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親バカ登場
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「ただいまもどりました」
都内高級住宅地にある1つの西洋建築が我が家である。周りにある家とは群を抜いて大きいから見つけやすい。ヨーロッパの奥地にあるような外観で、ママが雰囲気づくりの為に木々をたくさん植えた空間を作っているので尚更森のようだ。門を開けるとまず目に入るのがプライベートプール。それを取り囲むようにソファが置いてあって夏場なんかはそのソファで寝ると少し冷たい夜風が心地よい。門から玄関まで遠いので、セグウェイで行くこともしばしば。今日は歩くけどね。ドアを開くと大きなガラス張りの窓が一面に広がっていて、階段とピアノが太陽光に照らされている。この空間はお祖母様が作ったのだ。ここの一階はお祖母様の別荘だったからね。そこをパパがリフォームして今は屋敷ほどの広さになっている。ちなみに現在お祖母様はフランスでワイナリー付きの屋敷を買って暮らしている。一階は奥にもたくさん部屋があって、二階が両親の部屋と客間、それからフィッテングルームや、パパの書斎などなど。三階が子供達の部屋で、お兄様の趣味がサバゲーなので銃専用の部屋や、お姉様のアンティーク家具専用部屋などがある。ちなみに私にはシアタールームを作ってもらった。110インチのテレビを使ってゲームや映画鑑賞をするのが趣味だ。最高でしょ?
カバンをメイドに預けて、自室に戻ろうとしているとすごい勢いで誰かが上から降りてくる。
「花蓮ちゃん!!おかえりなさい」
「あ、ママ」
「私もいるよ」
「あら、パパも。珍しい」
「「で、例の婚約者は?」」
話が早いこと。
「あれ、知ってたんだ?」
「奏多さんから聞きましたの。あいっつ、わたくしの可愛い花蓮さんに恥をかかせるなんて、あの身首本当に切り取ってやりたいわ」
「そうだな。そのためにわざわざフランス支部まで行って優秀な人材を連れてきたんだ。あいつはクビだ」
「は!?そんな、そこまでなさらなくても……」
「いいえ、ママの気が済むまで苦しんでもらうわ。たとえ死のうともそれでも罰を与えるわよ」
怖い……怖すぎる。ママは京都出身のはんなり美人で大手清掃会社の社長令嬢。生粋のお嬢様で家元をたどると江戸まであるそうだ。京都美人のママは決して思惑を表に出さない。いつも穏やかな微笑を浮かべており、何を考えているのか全くわからない。何か考えてそうだけど意見を問われるとわたくしは別になんて言ってやんわり断るのだ。そして、気に食わない奴がいたら絶対に潰す。そんなママがここまで怒るんだ。怖すぎる。何をやるかこちらがハラハラしてしまう。パパも顔が真っ青だ。
「あ、お母様、お父様、帰ってきてたんですね」
そこへ丁度兄がやって来た。うわぁ、鉢合わせたくなかった。
「あぁ、手紙ありがとう」
「いえ、彼には我が家の恐ろしさを知っていただく義務がありますので」
「そうね」
母、兄、怖い。何気ない顔でお兄様が腰に手を回してきたので振り払ってから自室へと戻った。怖すぎるでしょ。
部屋に入ってからティーカップを取り出してイギリス王室御用達のアールグレイを注ぐ。リラックスせねば。ティーカップを集めるのは趣味で世界各国のオークションやネットを常に徘徊している。ちなみに最近はペルーに目をつけてるのがあるんだよね。でも、量産型のかもしれないから現地に鑑定士をつけていかなければならない。それが面倒でなかなか行けてないんだよね。今週末は………ダメだ。お母様が紫陽花を買いに行くって言ってたな。この季節になると紫陽花なんてコンクールで優勝したようなものを沢山もらえるっていうのに。京都まで行って買うんですって。よくわからない。
外の景色を覗きながらお茶を飲んでいるとノックをしてドアノブが回る。
「花蓮!」
「お兄様、邪魔です」
「はぁはぁはぁ可愛い。マイシスター」
「変態のような呼吸をしないでください」
「あぁ、ごめんね。はいこれマカロン」
「食べ物で釣れるような年齢じゃないですよ。私」
「だったら、僕のことを自由に使って構わないよ」
