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この2人はいつまで言い争っているつもりだろう?
仲良くしろとは言わないが、せめて静かに喧嘩してほしい。
両隣りに座る2人に挟まれながら大声で喧嘩されてはうるさくて仕方がなかった。
「そうだ。アズにもう1人…いやもう1匹?家族を紹介しましょうね」
うるさい2人は放っておきアズを連れて寝室に向かう。
ふわふわのベッドの上には宿についてすぐに置いておいた卵があった。
割れないようにと置いておいたが、とくに変化はないようでそっと抱き上げると膝をつきアズに見せてやる。
「アレンの兄弟で、こちらに来たばかりの時に親御さんに頼まれたんです。獣人ではなく蛇そのものですが、お兄ちゃんとしてアズもこの子を一緒に可愛がってあげてくれますか?」
「アズ、おにいちゃん?」
「そうです」
「うん。アズ、おにいちゃんなる!」
元気よく答えると大切そうに卵を撫でる。
家族に、母親に捨てられるなんてどれだけの辛さだろう。
成人しているならまだしもこの歳で、母親に甘えたい盛りの幼さでどれだけ悲しんだだろう。
12年という短い時間だったとはいえ、縁は両親の愛情をきちんともらった。
だが、アズはもっと短い。
だが、これからは自分たちがいる。
種族も違えば、寿命もちがう。
どれだけ時間があるか分からないし、たぶん縁が一番短い。
それでも精一杯愛してあげよう。
「こんな優しいおにいちゃんがいるならこの子も寂しくないですね」
「パパもいるからな」
「パパは俺だ。お前はこの卵の兄弟だろうがバカ」
まだ続いてたのか。
こんなに騒がしければアズも寂しいと感じる暇もないだろう。
「で……なんでしたっけ?えーと…そう、番がなんだかこんだか」
思い出したようで思い出しきれてない。
アズに卵を抱かせるとそのアズを抱き上げソファに戻る。
「番になるかならないかでしたっけ?断ったらどうなるんですか?」
獣人が相手を大事にするのは分かったが、縁からすればその相手が縁である必要があるのか?と思ってしまう。
セインには悪いが。
「……どうにもならない。普通の番であればどうにもならないが、運命の番に限ってはそうじゃなく最悪狂って死ぬ」
それはもはや脅迫ではないだろうか。
断ったらセインは死んでしまう?
怖い。怖すぎる。
こちらに来てからなぜ次々と他人の命を掴んでばかりいなければいけないのだろうか?
あの子たちなんか仕組んだりしてませんよね?
疑心暗鬼になってしまい、こちらに率先して送り込んだ2人を疑ってしまう。
「それって拒否権がないってことですよね?気に入らなくても受け入れなければいけないってことですか?」
「受け入れてもらえば一番良いが、もちろん相手にも拒否することはできる。相手のことなんて無視すればいい。獣人とは違って人間には相手を求める本能が薄いんだ。どこかしら惹かれることもあるかもしれないがそれだけで決めるには人間には難しい」
獣人であるがゆえに嗅覚が鋭く匂いで番が分かり、獣人であるがゆえに獣の本能で唯一人を求める。
「………」
重くないですか?
この世界の方みんな重くないですか?
こちらでは普通なんですかね。
「番ではなく今このままでいることはできないんですか?」
決してセインを奴隷と思ったことはないが、1人の家族として一緒に暮らしていくのではダメなのだろうか。
「……不可能、ではないかもしれないが、俺には無理だ。耐えられない」
「耐えられない?何がですか?」
「発情期」
「………アズ、今日は色々あって疲れたでしょう?お風呂に入ってもう休みましょうか」
危ない。危なかった。
まだ幼いアズに聞かせる話しではない。
「おふろ?」
お風呂が分からないらしく案内してやるが、見たことないものばかりで戸惑っていた。
奴隷は水に浸した布で体を拭くぐらいしかしないようだ。
どちらにせよ幼いアズを1人で入れられないと思っていたので、一緒に入ると頭を洗ってやり背を流してやる。
洗い終えると今度はアズが縁を洗うと言い出したので喜んで頼むのだった。
「…次また覗きをするようなら部屋から出しますからね」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
成人男性2人が土下座する姿。
一緒に入りたいと強請る男共にだが断固拒否し、諦めたかと思えば風呂の入り口で覗き。
なんて情けないんだろう。そこまで見たかったのだろうか。
2人にも入るように言うと縁はアズと卵を寝かしつける。
ガチャガチャという音と怒鳴り声が遠くの方で聞こえるので喧嘩しながらでもちゃんと入ってるのだろう。
ふわふわだと喜ぶアズと、隣に卵を置いてやれば守ってやるかのようにギュッと卵に抱きついた。
「では弟をお願いしますね、おにいちゃん」
「うん!」
おやすみなさいと言って頭を撫でてやれば、そう時間もかからず眠りについた。
やはり疲れていたのだろう。
腹を満たし、お風呂でホカホカの体にアズは満足そうな寝顔だった。
