天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第二十八章 ユニット対決最終結果編

第88話‐2 ユニット対決最終戦勝敗結果

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あっという間に日は過ぎていく。
1か月後、遂に運命の時が訪れた。

各々、プロモーション活動に励み、それに応えるようにファン達の気合いも高まっていた。

そして彼らの支援者や、応援している神々も勝負の行方を見届けようとしていた。

(どんな結果になっても悔いはない)
(絶対に勝ってみせる!!)
(僕は負けないぞ……!)

それぞれの思惑が入り乱れる中、決戦の時を迎えることになるのである。

ユニット対決最終戦となる三回戦は、CD初週売上対決になった。
初週の売り上げを競うわけだが、集計方法は通常のシングルと同じだ。

最終決戦にしては地味ではあるが、数字として明確に勝敗結果が出るわかりやすい勝負となっている。

各ユニットのメンバーたちは緊張した面持ちで待機していた。

そしてついにーー

ランキングが発表された。

シリウス中を巻き込んで熱狂の渦となった対決だけあり、1位と2位を独占する結果となった。


その結果はーーー


2位 ヒュアキントスとナルキッソス組
1位 アドニスとガニュメデス組

僅差ではあったものの、エースがいるガニュメデス、そしてアドニスのユニットの勝利であった。

この結果はシリウス中に衝撃をもたらした。

「やっぱりガニメデしか勝たん」
「アドニス君さすがすぎるわ」
「ヒュア君達もよく頑張ったよ!」
「ナル君…尊い……」

こうして最終戦はアドニスとガニュメデス組の勝利となり、それぞれ一勝一敗だったので2勝したアドニス組の勝利が確定することになった。

ファンの間でも様々な声があったが、ひとまずユニット対決は終局を迎えることとなったのだった。


結果を受けたナルキッソスはーーー

「………………」

1人で無表情のまま佇んでいた。
その表情には何の感情もないかのようだったが・・・

いつしかその頬には涙が伝っていた。

(負けた…負けたんだ。悔しい、悔しい…!勝ちたかった。勝てば僕は……)

「ナルキッソス君」

背後から男の声が聞こえてきたので振り返ると、そこには見覚えのある顔があった。



それはヘルメスだった。

「残念だったね。でも、よくやった。私は何の悔いもないさ。頑張ってくれてありがとう」

(ああ……この方は本当に優しい方なんだな……)

ヘルメスの言葉に、ナルキッソスはますます涙が止まらなくなってしまう。
そんな彼をヘルメスは優しく抱き留めたのだった。

第89話に続く・・・
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