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第二十二章 熱愛騒動編
第69話‐2 動き出す恋
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「君は真面目過ぎるところがあるからね。私に出来ることがあるなら相談に乗るよ」
(悩み……)
自分しか愛せない呪いが解除されつつあること。
そのことに不安と葛藤を感じていたが、ヒュアキントスが言ってくれた言葉を思い出し、決意を固めて話すことにした。
「……実は最近、自分が分からなくなるんです」
「どういうことかな?」
「今までは自分自身を好きだと思っていました。でも最近は自信が持てないんです」
ナルキッソスは自分の思いを吐露していく。
「自分の魅力って何だろうとか。少し前までは自分しか好きになれなかったのに。でも今は、自分を好きかわからない。僕は性格も悪いし、暗いし、才能もないかもしれない……」
彼は自嘲気味に笑った。
それは卑屈になっているというよりは、本当に自信がない様子だった。
だが、そんな彼の話すら、ヘルメスは面白そうに笑っていた。
「ははは!面白いな。自分で性格が悪いって!それに自分しか好きになれなかったなんて、君は面白い子だね」
「面白くないですよ!」
「そう?私だって、自分のことが好きだよ?まあ、君のように自分しか好きになれないわけじゃないけどね」
「僕は変な奴なんです、すみませんね」
「あはは、怒らないでよ~。君は性格が悪いって思ってるかもしれないけど、私はそう思わないよ」
「どうしてですか?」
「君は嘘がつけないだけなんじゃないか?君は不器用なだけなんだよ。実はね、私は君のそういう所、少し羨ましいと思っているんだよ」
「僕が、羨ましい……?」
「うん、そうだよ」
ヘルメスは頷いた後、話を続ける。
「君はいつも正直で、自分にも誰にも嘘がつけない。それって純粋だよね。私にはとても真似ができない生き方だからね」
「………」
「私にないものを持ってる、そう思うんだ。君が自分のことをどう思っていようと、私は君のことを尊敬しているよ」
そう言って、ヘルメスは彼の頭を優しく撫でた。
まるで弟に接するかのように慈愛に満ちた表情をしていた。
それに対して、ナルキッソスは何も言えなくなってしまった。
褒められることに慣れていないため、どう反応して良いのか分からないのだ。
そんな彼の反応にお構いなしにヘルメスは畳みかけた。
「君、恋をしてるだろ?」
(悩み……)
自分しか愛せない呪いが解除されつつあること。
そのことに不安と葛藤を感じていたが、ヒュアキントスが言ってくれた言葉を思い出し、決意を固めて話すことにした。
「……実は最近、自分が分からなくなるんです」
「どういうことかな?」
「今までは自分自身を好きだと思っていました。でも最近は自信が持てないんです」
ナルキッソスは自分の思いを吐露していく。
「自分の魅力って何だろうとか。少し前までは自分しか好きになれなかったのに。でも今は、自分を好きかわからない。僕は性格も悪いし、暗いし、才能もないかもしれない……」
彼は自嘲気味に笑った。
それは卑屈になっているというよりは、本当に自信がない様子だった。
だが、そんな彼の話すら、ヘルメスは面白そうに笑っていた。
「ははは!面白いな。自分で性格が悪いって!それに自分しか好きになれなかったなんて、君は面白い子だね」
「面白くないですよ!」
「そう?私だって、自分のことが好きだよ?まあ、君のように自分しか好きになれないわけじゃないけどね」
「僕は変な奴なんです、すみませんね」
「あはは、怒らないでよ~。君は性格が悪いって思ってるかもしれないけど、私はそう思わないよ」
「どうしてですか?」
「君は嘘がつけないだけなんじゃないか?君は不器用なだけなんだよ。実はね、私は君のそういう所、少し羨ましいと思っているんだよ」
「僕が、羨ましい……?」
「うん、そうだよ」
ヘルメスは頷いた後、話を続ける。
「君はいつも正直で、自分にも誰にも嘘がつけない。それって純粋だよね。私にはとても真似ができない生き方だからね」
「………」
「私にないものを持ってる、そう思うんだ。君が自分のことをどう思っていようと、私は君のことを尊敬しているよ」
そう言って、ヘルメスは彼の頭を優しく撫でた。
まるで弟に接するかのように慈愛に満ちた表情をしていた。
それに対して、ナルキッソスは何も言えなくなってしまった。
褒められることに慣れていないため、どう反応して良いのか分からないのだ。
そんな彼の反応にお構いなしにヘルメスは畳みかけた。
「君、恋をしてるだろ?」
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