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第十一章 失恋編
第30話-1 2ndシングル発売とミニライブ開催
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第30話 2ndシングル発売とミニライブ開催
移動したのは人気の無い路地裏だった。
その道中、アポロンはずっと不機嫌そうだった。
そんな雰囲気の中、先に話を切り出したのは彼の方だった。
「なぜ私を避けるんだ?」
「………。いろいろ考えたんですが、僕たちは恋愛禁止ですし周りの目もあります。誤解される行動は慎んだ方がいいと思い、距離を置こうと思いました。ごめんなさい…」
ヒュアキントスはそう言って頭を下げた。
それを聞いたアポロンはさらに機嫌を悪くしたようだった。
「……それだけなのか?他に何か言いたいことがあるんじゃないのか?」
その言葉にヒュアキントスはドキリとした。
(どうしよう……何て言えばわかってもらえるのかな……)
「そ…それに!アポロン様に告白していただきましたが、やっぱり僕なんかじゃおかしいですよ!僕は神格も低いですし住む世界も違いますし…。アポロン様には綺麗で高位の女神さまがお似合いです!アポロン様ならすぐに素敵な方が見つかりますよ!」
そう言って無理に明るい笑顔を作った。
だが、その言葉を聞いた途端、彼の表情が変わった。まるで氷のように冷たい表情でこちらを睨みつけていたのだ。
「ああ、そうか。もういい。君も他の者たちと同じだな。勝手に私のことを決めつけて拒絶するんだな」
(え・・・?)
予想していなかった言葉にヒュアキントスは驚いた。拒絶などするつもりは毛頭なかったからである。ただ、周りに迷惑をかけたくなかっただけなのだから・・・。
だが、アポロンは続けて言った。
「もう君には関わらない。君も私に関わらないでくれ。達者でな」
アポロンはそう言い捨ててその場を立ち去って行った。取り残されたヒュアキントスはしばらく呆然としていたのだったーーー
***
「おい」
気が付くとナルキッソスがそばに来ていた。
「ナルキッソス…!ありがとう、助けてくれて。嬉しかった」
ヒュアキントスは笑ってお礼を言ったのだが、ナルキッソスの表情はどこか物憂げだった。
「お前、男だろ。泣きそうな顔をするな」
そう言われて初めて気付いたのだ。自分が泣きそうな顔になっていることに。
そう言われて初めて気付いたのだ。自分が泣きそうな顔になっていることに。
「…っ!泣かないよ!男なんだから。さっき、仲間だって言ってくれたね。嬉しいよ」
「………。それよりあいつのこと、いいのか?」
「………。うん、僕たちは恋愛禁止なんだから、アポロン様にも迷惑だし」
ヒュアキントスはそう言って自嘲気味に笑った。
ナルキッソスは何も言わず、まるで寄り添うかのように、2人はしばらくの間無言でベンチに座っていたのだった。
こうして、ヒュアキントスの初恋は終わりを告げたーーー
移動したのは人気の無い路地裏だった。
その道中、アポロンはずっと不機嫌そうだった。
そんな雰囲気の中、先に話を切り出したのは彼の方だった。
「なぜ私を避けるんだ?」
「………。いろいろ考えたんですが、僕たちは恋愛禁止ですし周りの目もあります。誤解される行動は慎んだ方がいいと思い、距離を置こうと思いました。ごめんなさい…」
ヒュアキントスはそう言って頭を下げた。
それを聞いたアポロンはさらに機嫌を悪くしたようだった。
「……それだけなのか?他に何か言いたいことがあるんじゃないのか?」
その言葉にヒュアキントスはドキリとした。
(どうしよう……何て言えばわかってもらえるのかな……)
「そ…それに!アポロン様に告白していただきましたが、やっぱり僕なんかじゃおかしいですよ!僕は神格も低いですし住む世界も違いますし…。アポロン様には綺麗で高位の女神さまがお似合いです!アポロン様ならすぐに素敵な方が見つかりますよ!」
そう言って無理に明るい笑顔を作った。
だが、その言葉を聞いた途端、彼の表情が変わった。まるで氷のように冷たい表情でこちらを睨みつけていたのだ。
「ああ、そうか。もういい。君も他の者たちと同じだな。勝手に私のことを決めつけて拒絶するんだな」
(え・・・?)
予想していなかった言葉にヒュアキントスは驚いた。拒絶などするつもりは毛頭なかったからである。ただ、周りに迷惑をかけたくなかっただけなのだから・・・。
だが、アポロンは続けて言った。
「もう君には関わらない。君も私に関わらないでくれ。達者でな」
アポロンはそう言い捨ててその場を立ち去って行った。取り残されたヒュアキントスはしばらく呆然としていたのだったーーー
***
「おい」
気が付くとナルキッソスがそばに来ていた。
「ナルキッソス…!ありがとう、助けてくれて。嬉しかった」
ヒュアキントスは笑ってお礼を言ったのだが、ナルキッソスの表情はどこか物憂げだった。
「お前、男だろ。泣きそうな顔をするな」
そう言われて初めて気付いたのだ。自分が泣きそうな顔になっていることに。
そう言われて初めて気付いたのだ。自分が泣きそうな顔になっていることに。
「…っ!泣かないよ!男なんだから。さっき、仲間だって言ってくれたね。嬉しいよ」
「………。それよりあいつのこと、いいのか?」
「………。うん、僕たちは恋愛禁止なんだから、アポロン様にも迷惑だし」
ヒュアキントスはそう言って自嘲気味に笑った。
ナルキッソスは何も言わず、まるで寄り添うかのように、2人はしばらくの間無言でベンチに座っていたのだった。
こうして、ヒュアキントスの初恋は終わりを告げたーーー
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