仲良くしろとは言わないが、せめて静かに喧嘩してほしい。
両隣りに座る2人に挟まれながら大声で喧嘩されてはうるさくて仕方がなかった。
「そうだ。アズにもう1人…いやもう1匹?家族を紹介しましょうね」
うるさい2人は放っておきアズを連れて寝室に向かう。
ふわふわのベッドの上には宿についてすぐに置いておいた卵があった。
割れないようにと置いておいたが、とくに変化はないようでそっと抱き上げると膝をつきアズに見せてやる。
「アレンの兄弟で、こちらに来たばかりの時に親御さんに頼まれたんです。獣人ではなく蛇そのものですが、お兄ちゃんとしてアズもこの子を一緒に可愛がってあげてくれますか?」
「アズ、おにいちゃん?」
「そうです」
「うん。アズ、おにいちゃんなる!」
元気よく答えると大切そうに卵を撫でる。
家族に、母親に捨てられるなんてどれだけの辛さだろう。
成人しているならまだしもこの歳で、母親に甘えたい盛りの幼さでどれだけ悲しんだだろう。
12年という短い時間だったとはいえ、縁は両親の愛情をきちんともらった。
だが、アズはもっと短い。
だが、これからは自分たちがいる。
種族も違えば、寿命もちがう。
どれだけ時間があるか分からないし、たぶん縁が一番短い。
それでも精一杯愛してあげよう。
「こんな優しいおにいちゃんがいるならこの子も寂しくないですね」
「パパもいるからな」
「パパは俺だ。お前はこの卵の兄弟だろうがバカ」
まだ続いてたのか。
こんなに騒がしければアズも寂しいと感じる暇もないだろう。
「で……なんでしたっけ?えーと…そう、番がなんだかこんだか」
思い出したようで思い出しきれてない。
アズに卵を抱かせるとそのアズを抱き上げソファに戻る。
「番になるかならないかでしたっけ?断ったらどうなるんですか?」
獣人が相手を大事にするのは分かったが、縁からすればその相手が縁である必要があるのか?と思ってしまう。
セインには悪いが。
「……どうにもならない。普通の番であればどうにもならないが、運命の番に限ってはそうじゃなく最悪狂って死ぬ」
それはもはや脅迫ではないだろうか。
断ったらセインは死んでしまう?
怖い。怖すぎる。
こちらに来てからなぜ次々と他人の命を掴んでばかりいなければいけないのだろうか?
あの子たちなんか仕組んだりしてませんよね?
疑心暗鬼になってしまい、こちらに率先して送り込んだ2人を疑ってしまう。
「それって拒否権がないってことですよね?気に入らなくても受け入れなければいけないってことですか?」
「受け入れてもらえば一番良いが、もちろん相手にも拒否することはできる。相手のことなんて無視すればいい。獣人とは違って人間には相手を求める本能が薄いんだ。どこかしら惹かれることもあるかもしれないがそれだけで決めるには人間には難しい」
獣人であるがゆえに嗅覚が鋭く匂いで番が分かり、獣人であるがゆえに獣の本能で唯一人を求める。
「………」
重くないですか?
この世界の方みんな重くないですか?
こちらでは普通なんですかね。
「番ではなく今このままでいることはできないんですか?」
決してセインを奴隷と思ったことはないが、1人の家族として一緒に暮らしていくのではダメなのだろうか。
「……不可能、ではないかもしれないが、俺には無理だ。耐えられない」
「耐えられない?何がですか?」
「発情期」
「………アズ、今日は色々あって疲れたでしょう?お風呂に入ってもう休みましょうか」
危ない。危なかった。
まだ幼いアズに聞かせる話しではない。
「おふろ?」
お風呂が分からないらしく案内してやるが、見たことないものばかりで戸惑っていた。
奴隷は水に浸した布で体を拭くぐらいしかしないようだ。
どちらにせよ幼いアズを1人で入れられないと思っていたので、一緒に入ると頭を洗ってやり背を流してやる。
洗い終えると今度はアズが縁を洗うと言い出したので喜んで頼むのだった。
「…次また覗きをするようなら部屋から出しますからね」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
成人男性2人が土下座する姿。
一緒に入りたいと強請る男共にだが断固拒否し、諦めたかと思えば風呂の入り口で覗き。
なんて情けないんだろう。そこまで見たかったのだろうか。
2人にも入るように言うと縁はアズと卵を寝かしつける。
ガチャガチャという音と怒鳴り声が遠くの方で聞こえるので喧嘩しながらでもちゃんと入ってるのだろう。
ふわふわだと喜ぶアズと、隣に卵を置いてやれば守ってやるかのようにギュッと卵に抱きついた。
「では弟をお願いしますね、おにいちゃん」
「うん!」
おやすみなさいと言って頭を撫でてやれば、そう時間もかからず眠りについた。
やはり疲れていたのだろう。
腹を満たし、お風呂でホカホカの体にアズは満足そうな寝顔だった。
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