天界アイドル～ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら～

第二十三章 オリンポス12神登場編

第70話‐1 オリンポス12神の集合

第70話「オリンポス12神の集合」

そこは格式ある宮殿にある会議室。
そこにはオリンポス12神と呼ばれる神々が集まっていた。

彼らは円卓を囲み、それぞれ決められた席についていた。
だがまだ全員集まってはいない。

シリウス最高神であるゼウスは大抵遅れてくるので、他の神は待つことが多い。



「いやー、我々が集まるのは久しぶりだなぁ。あはは、この円卓に座ると自分がトップのような気がして嬉しいねぇ♪」

そんな呑気なことを言っているのは、彼らのムードメーカー役である伝令の神ヘルメスだった。
彼はオリンポス12神の中では弟分で末っ子のような存在だった。


「相変わらずお前は落ち着きがないな、少しは落ち着け」
ヘルメスの発言に対して、呆れたように答えたのは知恵と戦いの女神アテナだ。


「まあ、確かに久しぶりよね。こうしてみんな揃うのって」
そう言ったのは美の女神アフロディーテであった。彼女はその美しさで魅了する力を持っているためか、一際色気がある女性に見える。


そして次に口を開いたのは軍神アレスだった。彼もまた武勲で名を馳せた男神であり、勇ましい顔つきをしている。

「ふん。暇ではないというのに、急に呼び出しやがって」
「まあまあ、落ち着いて」

彼を宥めるのは炉の女神ヘスティア。ゼウスの姉であり長女でもある。


「それで、一体何のために私たちを呼んだのかしら？」
そう疑問を口にしたのは狩猟の女神アルテミス。

「さあな、俺は早く帰って寝たいぜ……」
面倒くさそうに言うのは鍛冶の神ヘパイストス。鍛治や金物など、物作りに関することに秀でた神である。

(我々を召集するとは、それほど重要度の高い問題が起きたのか？）
アポロンは冷静にそう考えていた。


そこへ、1人の男神が遅れて入ってきた。
海神ポセイドンである。


彼がその場に現れた途端に一気に緊張感が漂った。
彼はプライドが高く非常に厳格な性格をしており、普段はあまり笑わない寡黙な性格のため、何を考えているか分からないところがあるからだ。

（うわ～、怖いな。私もさすがにあの方は扱いづらいからなぁ…)

ヘルメスはそう思っていたが、そんなことを気にする様子もなく、彼に声をかける者がいた。
それは、豊穣の女神デメテルだった。

「あら、久しぶりね。相変わらず不愛想ね」
そう憎まれ口を叩いていたが、ポセイドンは表情を変えず、静かに席についた。

ポセイドンの登場により、緊張感が増したが、ようやく最後のメンバーがやって来たようだ。

「おお、待たせたな！皆の衆！」
そう言いながら勢いよく扉を開けて入って来たのは、シリウス最高神ゼウス、そして妻である女神ヘラであった。

一同はその姿を見て安堵したような表情を見せた。

これで全員が揃ったことになる。



「さて、今日皆に集まってもらったのには理由がある」
そう言って話を切り出すゼウスに、一同は注目した。

「今、シリウスで騒がれていること、お前たちも知っておると思うが、ガニュメデスが所属するグループのことじゃ」

(((！！？？)))

アポロン、そしてヘルメスとアルテミスは驚きの表情を見せる。