吹き抜けるは真紅の風

もちぷに

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第二章

謝罪

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─────「ミア、忘れろ。全て…」

なんで?忘れたくないよ…国王様……!!




「リア起きろ。フレドリックが来てるぞ」

目を開けると顔を覗き込むアランと目が合った。

「ん~……フレドリック?」
ミルディリアは眠い目を擦りながら伸びをした。頭がぼーっとしている。
「まだ眠たい…」

「寝すぎだろ。いい加減起きろ。フレドリックが待ってる。リアがいない間フレドリックは毎日手紙を送ってきてたんだ。顔を見せて安心させてやれよ」

「ん~…フレドリックってあのフレッド?」
(何だか今日はとてつもなく眠たい。頭が朦朧とする…きっと昨日変な事を思い出したせいだ)
「毎日手紙って…?」

「フレドリックにも容疑がかかってる内はメディウムに居たことは言うなよ」

「え~…なんで…?」
ミルディリアは頭がすっきりしないせいで深く考える事ができない。
(フレッドに会ったら怒り狂ってやろうと思ってたのに…なんか…頭が回らないなぁ…)

「リアが悪魔退治に居たとなるとフレドリックは動揺するだろ?下手に取り繕われて本心が分からなくなる。だから調査が終わるまでは待て。俺もレオも居るから。とにかくフレドリックと少しでも会っておこう、な?」

「う~ん…国王様は?」

「…………お父様は居ないが、俺がついてるから」

(お父様…?ああ、そうか。ここはウェントゥスだ。カイル国王様は…いないんだ)

侍女が来てミルディリアに服を着せる。その間も頭はぼーっとしたまま、なんだかとてつもなく眠い。

(いっぱい寝たはずなのになぁ…)

ミルディリアはされるがまま支度を整え、応接室に連れて来られた。
そこに入るとフレドリックと目が合う。

「ミディ!!」

フレドリックが立ち上がりミルディリアの元へ近寄る。触れそうな距離をレオが遮った。

「フレドリック、先ずは謝罪だろ?」

「…すまない」

フレッドはソファーに座り直した。ミルディリアも向かいのソファーに座る。

(謝罪?あー悪魔退治のこと?)

フレッドは悲壮感を漂わせて口を開いた
「ミディ、家出していた事をレオに話してごめんよ」

ミルディリアはまだ寝ぼけていた。
「……?うん?…うん。そう。そっか」
(???何の事?家出?いつしたっけ?)

旅に出て最初に訪れたのはフレドリックの統治するソルム。ソルムに来た事を口止めしたのだが、約束は破られていた。ベルンハルドの目を盗んで妹の所在を探っていたレオにソルムへ来た事を話していたのだ。

「許してくれるかい?」

フレッドの言っている事がいまいち分からないミルディリア。

「あーうん。大丈夫。…それよりフレッドは戦いの時どんな事を考えてるの?」

意味不明な謝罪よりもメディウムでのフレッドがどうしても引っ掛かっていた。
フレッドの顔に少しの変化が見える。探るような、考えるような表情をしている。

「それは……どういう事かな?」

見兼ねたアランが捕捉する
「リアはフレドリックの事を心配してるんだろう。戦いの中フレドリックが怪我を負ったりしないかと」

(そんな事思ってないけど。悪魔退治で毎回無傷って最強じゃん)

フレドリックは暫し考えて答えた。
「少し…普段よりは気が立っているかな?国を護る者としては責任もあるしね。それを支えてくれる人が居たら…また違うと思うんだけど…」

