二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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私たちは家族です

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 「これがアズの鞄です。スノーはそこからでてはいけませんよ」

 「うん」
 「キュャー」

 親と一緒でスノーも話すことはできないが、こちらの言葉は理解してはいるらしくアズの鞄に大人しく入っている。
 ギルドに行く途中で買った小さめのショルダーバッグに、縁の服に隠れていたスノーを入れてやりアズに渡せば幼稚園児のようで可愛いかった。
 安全帽はなかったが、子ども用の小さな帽子を買ってやれば一見ただの人間の子どもにしか見えない。

 「セインは護衛の時は何か持って行ってたりしたんですか?」

 「何も。と言うか持たせてもらえない。奴隷に武器なんて持たせて自分たちが攻撃されても困るしな。防具なんかに金かけるなら奴隷自体を買い換えた方が早い」

 「………」

 言葉もない。
 言い方は悪いが、こちらでは人間はかなり最悪なようだ。
 そのままギルドに向かい採取した薬草を渡すと、約束の報酬を貰った。
 時間はまだあったが生まれたばかりのスノーがいるため早めに宿に帰ることにする。

 「では、アレンとセイン。これが今日の依頼の報酬です。3等分したので君たちにも」

 「え?」
 「は?」

 「アズは私と半分にしましょうね。今日買った鞄に入れておくので絶対なくさないように」

 「うん!」

 自分の物が増えていくのが嬉しいのか、何度も鞄の中身を見てはニコニコしている。

 「いや、いやいやいや。待て縁」

 「奴隷に金って、おかしいだろ」

 奴隷なんかに渡す必要はないと返そうとする2人に、だが縁は首を横にふる。
 確かにこちらの世界では奴隷に厳しく、一生タダ働きなんてこと珍しくはないのだろう。
 でも縁は違う。

 「アレンにセイン、それにアズ。確かに3人は私の奴隷ということになっていますが、それは君たちを守るためにそうしているだけです。私は3人を奴隷だなんて思ってないし、大切な家族だと思ってます。今回の仕事だって4人で協力して4人で達成しました。まだ初めたばかりで金額は少ないですが、それでもみんなで分けることに私は嫌だなんて思わないし、これからもそうしていきますよ」

 本来ならアズを含め4等分してもいいのだが、幼いアズにそこまで預けることは不安だったため縁と半分ということした。

 「………」
 「………」

 今までなかったことに困惑しているのだろう。
 手の平に乗せられた数枚の銀貨を見つめたまま動かない。
 戸惑う2人の手を掴むとそっと握る。

 「言ったでしょう?私の番になってくださいって。奴隷ではなく、物でもなく、使用人でもなく、私の家族に、番になってくーー」

 「ありがとう」
 「すげぇうれしい」

 ギュッと抱き込まれれば震えたような声でそう言われた。
 これからも一緒に生活していく上で、3人が何か欲しいものがあった時に自分が奴隷だと、縁を気にして諦めることはしてほしくなかった。

 「アズ、アズも!アズもする!」

 抱き合う縁たちに、アズも入りたいというので縁がアズを抱っこしてやり、その縁たちに2人が抱きつく。

 「3人とも私のーーひゃっ!?…って、スノー。そうですね、スノーもみんなも私の大切な家族です」

 「あぁ」
 「そうだな」
 「うん」
 「キュー」

 足から肩に乗ってきたスノーも嬉しそうに頰に擦り寄ってくる。
 
 「そういえば…ずっと聞こうと思ってたんですが、3人は何歳なんですか?私は16歳です」

 「……かなり今更じゃないか?」

 「俺はたぶん29だな。森で拾われてからだから正確には覚えてないけど」

 アレンは拾われてるまでの記憶が曖昧らしく、覚えてる限りで数えて29歳らしい。
 アズは自身では分からないらしいが、見た目からして2,3歳だろう。

 「俺、は……36」

 どうしたのだろう?
 セインの元気がない気がする。

 「あ~、その、縁からしたら……おじさんだろ」

 歳が離れているのを気にしているらしい。
 だが縁からすれば逆にみんな若い。
 身体は確かに16と若いが、中身はおじさんどころかおじいちゃんの域なのである。

 「セインが年齢を気にしてしまうのは私のせいですね。気にしないでくれというのは無理かもしれませんが、私は本当に気にしてませんし、むしろ私の好みはかなり年上なのでセインが私好みで嬉しい限りです」

 元の年齢からいって年下より年上の方が縁は一緒に居て落ち着く。
 それに獣人は人間に比べ、かなりの長寿らしい。
 縁が寿命で死ぬ頃にはセインも一緒か、もしくは縁が先に逝くだろう。
 そんなことでセインに気にしてほしくない。
 そのままのセインが、今のセインが好きだと伝えれば嬉しそうに頰にキスをくれた。

 「俺も縁が縁で嬉しい」

 「俺だって!ーーっていうか、お前なにさりげなく縁に触ってんだよ。縁、俺も、俺のことも好きだよな?な?」

 必死に縋り付いてくるアレンが可愛い。

 「もちろんアレンも好きですよ。あとアズとスノーももちろん」

 そう言ってアレンたちにも頰にキスを贈れば満足そうだった。
 ちょっと単純すぎではないだろうか。

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