二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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出会いは突然

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 それから数日、風呂場でアレンとセインに交互に身体を慣らされながら過ごした。
 怪我もようやく治り、では仕事を!と意気込んだが今度はサッズに止められてしまう。

 「なぜですか?」
 
 自分も早く仕事をしたいと言えば薬草を摘んできて欲しいと頼まれた。

 「アンタなら場所分かるよね?そんなに量はいらないから頼んでいい?」 

 そういうことならお安い御用だと早速出掛けようとしたが、1人じゃ崖を登れないだろうと慌てて止められた。
 
 「お頭連れてって。今日は非番だから」

 「お休みなら連れて行かないほうがいいのでは?」

 せっかくの休みを縁のお守りみたいなまねさせられないと言ったが、サッズは首を振る。

 「どうせ放っておいても仕事しちゃうから外に連れだして。アンタには悪いけどお頭の気分転換に付き合ってあげてよ」

 どうやら休みでも仕事をしてしまうジークに、見かねたサッズが無理矢理でも連れ出してほしいと言う。
 最近は昔ほど無理をしなくなったようだが、それでも目につけば手を出してしまうのは染み付いた習慣の名残か、元々の優しい性格故か。
 どちらもかしれないないが、その気分転換の相手が縁なんかでいいのだろうか。

 「俺たちみたいな暑苦しいヤロー相手より全然いいでしょ」

 「私もそのヤローなんですけど」

 「アンタは別」

 なぜ縁は別なのだろう。
 ………胸元を見る。

 「……頑張って筋肉つけますね」

 「は?ダメダメダメ!なに勘違いしてのかわかんないけど、女みたいに貧弱だって言ってるわけじゃねえから。アンタはそのままでいい!」

 そこまで思ってないんですが……
 子ども扱いでもされているのかと頑張ろうと思っただけなのだが、意外にも強く反対された。
 
 「なんでそれで筋肉の話しになるかな?(お頭にとって特別だってなんでわかんないかな?)」

 「?私もみなさんみたいにカッコイイ筋肉ほしいなって」

 「カッコイイ?暑苦しいのまちがいでしょ?まぁ、カッコイイって言ってくれるのは、その…うれしいけど…」

 照れているのか頰が赤くなるサッズ。

 「でも……筋肉」

 私も欲しい。
 サッズたちに比べれば昔の身体でも劣るが、今なら尚更筋肉が欲しい。

 「いらないからっ!これ以上暑苦しいヤツ増やーー」

 「サッズ?なにしてんだ?」

 サッズと漫才を繰り広げていえば、ちょうど通りかかったジークが寄ってくる。

 「あ、お頭いいところに!筋肉が…ってちがう!筋肉はどうでもよくて、エニシと薬草取りに行っきてくださいよ」

 「なんだ筋肉って?まぁ、いいか。それなら俺が行ってくるからお前はーー」

 「ダメ!2人で行って!。エニシが気分転換したいって言ってたから」

 いつの間にかジークの気分転換が、縁の気分転換に変わったらしい。
 素直に聞かないジーク相手ならその方がいいのだろうが。

 「そうなのか?」

 「そうみたいです。薬草なら取っておいて損はないでしょうしお願いできますか?」

 「みたいってなんだよ。……まぁどうせすることねぇしな。いいぞ」

 縁の反応から誰の差し金か気づいたらしい。
 チラリとサッズを見るが、彼なりの気遣いだと思ったのか素直に了承してくれた。
 縁自身ここにいることに不満も息苦しさもないのだが、たまには外に出てみたいと思っていたのでちょうどいい。

 「では行きましょう!アズはーー」

 「アイツなら他のガキたちと遊んでたぞ」

 ここに来るまでに見かけたらしい。
 ならば邪魔してやることはないと、そのまま行こうとしたが足に何か触れる気配がした。

 「ん?…あ、スノーでしたか。アズと一緒にいなくていいんですか?」

 いつも一緒だとばかり思っていたが、友達と遊ぶのに夢中なアズに置いてかれたらしい。
 足元から首まで這い上がってきたスノーは縁の首に巻きつくとスリスリと頰に擦り寄ってくる。
 1人(1匹?)にしてごめんなさいと頭を撫でてやる。

 「なら3人で行きましょう。後ででいいのでアズたちに伝えておいてもらえますか?」

 「いいよー。いってらっしゃ~い」

 サッズに伝言を頼み、ジークを連れて隠れ家を後にした。

 「で?筋肉ってなんの話しだ?」

 「うん?……あぁ、私もみんなさんみたいなカッコイイ筋肉がほしいなって言ってたんです」

 「……やめとけ」

 何故みんな同じような反応するんでしょう?
 今の縁の容姿的に「それはない!」という反応も、本人は意外にカッコイイのでは?と思ってたりする。

 「やはり食べる量ですかね?私の場合食べすぎるとお腹を壊してしまうみたいでそんなに食べられないんですよ」

 「………」

 「それとも食べものですかね?みなさんお肉をよく食べてますけど私ももっとお肉を食べるべきーー」

 「……着いたぞ」

 どうすれば筋肉をつけられるか悩む縁にジークの呆れ顔は見えてなかった。
 崖を登り終え腕から下ろしもらったが、縁の筋肉欲しい欲は止まらない。

 「今はアズぐらいなら運べますがアレンたちも運べるくらいに私もなりたいんですよ。やはり運動ですかね?毎日走り込みでもすればーー」

 「どっちだ?」

 「あ、こっちです。ジークはどうやってその胸板を作り上げたんですか?なにか秘訣があったりするんですか?それ相応の運動を?」

 「ねぇよ」

 歩きながらもどうすれば理想の筋肉に?とジークに意見を求める。

 「そうでしょうそうでしょう。見た感じ鍛えてできたというより自然にできた感じです。ということは、やはり日常の中での動きが作り上げる秘訣ということにーー」

 「おい、ここは?」

 「うん?……ここどこですか?」

 「……俺が聞いてるんだが」

 止まらない筋肉欲に適当に返事をしていたのが悪かったらしい。
 気づけば縁の見知らぬ道?に出ていた。
 道と言っても森の中なのでもちろん獣道(道という道ではない)であるのだが。

 「これは……ちょっと休憩しましょうか」

 迷子になったらその場から動くな!という教えではなく、夢中でずっと話しながら歩いていた縁は、気づけばかなりの体力を消耗していたのであった。

 「………そうだな」

 呆れて何も言えないというのはこういうことかとジークはその時初めて理解したのであった。



 

 
 


 
 

 
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