フレッドは熱の籠もった瞳でミルディリアを見つめた。
しかしミルディリアは
「王妃様は忙しいもんね」
と呟く。

王妃様とはフレッドの母の事だろう。フレッドは意味を理解し、落胆した。フレッドは32歳。流石に母親に支えられる歳ではない。

「ミディ、もし君が私の側に居て支えてくれたら…」

「フレドリック、今日は謝罪だと聞いていたが」

レオが不機嫌そうにフレドリックを睨む。

「穏やかじゃないですね~」

空気を読まないのはミルディリアだ。それを見てアランがようやく異変に気付いた。

「リア?」
額に手を触れる
「熱っ…!」

ミルディリアは昨日水を浴び続けたせいで熱を出していた。本人も気付いていなかったが。

「熱がある……フレドリック悪いが今日は…」

アランがミルディリアを部屋に連れて行く為に立たせようとした。しかしミルディリアは座ったままアランに向けて両手を広げる

「国王様…」

「………」
「………」

アランとレオは瞬時に理解した。『国王様』が誰を示しているかを。

「ミディはベルンハルド様から親離れしていないんですね」
フレドリックはミルディリアを愛しそうに見つめて微笑む。

「…悪いが日を改めてくれないか」

「ええ。ミディの体調が良くなったら連絡を下さい」

丁寧に礼をするフレドリックを見て、アランは複雑な思いを隠しミルディリアを連れて部屋を出た。


***

「アラン!俺がリアを連れてく!」

「…誰がつれてったって同じだろ」

レオはミルディリアに固執しすぎている。それをアランは以前から気にしていた。アランや父は叱る時はちゃんと叱って、その上で可愛がっているのだが、レオは甘すぎる。ミルディリアが求めれば何でも許容して、部屋にもよく入り浸っている。

ミルディリアが旅に出て益々執着する様になった気がする。まるで制御を失ったかのようだ。監視の役目は勤まらなくもないが、いつか禁忌を犯さないかアランは危惧していた。だからレオと二人きりにならないようにアランがミルディリアを監視する事にした。

「看病は使用人にさせる。治るまでは会うな」

アランの言葉にレオは不愉快さを露にする

「ふざけんな。俺が看病する。リアを離せ」

あからさますぎる牽制を込めてレオがアランを睨む。

「レオ、いい加減にしろ。リアは物じゃない。一人の女性だ。お前の我が儘で振り回すな」

ミルディリアの気持ちに気付いて無い訳が無い。ミルディリアがふと口をついては『国王様』と言う意味。それが分からない程レオは馬鹿じゃない。

「認めねぇぞ。カイルもフレドリックも。俺の目に敵う相手じゃなきゃリアはやらねぇ!!」

不機嫌さをそのままにレオは去った。

「………勘弁してくれよ」

まるで父親みたいな台詞に少しは安心したが、ミルディリアだっていつかこの城から出て行く日が来る。そんな事で制御を失われたんじゃ堪ったもんじゃない。レオはいつかアランとともにこの国を背負う立場なのに。

「頼むからいい加減妹離れしてくれよ…」

アランは願う事しかできず部屋に戻った。


***

ミルディリアはベッドに寝かされると同時に離れて行く温もりに寂しさを感じた。

─────国王様

『ミア…忘れろ…』

─────嫌だ!忘れたくない!

国王様の腕を掴んだはずなのに、真紅の髪色は薄茶色に変わっていく。

「…ちっ!またお前か!」

アランだ。

「リア?大丈夫か?」

目を閉じて抱きつけば国王様が髪を撫でてくれるのに。うっかりアランに抱きついてしまったようだ。

「ちがーう!!」
「いってぇ!!」

アランを思い切り蹴飛ばした。完全なる八つ当たりだ。


(国王様の感触が消えていっちゃう…

国王様…怒ってますか?

私の事…嫌いになりましたか?

ずっと黙っていてごめんなさい。

もう許してはくれませんか…?

例え嫌われても…


私の気持ちは変わらない………)



国王様─────



カイルは無意識に振り向いた。
そこにあるのはいつもと変わらない執務室の窓。暖かい午後の日差しと穏やかなそよ風が入り込む。

「幻聴が聞こえるなんてどうかしてる」

カイルは机に向き直り持っていたペンをそこに放った。書こうとしていたのはミルディリア宛の手紙

(何を書こうとしてるんだ…)

気持ちはひとつだけ。
ただ

逢いたい。

たとえ魔法が使えたとしても、ウェントゥスの姫であったとしても

気持ちは変わらないのに
綴る言葉が出てこない。

(強制的に帰らされたんだ。しかも恐らく兵士をやっていた事を家族には隠していた。イグニスには戻って来れないだろう。そして俺が逢いに行ったところで門前払いを喰らうのが目に見えている)

────コンコココン

「入れ」

クロードが書簡を手に入って来た。それにはウェントゥスの紋章が入っている。
「返事が来たぞ」

カイルはそれを受け取って開く。予想通りベルンハルド宛に『もう一度姫に詳しい話を聞かせて欲しい』と書いた書簡の返事だった。

「どうだ?」

「………」
カイルは首を横に振った。

「やはり相当お怒りか」

「姫を兵士にしていなければ協力できたかもしれないが…」

「謝罪を求める文言は?」

「無い」

兵士に志願したのはミルディリア本人だ。
カイルが誘ったとは言え、強制はしていない。その件についてイグニスから謝罪は一切していないし、するつもりもない。ウェントゥスからしたら『知らなかったでは済まされない』と思っているのかもしれないが。

