あの世で働き幾星霜~自由な次元の魔女~

蒼華 スー

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歌声につられて

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    私は、歌う。
    この夜空にすっと澄んだ歌声が響き渡る様に意識しながら。
    そして、感情を余り出さずに。まるで、押し込めているかの様に、だが、諦めた様にも感じる様に歌う。この曲はそういう曲だから。





─私のいる世界はくすんでいた
    何かが覆っているように

    このまま滅ぶと思った
    自分も世界も

    その時一筋の暗き光が
    私に降って来た
    それが救いなのかなんて知る筈もない

    だけどそれは
    覆っていた何かを壊した

    眼にしたのは同じ世界だった筈
    だけど知らない世界
    鮮やかな世界

    鮮やかな世界を見た時私は変わった
    滅ぶのは仕方ないと
    諦めてたのに
    護ってと言われて
    護りたいと思ってしまって

    溢れる力で滅ぶ世界を滅ぼす敵を
    止めてみたけど

    待っていたのは人々の恐怖の瞳

    私は何をしていたのだろう
    護ったはずの鮮やかな世界が
    一気に静かに崩れた


    護ってと言われたから
    鮮やかな世界だったから
    護りたいと思って戦った

    世界は護ったはずなのに

    私の世界だけが壊れて消えた

    誰も見向きしなくなった
    誰も記憶から私を追い出した
    誰も死にかけながら戦ったことすら無視した
    誰も戦い自体を無かった事にした

    私は今知った
    本当の世界を
    美しいと思った世界が
    まやかしだと気づいた
    改ざんだらけの世界だと

    今なら分かるよ
    滅ぼそうとした者達の想いが

    私はなんて事をしたのだろう

    せめてこの世界がこれ以上
    改ざんされないように
    私が滅ぼそう

    これ以上美しかったはずの世界を
    壊さないように─





    この曲は、あの世でも余り知られてはいないが、実際にあった世界の物語を題材にした曲なのだ。もう滅んでしまった世界だかな。
    悲しく、残酷な曲だと思うが私が気に入っていた。何故なら……………いや、これは言わないでおこう。とにかく……………ん?


    ……なんか寮の庭にある植木が動いた?


    な、何?キノセイダヨネー。アハハハ。


    ガサガサッ


   ヒィィィィ!!!


    私は言っていなかったが、ホラー系が苦手なのだ。本当に無理。夜の廃ビルとかに邪物討伐で入っていったりして耐性が少しはついたと思っていたが、過大評価だった様だ。もう少し過小評価にしなければ……。って、んな事考えている場合かぁぁぁ!!
    どどどど、どうしようー!?
    考えろー!私の脳よ!どうにかして生存ルートをぉぉぉぉ!
    って、落ち着けぇぇぇぇ!
    と、取り敢えず中へ、中へ入ろう!!


    ガサガサッ


    うわぁぁぁー!!!!!助けてー!フィー!!!!!


    《──ハイハイ!どったの?》


    へ?

    ……どうやら無意識のうちにフィーと念話を繋いでしまった様だ。

    ……まぁ、おかげで少し落ち着いたかな?


    「えっ、えっとフィー?」
    《うん。そうだけど?どしたの?なんか凄い声だったよ?》
    「ごっ、ごめん!なんかホラーな感じがしてさ。」
    《ホラー?》
    「ゴメンね!大丈夫だから。植木が動いてもしかして幽霊?とかって思ったらパニクっちゃてさぁ。」
    《あぁー。そう言えばあの世でもそういう系のいる世界の話で凄い固まっていたよねー?
    自分が幽霊みたいなもんだったのにねぇー。……フフフッ……クックックッ……ご、ゴメン我慢出来ない……。あっはははは!!!!!
    やばい!邪物とか散々倒しておいてそれって!ックックックッ》
    「……だって、邪物は倒したらいなくなるし、邪物は討伐出来るものだと認識出来ているからさぁー。正体が分からず、倒せるか不明の存在よりは恐怖が薄れるっていうか、なんというか……。」
    《わっ、分かったから。だ、大丈夫。アハハ!
    あっ、アーノに呼ばれたからもう行くね。あー、笑ったわー。じゃあね。》
    「うん。ゴメンね。本当。またね。」
    《うん。また。》 


    フゥ。焦ったー。


    ガサガサッ


    ヒィィィ!


    ま、まだコッチの問題が残ってたぁぁぁぁぁ!!!
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