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どうしよう
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無事アズを見つけ出すことが出来、時間も時間のため町には行かず隠れ家に帰ることにした。
「これ、アズとったの」
差し出された手の平にはアレンたちと探していた薬草がのっており、握りしめていたのか茎が少し折り曲がっていたが礼を言い受け取る。
「ありがとうございます。ちゃんと鞄に入れておいたんですね」
「スノーがいれろって」
今更だがスノーをアズに任せておいて良かった。
迷子になったのは心配だったが仲間がいるのといないのとでは気持ちの持ちようがきっとちがうだろう。
「そうですか。スノーもありがとうございました。2人が無事で安心しました」
本当に無事で良かった。
いないと分かった時は顔が青ざめ、血の気が引いたものだ。
それでも混乱しなかったのはアレンがいてくれたからだ。
アレンがすぐにアズの匂いを辿ってくれ、石や木の根に躓き転びながらもあの場所に辿り着いた。
「アズもスノーもえらかったな。けど縁が心配するからまり離れるなよ」
「うん」
「キュァ」
それから隠れ家に戻るとお互い汚れていたということで風呂に入り汚れを洗い終えると食事を済ませ、今日は早めに就寝することにしたのだった。
「アズきょうママとねていい?」
「えぇ、もちろん」
アズを抱き上げればそのままベッドに入る。
色々あって疲れたのだろう数分と経たない内に腕の中で寝息を立て始めたアズにホッとすると、一度ギュッと抱きしめてやりベッドから離れる。
「縁?」
「どうした?」
今日はそのまま寝ると思っていたのだろう不思議そうな顔をするアレンたちの手を掴むとソファーに腰掛ける。
「……怖かった」
震える手で抱きつけばアレンも抱きしめ返してくれる。
後ろからはセインも抱きしめてくれ、やっと安心することができた。
「大丈夫だ。見ただろ?元気に泣いてた」
「怪我も膝を少し擦りむいたぐらいだし、アレンのおかげですぐ見つけられたんだろ?」
分かっている。
分かってはいるが心が落ち着かなかったのだ。
もし泣いていたら?
もしあの凶暴な兎に襲われていたら?
もし動けないほどの大怪我をしていたら?
もし……死んでしまっていたら?
怖くて仕方がなかった。
今まではそんなに魔物に遭遇することはなかったが、それも今までの話しだ。
いつどこから襲ってくるか分からない魔物に、アレンたちや縁ならまだしもまだ幼いアズが1人でどうにかできるわけがない。
もし何かあったらと最悪を考える縁にアレンが手を握ってくれていなかったら、怖くてきっとその場から動くことができなかっただろう。
「びっくりしたな。でもちゃんと生きてる」
そう。ちゃんとアズを見つけることができ、無傷とは言わないが無事生きて帰ってくることが出来た。
大丈夫……大丈夫だ。
耳元で聞こえるアレンの心音と背中に感じるセインの心音が心地いい。
「けど、あれだな」
「はい?」
「アズはママママばっかりだな。俺もセインもパパって呼んでもらったことほとんどないぞ」
「確かに。というかお前はほとんどが呼び捨てだろ」
「は?それならお前はいつまでたってもセイおにいちゃんじゃねぇか。パパどころか兄貴なんて笑えるな」
「うっせぇ!」
どうしてこうなったのだろう?
いつの間にか、俺もパパと呼ばれたいと言い争いをしている。
あとセイン声が大きいです。アズが起きちゃう。
「だいたいアズだってパパが2人もいるから呼びにくいんだろ。お前はそのまま名前で呼ばれてろ!」
「あぁ?お前がそのままでいいんだろ。俺がパパだ!」
「俺だ!」
「いや俺だ!」
なんと下らない言い争いだろうか。
それなら縁だってアズにパパと呼ばれてもいいのでは?と言ってみればダメだと2人に即答されてしまう。
なぜ!
「縁はママだ」
「ママしかないだろ」
「………」
意味が分からない。
ママしかないって……なんで?
