天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

B-pro@神話創作してます

文字の大きさ
234 / 295
第二十六章 ユニット対決第二弾前編

第82話‐3 軍神アレス

しおりを挟む
一方、ゼウスの妻であるヘラは、姉のヘスティアと会っていた。
ヘスティアは先日鑑賞した美少年達のライブイベント対決の様子をヘラに報告していたのである。

「男の子同士の友情の演出が美しくてね、私思わず感動してしまったわ。さすがヘルメスがプロデュースするだけあるわね~」
うっとりとしながら感想を語る姉を見て、ヘラはため息をついた。


「あなた、処女神なのだから男を応援するなんておかしいと思わないの?」
「あら?友情なのだから性別なんて関係ないじゃない。それに、私はただ美しいものや可愛いものが好きなだけなんだから」

ヘスティアはいつものように穏やかな口調で答えた。そして徐にこう切り出した。


「ねえ、ヘラも鑑賞してみてはどう?確か、あなた例の審判は中立派なのよね?」

ヘラは美少年達を認めるかという審判に関しては特に反対している様子はなかった。
だが彼女なりに思うところが何かあるらしく、あまり乗り気ではなさそうだったのだ。



「そうね…。私は特段反対しているわけではないけど、だから賛成するかは別の話よ」
「あらあら…」
「私は家庭の守り神であり、貞淑な神であるべき存在ですもの。かつて大罪を犯したのにかかわらず恋愛禁止令に違反した者達を支持するのは私の沽券に関わる問題だわ」

ヘラは、能天気なゼウスに反して厳しく真面目な性格をしていた。
そのため、自分の立場を重んじる傾向があったのだ。

(やはりヘラは一筋縄ではいかないわね……)
そう思いながら、ヘスティアは少し困ったような表情を浮かべたのだった。


***

翌日、ヒュアキントスとナルキッソス組の元に意外な訪問客が現れた。

「初めまして、よね?」

まだ少女のようなあどけなさが残る女性だ。
彼女はにこやかに微笑みながら二人に挨拶をしたのだった。


(あれ?どこかで見たことあるような…)

ヒュアキントスはそう思った。

「私の名前はペルセポネ。オリンポス12神であるデメテルの娘と言えばわかるかしら」
「え!?」

ヒュアキントスは思わず驚きの声を上げた。

(ペルセポネ様…この方がデメテル様の大切な娘さん……)

「ペルセポネ様。初めまして」
ヒュアキントス達は慌てて挨拶をする。

「そんなに畏まらなくていいのよ。あなた達の活躍、いつも拝見させてもらっているわ」
「ありがとうございます」
「今日来たのはね。私、あなた達のスポンサーに名乗り出たいの」
「ええっ!?」

ヒュアキントスとナルキッソスは思わず顔を見合わせた。

デメテルの娘であり、冥府の女王でもあるあのペルセポネが支援者に名乗り出たことに驚きと戸惑いを隠しきれなかったのだったーーー

第83話に続く・・・
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...