とても素晴らしい笑顔でこういうことを言わないで欲しいと切実に思った今日この頃。
都内高級住宅地にある1つの西洋建築が我が家である。周りにある家とは群を抜いて大きいから見つけやすい。ヨーロッパの奥地にあるような外観で、ママが雰囲気づくりの為に木々をたくさん植えた空間を作っているので尚更森のようだ。門を開けるとまず目に入るのがプライベートプール。それを取り囲むようにソファが置いてあって夏場なんかはそのソファで寝ると少し冷たい夜風が心地よい。門から玄関まで遠いので、セグウェイで行くこともしばしば。今日は歩くけどね。ドアを開くと大きなガラス張りの窓が一面に広がっていて、階段とピアノが太陽光に照らされている。この空間はお祖母様が作ったのだ。ここの一階はお祖母様の別荘だったからね。そこをパパがリフォームして今は屋敷ほどの広さになっている。ちなみに現在お祖母様はフランスでワイナリー付きの屋敷を買って暮らしている。一階は奥にもたくさん部屋があって、二階が両親の部屋と客間、それからフィッテングルームや、パパの書斎などなど。三階が子供達の部屋で、お兄様の趣味がサバゲーなので銃専用の部屋や、お姉様のアンティーク家具専用部屋などがある。ちなみに私にはシアタールームを作ってもらった。110インチのテレビを使ってゲームや映画鑑賞をするのが趣味だ。最高でしょ?
カバンをメイドに預けて、自室に戻ろうとしているとすごい勢いで誰かが上から降りてくる。
「花蓮ちゃん!!おかえりなさい」
「あ、ママ」
「私もいるよ」
「あら、パパも。珍しい」
「「で、例の婚約者は?」」
話が早いこと。
「あれ、知ってたんだ?」
「奏多さんから聞きましたの。あいっつ、わたくしの可愛い花蓮さんに恥をかかせるなんて、あの身首本当に切り取ってやりたいわ」
「そうだな。そのためにわざわざフランス支部まで行って優秀な人材を連れてきたんだ。あいつはクビだ」
「は!?そんな、そこまでなさらなくても……」
「いいえ、ママの気が済むまで苦しんでもらうわ。たとえ死のうともそれでも罰を与えるわよ」
怖い……怖すぎる。ママは京都出身のはんなり美人で大手清掃会社の社長令嬢。生粋のお嬢様で家元をたどると江戸まであるそうだ。京都美人のママは決して思惑を表に出さない。いつも穏やかな微笑を浮かべており、何を考えているのか全くわからない。何か考えてそうだけど意見を問われるとわたくしは別になんて言ってやんわり断るのだ。そして、気に食わない奴がいたら絶対に潰す。そんなママがここまで怒るんだ。怖すぎる。何をやるかこちらがハラハラしてしまう。パパも顔が真っ青だ。
「あ、お母様、お父様、帰ってきてたんですね」
そこへ丁度兄がやって来た。うわぁ、鉢合わせたくなかった。
「あぁ、手紙ありがとう」
「いえ、彼には我が家の恐ろしさを知っていただく義務がありますので」
「そうね」
母、兄、怖い。何気ない顔でお兄様が腰に手を回してきたので振り払ってから自室へと戻った。怖すぎるでしょ。
部屋に入ってからティーカップを取り出してイギリス王室御用達のアールグレイを注ぐ。リラックスせねば。ティーカップを集めるのは趣味で世界各国のオークションやネットを常に徘徊している。ちなみに最近はペルーに目をつけてるのがあるんだよね。でも、量産型のかもしれないから現地に鑑定士をつけていかなければならない。それが面倒でなかなか行けてないんだよね。今週末は………ダメだ。お母様が紫陽花を買いに行くって言ってたな。この季節になると紫陽花なんてコンクールで優勝したようなものを沢山もらえるっていうのに。京都まで行って買うんですって。よくわからない。
外の景色を覗きながらお茶を飲んでいるとノックをしてドアノブが回る。
「花蓮!」
「お兄様、邪魔です」
「はぁはぁはぁ可愛い。マイシスター」
「変態のような呼吸をしないでください」
「あぁ、ごめんね。はいこれマカロン」
「食べ物で釣れるような年齢じゃないですよ。私」
「だったら、僕のことを自由に使って構わないよ」
とても素晴らしい笑顔でこういうことを言わないで欲しいと切実に思った今日この頃。
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