「2人がママをやればいいじゃないですか」
「やだ!」
「ダメだ!」
それはダメらしい。
「なら私も名前をーー」
「「ダメだ!」」
それもダメなのか。
訳を聞いてみればーー
「番の俺たち以外が縁の名前を呼ぶのはいやだ」
その理屈で言えばここの住人のみなさんはアウトだと思うのだが。
「意味を分かって呼んでるわけじゃないだろ。それにアズだってもうママとしか呼べないと思うぞ」
「そう…ですかね?」
「「そうそう」」
なぜそういう時だけ息ピッタリなんですか。
「なら2人ももう名前呼びでいいじゃないですか」
「「………」」
なぜそこは納得しないのだろう。
「どっちでもいいですけどね。アズに何て呼ばれていても私にとっては2人とも大切な番には変わりないんですから」
大事な大事な番。
こうして縁が不安な時はギュッと抱きしめてくれる。
前世では諦めていた温もりが今は手を伸ばせば目の前にあり、全力で縁を愛してくれている。
「俺も」
「俺にとっても縁は何より大切だ」
こちらに来てから怖いことは何度もあったが、それでも2人に会えたことを思えば後悔はない。
「ではもう寝ましょうか」
下らない喧嘩によって落ち着いた心は今はとても穏やかでもう安心して眠ることができるだろう。
アズを抱きしめ2人にお休みなさいと言えば、そんな縁を2人が抱きしめてくれるのだった。
「これ、アズとったの」
差し出された手の平にはアレンたちと探していた薬草がのっており、握りしめていたのか茎が少し折り曲がっていたが礼を言い受け取る。
「ありがとうございます。ちゃんと鞄に入れておいたんですね」
「スノーがいれろって」
今更だがスノーをアズに任せておいて良かった。
迷子になったのは心配だったが仲間がいるのといないのとでは気持ちの持ちようがきっとちがうだろう。
「そうですか。スノーもありがとうございました。2人が無事で安心しました」
本当に無事で良かった。
いないと分かった時は顔が青ざめ、血の気が引いたものだ。
それでも混乱しなかったのはアレンがいてくれたからだ。
アレンがすぐにアズの匂いを辿ってくれ、石や木の根に躓き転びながらもあの場所に辿り着いた。
「アズもスノーもえらかったな。けど縁が心配するからまり離れるなよ」
「うん」
「キュァ」
それから隠れ家に戻るとお互い汚れていたということで風呂に入り汚れを洗い終えると食事を済ませ、今日は早めに就寝することにしたのだった。
「アズきょうママとねていい?」
「えぇ、もちろん」
アズを抱き上げればそのままベッドに入る。
色々あって疲れたのだろう数分と経たない内に腕の中で寝息を立て始めたアズにホッとすると、一度ギュッと抱きしめてやりベッドから離れる。
「縁?」
「どうした?」
今日はそのまま寝ると思っていたのだろう不思議そうな顔をするアレンたちの手を掴むとソファーに腰掛ける。
「……怖かった」
震える手で抱きつけばアレンも抱きしめ返してくれる。
後ろからはセインも抱きしめてくれ、やっと安心することができた。
「大丈夫だ。見ただろ?元気に泣いてた」
「怪我も膝を少し擦りむいたぐらいだし、アレンのおかげですぐ見つけられたんだろ?」
分かっている。
分かってはいるが心が落ち着かなかったのだ。
もし泣いていたら?
もしあの凶暴な兎に襲われていたら?
もし動けないほどの大怪我をしていたら?
もし……死んでしまっていたら?
怖くて仕方がなかった。
今まではそんなに魔物に遭遇することはなかったが、それも今までの話しだ。
いつどこから襲ってくるか分からない魔物に、アレンたちや縁ならまだしもまだ幼いアズが1人でどうにかできるわけがない。
もし何かあったらと最悪を考える縁にアレンが手を握ってくれていなかったら、怖くてきっとその場から動くことができなかっただろう。
「びっくりしたな。でもちゃんと生きてる」
そう。ちゃんとアズを見つけることができ、無傷とは言わないが無事生きて帰ってくることが出来た。
大丈夫……大丈夫だ。
耳元で聞こえるアレンの心音と背中に感じるセインの心音が心地いい。
「けど、あれだな」
「はい?」
「アズはママママばっかりだな。俺もセインもパパって呼んでもらったことほとんどないぞ」
「確かに。というかお前はほとんどが呼び捨てだろ」
「は?それならお前はいつまでたってもセイおにいちゃんじゃねぇか。パパどころか兄貴なんて笑えるな」
「うっせぇ!」
どうしてこうなったのだろう?
いつの間にか、俺もパパと呼ばれたいと言い争いをしている。
あとセイン声が大きいです。アズが起きちゃう。
「だいたいアズだってパパが2人もいるから呼びにくいんだろ。お前はそのまま名前で呼ばれてろ!」
「あぁ?お前がそのままでいいんだろ。俺がパパだ!」
「俺だ!」
「いや俺だ!」
なんと下らない言い争いだろうか。
それなら縁だってアズにパパと呼ばれてもいいのでは?と言ってみればダメだと2人に即答されてしまう。
なぜ!
「縁はママだ」
「ママしかないだろ」
「………」
意味が分からない。
ママしかないって……なんで?
「2人がママをやればいいじゃないですか」
「やだ!」
「ダメだ!」
それはダメらしい。
「なら私も名前をーー」
「「ダメだ!」」
それもダメなのか。
訳を聞いてみればーー
「番の俺たち以外が縁の名前を呼ぶのはいやだ」
その理屈で言えばここの住人のみなさんはアウトだと思うのだが。
「意味を分かって呼んでるわけじゃないだろ。それにアズだってもうママとしか呼べないと思うぞ」
「そう…ですかね?」
「「そうそう」」
なぜそういう時だけ息ピッタリなんですか。
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「「………」」
なぜそこは納得しないのだろう。
「どっちでもいいですけどね。アズに何て呼ばれていても私にとっては2人とも大切な番には変わりないんですから」
大事な大事な番。
こうして縁が不安な時はギュッと抱きしめてくれる。
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「俺も」
「俺にとっても縁は何より大切だ」
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