「ミ…姫と改めて話したところで新たな情報は無いだろう」

赤い目が魔法を使う者に反応して襲って来るということ。トレデキムに関して言えば姫が魔法を使うまでは『臭い』に反応したのではないかということ。
トレデキムが使っていた香水の出所はどこにでもいるような商人だったという事しか分かっていない。

「姫は悪魔退治でフレドリックと会っているはずだ。今頃ソルムと協力しているとしたら、イグニスとの協力はあり得ないだろう」

フレドリックはあからさまにカイルを避けている。ウェントゥスを介してもイグニスと接点を持ちたくないだろう。

クロードはうーんと唸る
「悪魔退治でフレドリック国王と姫が接触したとは思えないんだよな」

「何故?」

「だから、姫は汚い物置小屋で寝泊まりしてたって言っただろ?フレドリック国王が姫の存在を知っていたらそんな場所にいるはずがない。そもそも悪魔退治にだって出さないだろ」

「…確かに。そうだな」

「それ以前に何故姫は悪魔退治の事を知らなかったんだろうな」

「ベルンハルド国王が隠していたんだろう。ミアの性格を考えれば隠すに決まってる」

「それもそうだな。いや…口止めしていたのはフレドリック国王かもしれないな」

「………そうだな」

姫のくせに自ら望んで危ない事に首を突っ込むなんて姫らしく無さすぎる。

「カイル。あんまりのんびりしてると持ってかれるぞ?」

「…またその話しか」

カイルは項垂れた。ミアがウェントゥスの姫だと分かった途端にクロードは豹変した。

「今は姫に手紙も届かないようだから直接会いに行くしかないな」

「おい。何故そうなる」

「毎日昼夜を問わずイグニスからウォラーレを飛ばしまくってるんだよ。ユーク、ファイ、ダリア、メイ…他にも沢山。手紙は全て未開封のまま返って来ている。恐らく姫じゃなくベルンハルド国王かアラン様が追い返してるんだろうな」

「そうだったのか…いや、そうじゃなくて。お前が独立の為に姫を利用したいのは分かるが、俺は逢いに行く気は無い」

「…まさか自覚してねぇのかよ?ま、いい。もしお前が行かなければ逢えないままだぞ?いいのか?」

「何の用で逢いに行くんだよ。協力は断られてるのに」

「だからプロポーズの為に」

「はぁ?!」
カイルは文字通り開いた口が塞がらなかった。

「ミルディリア姫ならカイルの正妻に文句無いだろう」

「お前…阿呆か」

カイルは呆れた目でクロードを見た。幾らなんでもあからさますぎる豹変振りだ。人の気持ちが無いんじゃないかと思う程に。

「阿呆はお前だ。俺は利用する為に提案してるんじゃねぇ」

「じゃあ何の為に」

「だからお前は阿呆だと言ってるんだ。行くならさっさと日を決めてくれ。悪いが一人で行ってもらう事になるが。まぁ、お前なら大丈夫だろう」

「だから…俺は行かないと言ってるだろ」

「まだ拗ねてんのかよ」

クロードは呆れた様子で首を振る。

「…ちげーよ。姫はウェントゥスに想い人がいる」

「『レオ』は兄だろ」

「…レオナルドじゃない」

あのエメラルドグリーンのネックレスを贈った相手。それがカイルの胸に影を落としていた。逢えない今は尚更。その男が側にいるのではないかと。それはフレドリックかもしれない。

「姫がそう言ったのか?好きな男がいると」

「いや、言ってないが…恐らくそうだ」

クロードは頭を掻いた
「拗らせてんな~…いいか、カイル。女には『言葉』が必要だ。いくら態度で示してもたった一言には敵わない。さっさと言いに行け。それからお前は無駄な思い込みよりも『態度』を見ろ」

(何言ってんだ、こいつ)
「それよりもモンスターを操る魔法を探る方が先だ」

「そんな悠長な事言って………手遅れになっても知らねぇからな」

「魔法に関してはグラキエスで一度調べてみるか」

グラキエスとはイグニスより北に向かった所にある大きな街。魔法を使える者が多く暮らし、魔法について研究もされている。誰にも統治されていない万年雪と氷に覆われた街だ。

