暮らし、魔法について研究もされている。誰にも統治されていない万年雪と氷に覆われた街だ。
「魔力がある者を連れていった方がいいな。護衛は誰にする?」
術者は殆どが戦えない。攻撃魔法を使えるのは魔力がある者の中でも一握り。
「第二部隊をつけるか」
「そうだな。ファイには俺から伝えておく」
「ああ。準備が整い次第出発させろ」
「…治癒の魔法についても調べさせるか?」
クロードもカイルも実際にミルディリアの治癒魔法を見ていない。
クロードは今までの不可思議な現象が『治癒魔法でした』と言われて『なんだ、そうだったのか』と納得したのだが。
実際に魔力を持っている者からしたら、そう簡単に納得できるようなものでは無いらしい。
「……いや、もう関係無いだろ」
クロードは殴りたい衝動を抑えた。
「拗らせすぎだろ………そうか!お前が姫に会いに行く理由があるじゃねぇか」
「……またその話しか」
カイルはうんざりした。最近のクロードはことある毎に姫の話しを出す。
「うちの戦士をことごとく助けられてる。
そのお礼に行けばいい。ああ、ファイがグラキエスから戻ってからにしてくれ…いや、早い方がいいか。やっぱり先に行け。今すぐ行け」
カイルは呆れ返った。
「根拠も証拠も無いのに礼をしろと?俺は国王だぞ」
「そのプライドのせいで一世一代の恋を失うぞ」
カイルの顔に熱が集中する
「ーーーーっ!!誰が恋なんて……っ!」
「好きなんだろ?あ、自覚してねぇんだっけ」
「話しは終わりだ!さっさと行け!」
「………あっそ」
クロードは冷めた目を向けて部屋を出ようとした。
─────コン、コン
「入れ」
今度はヴェルサスが書簡を持って入って来た。
「メディウムの使いの者が書簡を持って参りました。クラーク国王様からカイル様へと」
カイルは背筋がぞっとした。ヴェルサスから受け取ると開くのを躊躇う程に。
ヴェルサスは気まずそうにカイルの表情を見つめて、クロードはニヤニヤとその様子を眺めている。カイルは恐る恐る封を開けて中身に目を通した。
『カイルくんへ!
最近会えなくてお父様は寂しいぞ!
赤い目も落ち着いてるようだから
遊びに来なさい!!
これは国王命令ですよ!
クラークより』
全身に鳥肌が立つ。カイルはその場で手紙を無駄に大きな火で燃やした。
「……っくくっ…なんだって?」
クロードは笑いを堪えきれていない。
「メディウムに来いと」
ヴェルサスは驚き目を見開いた
「何かあったのでしょうか」
「だろうな」
毎回気持ちの悪い手紙を書いて寄越す父親だが『国王命令』の言葉と使いの者を走らせたという事は何かしら手紙では済まない用事があるという事。
「ヴェルサス代筆しろ『用があるならお前が来い』と」
ヴェルサスは目玉が飛び出る程目を見開いた。カイルの命令とは言え、代筆とは言え、書けるわけがない。
「カイル様…あの、申し上げにくいのですが…」
カイルはヴェルサスを一瞥して机の上にあった紙にそのまま書いてヴェルサスに渡した。
「申し訳ございません。使いに走らせます!!」
去ろうとするヴェルサスを止める
「メディウムからの使いがまだいるだろ。そいつに持ち返らせればいい」
「はいっ!」
「グラキエス行きは親父が来てからにする」
「お言葉ですが…クラーク国王様が来られますかね…?」
来いと言われて気軽に来れる人では無い。たまに招いていないのに突然来る事はあったが。
「ヴェルサス、お前はクラーク様の事を分かってないな。もてなす準備をするぞ」
クロードがヴェルサスの背中を押す。
「クロード本気か?!」
『国王様─────』
カイルは再び窓の方を振り返った。しかし先程と変わらず暖かい陽射しに心地よい風が吹いているだけ。
(ミア……?いや、いるはずがないのに。それとも願望が幻聴をおこしているのか…?)
窓の外を眺めるといつもと変わらない風景がそこにはある。勿論ミアの姿があるはずがない。不意にカイルの頬に柔らかい風が当たる
『ごめんなさい…』
「ーーーー!!!!」
(確かに聞こえた…………いや、そんなまさか。あり得ない)
「カイル、どうかしたのか?」
はっとしてクロードとヴェルサスを見ると、二人とも怪訝そうな顔をしてカイルを見ている。
「いや、何でもない」
南向きの窓を閉めて仕事にとりかかった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまで
ChaCha
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したことに気づいたアイナ・ネルケ。
だが彼女はヒロインではない――ただの“モブ令嬢”。
「私は観る側。恋はヒロインのもの」
そう決めて、治癒魔術科で必死に学び、気合いと根性で仲間を癒し続けていた。
筋肉とビンタと回復の日々。
それなのに――
「大丈夫だ。俺が必ず君を守る」
野外訓練で命を救った騎士、エルンスト・トゥルぺ。
彼の瞳と声が、治癒と共に魂に触れた瞬間から、世界が静かに変わり始める。
幼馴染ヴィルの揺れる視線。
家族の温かな歓迎。
辺境伯領と学園という“日常の戦場”。
「……好き」
「これは恋だ。もう、モブではいたくない」
守られるだけの存在ではなく、選ばれる覚悟を決めたモブ令嬢と、
現実しか知らない騎士の、静かで激しい溺愛の始まり。
これは――
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまでの物語。
※溺愛表現は後半からです。のんびり更新します。
※作者の好みにより筋肉と気合い…ヤンデレ落ち掛けが踊りながらやって来ます。
※これは恋愛ファンタジーです。ヒロインと違ってモブは本当に大変なんです。みんなアイナを応援してあげて下さい!!
渡りの乙女は王弟の愛に囚われる
猫屋ちゃき
恋愛
現代日本から異世界へと転移した紗也。
その世界は別の世界からやってくる人や物を〝渡り〟と呼んで大切にする。渡りの人々は五年間、国の浄化などを手伝うことと引き換えに大切に扱われる。
十五歳のときに転移した紗也はその五年間を終え、二十歳になっていた。紗也をそばで支え続けた王弟であり魔術師のローレンツは彼女が元の世界に帰ることを望んでいたが、紗也は彼のそばにいたいと願っていた。
紗也ではなくサーヤとしてこの世界で生きたい、大好きなローレンツのそばにいたい——そう思っていたのに、それを伝えると彼はがっかりした様子で……
すれ違い年の差ラブストーリー
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
完結(R18 詰んだ。2番目の夫を迎えたら、資金0で放り出されました。
にじくす まさしよ
恋愛
R18。合わないと思われた方はバックお願いします
結婚して3年。「子供はまだいいよね」と、夫と仲睦まじく暮らしていた。
ふたり以上の夫を持つこの国で、「愛する夫だけがいい」と、ふたり目以降の夫を持たなかった主人公。そんなある日、夫から外聞が悪いから新たな夫を迎えるよう説得され、父たちの命もあり、渋々二度目の結婚をすることに。
その3ヶ月後、一番目の夫からいきなり離婚を突きつけられ、着の身着のまま家を出された。
これは、愛する夫から裏切られ、幾ばくかの慰謝料もなく持参金も返してもらえなかった無一文ポジティブ主人公の、自由で気ままな物語。
俯瞰視点あり。
仕返しあり。シリアスはありますがヒロインが切り替えが早く前向きなので、あまり落ち込まないかと。ハッピーエンド。
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる