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第六章 メンバーの喧嘩編
第16話‐3 天と地の差
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「・・・・・・なるほど。つまり君はグループの調和を保ちたいんだね?」
「はい。それに僕は一応リーダーですし、まとめないといけないんです」
「ちなみにメンバーはどんな感じなんだ?君から見て」
「んー…みんなマイペースで性格も違ってて。でも、みんな良い奴なんです!」
ヒュアキントスは笑顔でそう言った。
アポロンはそれを聞いて優しく笑った。
「そうだな…。私はまだアドニスと知り合って間もないが、彼はまだずいぶん若くて、プライドも高いんじゃないか?そしてガニュメデスはああ見えて負けず嫌いなんだ」
「え?そうなんですか?」
「ああ。だからぶつかってしまうことがあるんだろうね。そして…ガニュメデスは恵まれた幸福者だが、孤独なところも否めない」
それを聞いて、ヒュアキントスは少し驚いた。
「君が気を揉むのもわかるが、本人達の問題だ。それに君が仲直りさせようとするとアドニスは余計反発するだろうね」
それを聞いて、ますます落ち込んでしまった。
それを見て、アポロンはさらに続けた。
彼は、まるで父親のように、優しく語りかけてくれたのだった。
「干渉だけでなく見守ることも時に必要だ。リーダーであればなおさらな。彼らは子供ではないのだから、彼らの自主性に任せなさい。なに、そんなに心配することはないさ。あの2人は実は気が合うのではないかと私は思っているよ」
それを聞いた時、少し心が軽くなった気がしたのだった。
(それもそうだな。僕が悩んでも仕方ない!本人に任せよう)
「わかりました。アポロン様、ありがとうございます!」
ヒュアキントスは満面の笑みを浮かべてお礼を言った。
それを見たアポロンは満足そうに微笑んだのだった。
「さて。私は用事があるから失礼する。主神と会う予定があるんでね」
「あ!すみません、引き止めてしまって…」
「いや、問題ない。それではな」
アポロンはヒュアキントスの頭に軽く手を置いて、その場を去っていった。
(アポロン様…優しい方だな)
少し照れながらそう思い、ふとアポロンが歩いていった方向に目を向けた。
「え・・・・・・あの方は…!?」
アポロンが会う約束をしていた主神はオリンポス12神の者だったようだ。
(『あの方』がいるーーーーこんなに近くに)
ヒュアキントスはその神を見た途端、周りの雑音が全て消えて無音になったように感じた。
視界がスローモーションになったかのようだった。
本当は駆け寄りたかったが、そうすることはできなかった。
なぜなら会わせる顔がなく、そして今の自分は神格を失っているからだった。
(今の僕には、あの方と会う資格はない……)
ヒュアキントスは俯いて、その場を去っていった・・・
17話に続く・・・
「はい。それに僕は一応リーダーですし、まとめないといけないんです」
「ちなみにメンバーはどんな感じなんだ?君から見て」
「んー…みんなマイペースで性格も違ってて。でも、みんな良い奴なんです!」
ヒュアキントスは笑顔でそう言った。
アポロンはそれを聞いて優しく笑った。
「そうだな…。私はまだアドニスと知り合って間もないが、彼はまだずいぶん若くて、プライドも高いんじゃないか?そしてガニュメデスはああ見えて負けず嫌いなんだ」
「え?そうなんですか?」
「ああ。だからぶつかってしまうことがあるんだろうね。そして…ガニュメデスは恵まれた幸福者だが、孤独なところも否めない」
それを聞いて、ヒュアキントスは少し驚いた。
「君が気を揉むのもわかるが、本人達の問題だ。それに君が仲直りさせようとするとアドニスは余計反発するだろうね」
それを聞いて、ますます落ち込んでしまった。
それを見て、アポロンはさらに続けた。
彼は、まるで父親のように、優しく語りかけてくれたのだった。
「干渉だけでなく見守ることも時に必要だ。リーダーであればなおさらな。彼らは子供ではないのだから、彼らの自主性に任せなさい。なに、そんなに心配することはないさ。あの2人は実は気が合うのではないかと私は思っているよ」
それを聞いた時、少し心が軽くなった気がしたのだった。
(それもそうだな。僕が悩んでも仕方ない!本人に任せよう)
「わかりました。アポロン様、ありがとうございます!」
ヒュアキントスは満面の笑みを浮かべてお礼を言った。
それを見たアポロンは満足そうに微笑んだのだった。
「さて。私は用事があるから失礼する。主神と会う予定があるんでね」
「あ!すみません、引き止めてしまって…」
「いや、問題ない。それではな」
アポロンはヒュアキントスの頭に軽く手を置いて、その場を去っていった。
(アポロン様…優しい方だな)
少し照れながらそう思い、ふとアポロンが歩いていった方向に目を向けた。
「え・・・・・・あの方は…!?」
アポロンが会う約束をしていた主神はオリンポス12神の者だったようだ。
(『あの方』がいるーーーーこんなに近くに)
ヒュアキントスはその神を見た途端、周りの雑音が全て消えて無音になったように感じた。
視界がスローモーションになったかのようだった。
本当は駆け寄りたかったが、そうすることはできなかった。
なぜなら会わせる顔がなく、そして今の自分は神格を失っているからだった。
(今の僕には、あの方と会う資格はない……)
ヒュアキントスは俯いて、その場を去っていった・・・
17話に続く・・・
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