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第十一章 失恋編
第30話-2 2ndシングル発売とミニライブ開催
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同じ頃、アポロンは失意のどん底に突き落とされていた。
(終わった・・・なぜこんなことになってしまったんだ?運命の相手だと思っていたのにーーー)
終わったと理解しても、心が全くついていかなかった。
彼と過ごした幸せな日々が走馬灯のように頭を駆け巡っていた。
(まだ彼のことが好きだーーー諦めたくない……)
アポロンは、彼の屈託のない笑顔をもっと見たいと思っていた。
彼の笑顔が見たくて、つい甘やかしてしまう自分がいた。
彼の喜ぶ顔が見たかったのだ。
彼と過ごす時間は、アポロンにとってかけがえのないものだった。
彼が傍にいてくれるだけで心が安らいだのだ。この時間がずっと続けばいいと思った。
もう少しだけ一緒にいたいと思った。もう少しだけでいいから……そう願っていたのだ・・・
***
そして一週間後ーーー
失恋がどんなに辛くても日々が流れるのは変わらない。
ヒュアキントスは失恋の苦しさを押し殺しながら仕事に励んでいた。
その日はソロ曲のレコーディングがあった。
仮レコーディングから日が経ち、いよいよ本番を迎えることとなったのだ。
ヒュアキントスは自分のソロ曲「恋の嵐」を歌い出した。
この曲は想い合う2人がすれ違う曲で、切ない恋心を歌った歌詞に仕上がっていた。
まるで今の自分の心境とシンクロするかのようにーーー
(この歌を歌う度に胸が締め付けられる思いになるんだよな……でもこれは僕の自業自得だから仕方ないんだけど……)
歌い終えるとスタッフたちが拍手をしていた。
「すごい良かったよー!」
「さすがだね」
口々に褒められ、照れながらも喜んでいた。
だが、一人だけ複雑な表情をしている者がいることに気付かなかった。
他のメンバーも順調にレコーディングが終わり、ソロ曲の収録は無事終了したのだった。
一安心した美少年達だったが、事務所からある決定事項を告げられた。
それはデビューアルバム制作と並行して、2ndシングルを発売するというものだった。
アルバム発売に向けてプロモーション活動を行いつつ、並行して新曲をリリースすることになったのである。
セカンドシングルはアルバム曲の一曲となる。
このセカンドシングルの売上により、アルバムの売り上げが大きく左右されるので皆気合いが入っていた。
もちろんそれはヒュアキントスも同様であった。
アポロンとの恋、そして初恋が呆気なく終わってしまった悲しみに蓋をして、気持ちを押し殺そうとしていた。
(終わった・・・なぜこんなことになってしまったんだ?運命の相手だと思っていたのにーーー)
終わったと理解しても、心が全くついていかなかった。
彼と過ごした幸せな日々が走馬灯のように頭を駆け巡っていた。
(まだ彼のことが好きだーーー諦めたくない……)
アポロンは、彼の屈託のない笑顔をもっと見たいと思っていた。
彼の笑顔が見たくて、つい甘やかしてしまう自分がいた。
彼の喜ぶ顔が見たかったのだ。
彼と過ごす時間は、アポロンにとってかけがえのないものだった。
彼が傍にいてくれるだけで心が安らいだのだ。この時間がずっと続けばいいと思った。
もう少しだけ一緒にいたいと思った。もう少しだけでいいから……そう願っていたのだ・・・
***
そして一週間後ーーー
失恋がどんなに辛くても日々が流れるのは変わらない。
ヒュアキントスは失恋の苦しさを押し殺しながら仕事に励んでいた。
その日はソロ曲のレコーディングがあった。
仮レコーディングから日が経ち、いよいよ本番を迎えることとなったのだ。
ヒュアキントスは自分のソロ曲「恋の嵐」を歌い出した。
この曲は想い合う2人がすれ違う曲で、切ない恋心を歌った歌詞に仕上がっていた。
まるで今の自分の心境とシンクロするかのようにーーー
(この歌を歌う度に胸が締め付けられる思いになるんだよな……でもこれは僕の自業自得だから仕方ないんだけど……)
歌い終えるとスタッフたちが拍手をしていた。
「すごい良かったよー!」
「さすがだね」
口々に褒められ、照れながらも喜んでいた。
だが、一人だけ複雑な表情をしている者がいることに気付かなかった。
他のメンバーも順調にレコーディングが終わり、ソロ曲の収録は無事終了したのだった。
一安心した美少年達だったが、事務所からある決定事項を告げられた。
それはデビューアルバム制作と並行して、2ndシングルを発売するというものだった。
アルバム発売に向けてプロモーション活動を行いつつ、並行して新曲をリリースすることになったのである。
セカンドシングルはアルバム曲の一曲となる。
このセカンドシングルの売上により、アルバムの売り上げが大きく左右されるので皆気合いが入っていた。
もちろんそれはヒュアキントスも同様であった。
アポロンとの恋、そして初恋が呆気なく終わってしまった悲しみに蓋をして、気持ちを押し殺そうとしていた。
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