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第十章 恋の嵐編
第29話‐3 すれ違う2人
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そこでようやくアポロンは口を開いた。
その顔は真剣そのもので、いつもの陽気さはなくどこか冷たく感じられた。
その様子に少し恐怖を感じたが、ヒュアキントスは顔に出さないようにして話しかけた。
「……アポロン様。忙しくて連絡ができなくて申し訳ありません」
「君は私を避けているんだろう?なぜだ?」
間髪入れずにそう聞かれ、ヒュアキントスは焦った。ここで本当のことを言ってもいいものなのかと悩んだからだ。
「君は私の気持ちを知っているはずだ。君に一度告白しているのだからな」
「それは……」
「なのに何故避ける?」
「……」
答えられないでいるとさらに問い詰められた。
「君が私と距離を置きたがっている理由はなんだ?」
「……っ」
「私は君を好きだと言っただろう!?」
「ぼ……僕は……」
アポロンはヒュアキントスに詰め寄るように近づき、強引に肩を掴んだ。
「い、痛・・・」
「私を避ける理由を言え!!」
「・・・」
「言えと言っているだろ!!!」
あまりの剣幕に圧倒され、ヒュアキントスは困り果てていた、その時ーーーー
「「!!??」」
何者かが、ヒュアキントスをかばうように間に割って入ったのである。
それはーーーなんと、ナルキッソスだったのだ!
ヒュアキントスは驚きのあまり目を見開いていた。なぜなら目の前に現れたのがナルキッソスだったからだ。
(なんでここにナルキッソスが……?!しかも僕を庇うような位置にいるなんて…一体どうして……?)
混乱していると、ナルキッソスは厳しい口調で言い放った。
「うちの仲間に乱暴するのはやめてもらえますか」
ナルキッソスはアポロンを真っすぐに見据えてそう言い放った。その表情はいつになく険しかった。
アポロンはそんな彼の目を見つめ返し、威圧感たっぷりに言った。
「前から思っていたが、君は生意気だな……?」
ヒュアキントスは震え上がりそうになった。
ナルキッソスはそれでも動じることなく、睨み返していた。
(ダメだ!ナルキッソスは関係ないのに…彼を巻き込んでしまう!)
ヒュアキントスは慌てて2人の間に入り込み、仲裁に入った。
「待ってください!悪いのは僕なので…。アポロン様、2人だけで話しませんか?」
アポロンは仕方なく承諾し、2人は場所を移動したのだったーーー
その場に残されたナルキッソスはずっと険しい顔をしたままだった。
第30話に続く・・・
その顔は真剣そのもので、いつもの陽気さはなくどこか冷たく感じられた。
その様子に少し恐怖を感じたが、ヒュアキントスは顔に出さないようにして話しかけた。
「……アポロン様。忙しくて連絡ができなくて申し訳ありません」
「君は私を避けているんだろう?なぜだ?」
間髪入れずにそう聞かれ、ヒュアキントスは焦った。ここで本当のことを言ってもいいものなのかと悩んだからだ。
「君は私の気持ちを知っているはずだ。君に一度告白しているのだからな」
「それは……」
「なのに何故避ける?」
「……」
答えられないでいるとさらに問い詰められた。
「君が私と距離を置きたがっている理由はなんだ?」
「……っ」
「私は君を好きだと言っただろう!?」
「ぼ……僕は……」
アポロンはヒュアキントスに詰め寄るように近づき、強引に肩を掴んだ。
「い、痛・・・」
「私を避ける理由を言え!!」
「・・・」
「言えと言っているだろ!!!」
あまりの剣幕に圧倒され、ヒュアキントスは困り果てていた、その時ーーーー
「「!!??」」
何者かが、ヒュアキントスをかばうように間に割って入ったのである。
それはーーーなんと、ナルキッソスだったのだ!
ヒュアキントスは驚きのあまり目を見開いていた。なぜなら目の前に現れたのがナルキッソスだったからだ。
(なんでここにナルキッソスが……?!しかも僕を庇うような位置にいるなんて…一体どうして……?)
混乱していると、ナルキッソスは厳しい口調で言い放った。
「うちの仲間に乱暴するのはやめてもらえますか」
ナルキッソスはアポロンを真っすぐに見据えてそう言い放った。その表情はいつになく険しかった。
アポロンはそんな彼の目を見つめ返し、威圧感たっぷりに言った。
「前から思っていたが、君は生意気だな……?」
ヒュアキントスは震え上がりそうになった。
ナルキッソスはそれでも動じることなく、睨み返していた。
(ダメだ!ナルキッソスは関係ないのに…彼を巻き込んでしまう!)
ヒュアキントスは慌てて2人の間に入り込み、仲裁に入った。
「待ってください!悪いのは僕なので…。アポロン様、2人だけで話しませんか?」
アポロンは仕方なく承諾し、2人は場所を移動したのだったーーー
その場に残されたナルキッソスはずっと険しい顔をしたままだった。
第30話に続く・・・
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