二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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ほどほどに

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 結局朝方まで離してくれなかったジークにより、またもや動けなくなった縁だが昼過ぎには手を借りれば起き上がれるほどには回復していた。
 本当は回復薬を飲もうとしたのだが、ジークに「俺が世話できなくなるだろ」と意味が分からないことを言われ断念したのだ。
 動くこともできず、することもないため縁は鞄の中身でも整理しようとして事件が起きた。
 もう何を入れておいたか忘れてしまったため、ならば全部出してしまえと「中身を全部出して下さい」と鞄に語りかければ、それまで眠っていた神さまたちからの贈り物の数々がベッドの上と言わず、部屋の床を覆いつくさんばかりに出現したのだった。

 「「………」」

 咄嗟にジークが抱き上げてくれたため何とか無事だったが、でなければ下敷きにされていただろう量だった。
 あまりの光景に2人して無言になるが、先に我に返ったらしいジークに頭を小突かれた。

 「お前はまた……」

 「……すいません?」

 これも縁のせいなのだろうかと疑問形になってしまう。
 あの神さまたちはかなり縁を心配してくれていたようだ。
 たくさんの食料やお金、着替えや石鹸などといった日用品まであり、他にも絶対縁には無理だろうと思える大きな剣や盾、弓に防具らしきものまであった。

 「あ、懐かしい」

 足元に転がっていた棒をとってもらえば日本でも所持していた警棒だった。

 「懐かしい?お前いったいーーばっ!」

 「え?わーー」

 「わーじゃねぇよ!なんだその棒!」

 懐かしさにブンと軽く振ってみれば、直後棒の先から火花が散った。
 一部黒くなった岩壁にジークは何事だと驚いていたが、縁はあれ?なんで炎が?と首を傾げる。
 見た目は明らかに縁の知る警棒なのだが、恐ろしい改造でもされてしまっているのか先端から出る炎に「あ、これならマッチがいらないのでは?」とか思ってしまった。

 「すごいですね。まぁ、暫くは使わないでしょうからしまっておきましょう」

 「……そうか」

 足の踏み場もない状態のため、とりあえず直ぐに使わないであろうものは片っ端から鞄に戻していく。

 「着替えも今はいいですし、お金もいいですね。あ、そうだジーク」

 「ん?」

 呆れたように見てくるジークを振り返れば、転がる武器たちを指差す。

 「使えそうな武器があれば選んで下さい」

 「お前……また怪我したいのか?やめとけ」

 「は?いえ、私じゃなくてジークのです」

 縁だってこれらの武器使いこなせる気は全くしない。
 逆に自分を傷つけるしかできなさそうなものを好き好んで持つ趣味もなかった。
 
 「は?」

 「アレンたちにはもう持たせていますが、ジークにはまだだったでしょう?ついでに防具なんかも使えそうなものがあればーー」

 「こんないい武器もらえるわけねぇだろ」

 遠慮するジークに縁は気にすることなく近くの武器を持ち上げようとし……ダメだった。
 重い。

 「この通り私には持つことすら無理そうなのでジークが使って下さい。いい武器というぐらいならジークの方が有効活用できるでしょう?それにーー」

 「?」

 「ジークのためというより私のためです。危なっかしい番を守るためにジークが使って下さい」

 「………」

 自覚はないが皆に心配される縁に、ならばそれで守ってくれと言えばジークは呆れながらも苦笑いして選び始めた。
 それで納得されるのも微妙なところではあったが。

 「私も何か持った方がいいですかね?」

 「やめとけ怪我すんぞ」

 ですよねー。
 ……落ち込んでなんかいませんよ。
 少し…そう、少し拗ねてるだけです。

 「お前は、あーそうだな。この小刀ぐらいならいいんじゃないか?」

 武器を選ぶジークが差し出してきたのは日常でも使えそうな小さな小刀だった。
 両手に収まる程の大きさで、ハサミがないこちらでは持っておいて損はないだろう。

 「いいですね。これなら腰周りにでも差しておけます」

 「だな。……俺はこれにすっかな」

 そう言うジークが選んだのは双剣で、しかし縁が持つには1本が限界というぐらいの大きさだった。
 それを2本。片手に1本ずつ持つジークはブンブンと軽々振り回している。

 「すごいですね」

 「あぁ。刃がこんだけあんのに軽いのはすげぇ」

 いや、そこではないのだが。
 ジークが軽い軽いと振り回している1本でさえ縁にはやっとなのに……
 それでも納得できるものがあったのなら良かったと、防具も選んでもらい他は片付けることにした。

 「ジークはいつも動物を狩る時どうしているんですか?」

 今まで武器を持っているところを見たことがないため聞いてみれば、弓という答えに何となくホッとした。
 拳と言われたら笑ってしまいそうだった。
 その大きい体躯に人を殴り殺せそうだと思ってしまったため、拳が武器と言われても似合うと思ってしまう。

 「……あ、コレ」

 「ん?魔石か?」

 ませき?真石?……なるほど魔石らしい。

 「で、魔石ってなんですか?」

 「………知ってて持ってたんじゃねぇのかよ」

 申し訳ない。
 知らずに持ってました。

 「スノーのお母さん?が亡くなる時に落としていったんです」

 なので知らないと言えばジークも漸く納得した。

 「魔石っつーのは魔力が詰まった石だな。まぁ魔力の塊だな」

 「へぇー」

 「………」

 「………」

 あ、これはバレてますね。興味がないの。
 というのも魔力というのもよく分かってなかった縁には、珍しい石なんだなぁぐらいであった。

 「えーと……そうですか。ではこれは形見なのでスノーにはこれで何か…飾り?でも作ってあげてもいいですかね?」

 「……いいんじゃねぇか?」

 もう好きにしろとばかりに溜め息をつくジークに、スノーが着けるには何がいいか考える縁であった。
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