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第二十三章 オリンポス12神登場編
第71話‐2 ポセイドンの怒り
しおりを挟む「私も同じだ。過去に罪を犯したとしても愛する気持ちは変わらない」
「自分の立場を弁えろ。代表である高位の神が、更生中の者に手を出すなど、示しがつかんだろう」
「彼らが罪を犯したと私は思わない。私は彼らの味方…そして仲間です」
アポロンは毅然とした態度で言った。
「ただの感情論だな。しかし、代表であるオリンポス12神の者が2人も手を出すとは…。他にもいるのではないだろうな?」
ポセイドンは威厳のある声でそう問うた。
ヘルメスは冷や汗をかきそうにながらも、必死で平静を装っていた。
(だがナルキッソス君はこの件に関係ないはずだし…)
そう自分に言い聞かせて自分を落ち着かせていた。火の粉を被りたくないのが本音だった。
「兄上。お気持ちはわかりますが落ち着いてください」
見かねたゼウスが宥めるようにそう言った。
「一旦話を最初に戻そう。今やシリウス中で彼らのことが話題になっている。事の発端は、彼らが分裂して対決する『ユニット対決』をすることじゃな。最初はただのお祭り騒ぎでしかなかったが、想定以上に世間の反響が大きくてのう。このままではまずいと思ったんじゃ」
ゼウスが説明するように語った。
「そもそも一体誰がそんな企画を思いついたんだ?」
「……私だ」
ヘルメスは観念したように手を挙げた。
「お前が考えた企画だったのか……!」
ポセイドンが怒りに満ちた目で睨みつける。
「いや、まさかそんな事情があるなんて知らなかったから…。話題性もあり面白そうだと思っただけで悪気は何も……」
「全く。お前は軽率だな」
アテナが呆れたように言う。
「だが何かおかしくないか?確かに彼らは人気もあり、グループ内のユニット対決は話題性も高いが、ここまで大騒ぎになることか?」
ヘルメスはそう疑問を呈す。
「確かに不自然な点も否めんな。だが今の論点はそこではない。彼らはあまりに目立ちすぎたことが問題じゃ。ただ可愛い少年達が一部のファンに騒がれる程度なら問題ない。しかし、あまりにも注目を浴び過ぎてしまった。なのでお前達にも共有しておこうと思ってな」
ゼウスの言葉に一同は納得した様子だった。
「オリンポス12神の中に、彼らに深く関わっている者がいることが問題だな。代表の神として示しがつかないぞ」
そう意見したのはポセイドンだった。続けて彼は発言した。
「それも、彼らが恋愛禁止令を交わしていることを既知の上、彼らに手を出した。つまり彼らの更生を妨害したようなもの。我々も責任を問われるかもしれない」
そう言う彼は真剣な眼差しをしていた。
その言葉を聞いた他の神達も、真剣な表情になった。
「うむ。その通りだ。よって我々には彼らを救う義務があると考えておる」
ゼウスは重々しくそう告げた。
「俺は反対だ」
すると突然、反論する者が現れた。
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