「魔力がある者を連れていった方がいいな。護衛は誰にする?」

術者は殆どが戦えない。攻撃魔法を使えるのは魔力がある者の中でも一握り。

「第二部隊をつけるか」

「そうだな。ファイには俺から伝えておく」

「ああ。準備が整い次第出発させろ」

「…治癒の魔法についても調べさせるか?」

クロードもカイルも実際にミルディリアの治癒魔法を見ていない。
クロードは今までの不可思議な現象が『治癒魔法でした』と言われて『なんだ、そうだったのか』と納得したのだが。
実際に魔力を持っている者からしたら、そう簡単に納得できるようなものでは無いらしい。

「……いや、もう関係無いだろ」

クロードは殴りたい衝動を抑えた。
「拗らせすぎだろ………そうか!お前が姫に会いに行く理由があるじゃねぇか」

「……またその話しか」
カイルはうんざりした。最近のクロードはことある毎に姫の話しを出す。

「うちの戦士をことごとく助けられてる。
そのお礼に行けばいい。ああ、ファイがグラキエスから戻ってからにしてくれ…いや、早い方がいいか。やっぱり先に行け。今すぐ行け」

カイルは呆れ返った。
「根拠も証拠も無いのに礼をしろと?俺は国王だぞ」

「そのプライドのせいで一世一代の恋を失うぞ」

カイルの顔に熱が集中する
「ーーーーっ!!誰が恋なんて……っ!」

「好きなんだろ?あ、自覚してねぇんだっけ」

「話しは終わりだ!さっさと行け!」

「………あっそ」

クロードは冷めた目を向けて部屋を出ようとした。

─────コン、コン

「入れ」

今度はヴェルサスが書簡を持って入って来た。
「メディウムの使いの者が書簡を持って参りました。クラーク国王様からカイル様へと」

カイルは背筋がぞっとした。ヴェルサスから受け取ると開くのを躊躇う程に。
ヴェルサスは気まずそうにカイルの表情を見つめて、クロードはニヤニヤとその様子を眺めている。カイルは恐る恐る封を開けて中身に目を通した。

『カイルくんへ!
最近会えなくてお父様は寂しいぞ!
赤い目も落ち着いてるようだから
遊びに来なさい!!
これは国王命令ですよ!
クラークより』

全身に鳥肌が立つ。カイルはその場で手紙を無駄に大きな火で燃やした。

「……っくくっ…なんだって?」
クロードは笑いを堪えきれていない。

「メディウムに来いと」

ヴェルサスは驚き目を見開いた
「何かあったのでしょうか」

「だろうな」

毎回気持ちの悪い手紙を書いて寄越す父親だが『国王命令』の言葉と使いの者を走らせたという事は何かしら手紙では済まない用事があるという事。

「ヴェルサス代筆しろ『用があるならお前が来い』と」

ヴェルサスは目玉が飛び出る程目を見開いた。カイルの命令とは言え、代筆とは言え、書けるわけがない。

「カイル様…あの、申し上げにくいのですが…」

カイルはヴェルサスを一瞥して机の上にあった紙にそのまま書いてヴェルサスに渡した。

「申し訳ございません。使いに走らせます!!」

去ろうとするヴェルサスを止める

「メディウムからの使いがまだいるだろ。そいつに持ち返らせればいい」

「はいっ!」

「グラキエス行きは親父が来てからにする」

「お言葉ですが…クラーク国王様が来られますかね…?」

来いと言われて気軽に来れる人では無い。たまに招いていないのに突然来る事はあったが。

「ヴェルサス、お前はクラーク様の事を分かってないな。もてなす準備をするぞ」

クロードがヴェルサスの背中を押す。

「クロード本気か?!」


『国王様─────』

カイルは再び窓の方を振り返った。しかし先程と変わらず暖かい陽射しに心地よい風が吹いているだけ。

(ミア……?いや、いるはずがないのに。それとも願望が幻聴をおこしているのか…?)

窓の外を眺めるといつもと変わらない風景がそこにはある。勿論ミアの姿があるはずがない。不意にカイルの頬に柔らかい風が当たる

『ごめんなさい…』

「ーーーー!!!!」

(確かに聞こえた…………いや、そんなまさか。あり得ない)

「カイル、どうかしたのか?」

はっとしてクロードとヴェルサスを見ると、二人とも怪訝そうな顔をしてカイルを見ている。

「いや、何でもない」

南向きの窓を閉めて仕事にとりかかった。



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