149 / 295
第十八章 プロジェクトの真相編
第50話‐1 マスターの正体
しおりを挟む
第50話「マスターの正体」
ガニュメデスがグループを脱退宣言し、寮から出て行ってから数日が経った。
アドニスは、別れ際にガニュメデスから言われた言葉がずっと頭から離れずにいた。
《僕は、君のこと好きだったよーー》
(いつも憎まれ口しか叩かないあいつが…。やっぱり納得いかねぇ。何か事情があるはずだ)
アドニスは何も知らなかった。
ガニュメデスが、自分とヒュアキントスが1万3千年前に犯した罪を免罪させるため、あえて悪者になろうとしていたことをーーー
仕事の休憩中に物思いに耽っていたアドニスだったが、ふと誰かから見られているような視線を感じた。
「何だ……?」
アドニスは辺りを見回すと、1人の女性が物陰からこちらを見ていることに気付いた。
(誰だ?)
ファンの女性だろうかと最初は思ったが、その女性はどこかで見たことがあるような気がした。
するとーーー
「あはは、ペルセポネ。そんな所から見てたら不審だよ」
笑いながら声をかけたのは、伝令の神ヘルメスだった。
「だって…。本物だから、どうしたらいいかわかんなくて」
「私に紹介してほしいって連絡してきたのはそっちでしょ?とりあえず挨拶だけでもすればいいんじゃないかな」
ヘルメスはそう言って、ペルセポネの腕を引いた。
「やあアドニス君。久しぶりだね」
「ヘルメス様。お久しぶりです。ライブも観に来てくださったようで、ありがとうございます」
アドニスは爽やかな笑顔で礼を言った。
その笑顔を見ただけでもペルセポネは顔を赤らめ、ヘルメスは満足げな笑みを浮かべた。
「……あの、そちらの女性は?」
「ああ、この子は私の知り合いでね。オリンポス12神のデメテルの娘で、ペルセポネっていうんだ」
(え……?デメテル様の…!?だからどこかで見たことある気がしたのか…)
ペルセポネのことはアドニスも知っていた。
1万3千年前まで上司だったデメテルの、最愛の娘なのだから。
「う…あ、あのぉ。は…はじめまして!」
緊張しているのか、彼女は恥ずかしそうにもじもじしながら挨拶した。
「初めまして。ペルセポネ様。以後、お見知り置きを」
アドニスから笑顔を向けられて、ペルセポネは内心失神しそうだった。
「はいぃ~!よろしくお願いしましゅ!」
噛みまくっているが、それもご愛敬だ。
するとヘルメスがコホンと咳払いをした。
「彼女、君の大ファンなんだそうだ。ねえサインでもしてあげてよ。ついでに握手もね」
「はい。それくらいなら喜んで」
「わぁ……!嬉しい♡」
アドニスは快く承諾したが、ヘルメスには何か考えがあるようだった。
しかし、2人はそれに気づくことはなかった。
ガニュメデスがグループを脱退宣言し、寮から出て行ってから数日が経った。
アドニスは、別れ際にガニュメデスから言われた言葉がずっと頭から離れずにいた。
《僕は、君のこと好きだったよーー》
(いつも憎まれ口しか叩かないあいつが…。やっぱり納得いかねぇ。何か事情があるはずだ)
アドニスは何も知らなかった。
ガニュメデスが、自分とヒュアキントスが1万3千年前に犯した罪を免罪させるため、あえて悪者になろうとしていたことをーーー
仕事の休憩中に物思いに耽っていたアドニスだったが、ふと誰かから見られているような視線を感じた。
「何だ……?」
アドニスは辺りを見回すと、1人の女性が物陰からこちらを見ていることに気付いた。
(誰だ?)
ファンの女性だろうかと最初は思ったが、その女性はどこかで見たことがあるような気がした。
するとーーー
「あはは、ペルセポネ。そんな所から見てたら不審だよ」
笑いながら声をかけたのは、伝令の神ヘルメスだった。
「だって…。本物だから、どうしたらいいかわかんなくて」
「私に紹介してほしいって連絡してきたのはそっちでしょ?とりあえず挨拶だけでもすればいいんじゃないかな」
ヘルメスはそう言って、ペルセポネの腕を引いた。
「やあアドニス君。久しぶりだね」
「ヘルメス様。お久しぶりです。ライブも観に来てくださったようで、ありがとうございます」
アドニスは爽やかな笑顔で礼を言った。
その笑顔を見ただけでもペルセポネは顔を赤らめ、ヘルメスは満足げな笑みを浮かべた。
「……あの、そちらの女性は?」
「ああ、この子は私の知り合いでね。オリンポス12神のデメテルの娘で、ペルセポネっていうんだ」
(え……?デメテル様の…!?だからどこかで見たことある気がしたのか…)
ペルセポネのことはアドニスも知っていた。
1万3千年前まで上司だったデメテルの、最愛の娘なのだから。
「う…あ、あのぉ。は…はじめまして!」
緊張しているのか、彼女は恥ずかしそうにもじもじしながら挨拶した。
「初めまして。ペルセポネ様。以後、お見知り置きを」
アドニスから笑顔を向けられて、ペルセポネは内心失神しそうだった。
「はいぃ~!よろしくお願いしましゅ!」
噛みまくっているが、それもご愛敬だ。
するとヘルメスがコホンと咳払いをした。
「彼女、君の大ファンなんだそうだ。ねえサインでもしてあげてよ。ついでに握手もね」
「はい。それくらいなら喜んで」
「わぁ……!嬉しい♡」
アドニスは快く承諾したが、ヘルメスには何か考えがあるようだった。
しかし、2人はそれに気づくことはなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
