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バカ
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「魔族の方って苦手な食べ物あったりするんでしょうか?」
そう聞かれた瞬間思ったのが「こいつバカなのか?」だった。
誘拐犯にそんな聞くバカがいるだろうか?
あぁ、ここにいたな。
攫われたと理解しているくせに泣きも叫びもせず、魔族と知ってからもこの反応だ。
うるさくないのは助かるが、今までにない反応に苛立つ。
「なに?アンタそんなにオレらのことバカにしてんの?殺すよ?」
さっきから何だと言うんだ。
苦手なものはなんだの、危険なものはなんだとそれをいま聞いてくる意味が分からない。
知ったところでどうなると言うのか。
「何を怒られているか分かりませんが、先程話した私の子どもが魔族なので何か注意すべきことがあれば教えてもらえたらなと思ったのですが……」
「はぁ?」
魔族?子どもが?
何言ってんだコイツ。
「えーと、私も知らずに引き取ったんですが歳が歳なので子育てもしたことがなく、誰かに聞こうにも知っていそうな知り合いもいないので出来れば教えていただければと」
引き取った?知らずに?
聞く人間がいない?当たり前だ。
そんなこと教えてくれる人間いるわけない。
「アンタさ、それ本気で聞いてんの?」
「え?冗談で聞く人いるんですか?」
「………」
んなヤツいるわけねぇだろ!
あぁイライラするっ。
会話してるようで話しが噛み合っていない。
「今この状況でそんなこと考えてるバカ見たことねぇし、そんなこと聞いてくるバカ聞いたことねぇし、そもそもそんなことオレに聞くアンタはバカでかしねぇよ」
「……すいません」
なんでそこで落ち込むんだよ!
さっきまでバカみたいにバカなこと聞いてきた勢いはどこにいったんだよ。
「はぁー、アンタそのガキどうする気なの?」
「どうする?……別に、何も?元気に育ってくれればなぁと」
それが本心なのか本当に不思議な顔をしている。
元気にねぇ……
「……名前」
「名前?あぁ子どもですか?アズライトと言うんですが私はアズとよーー」
「はぁぁ!?マジかよ!」
聞き覚えのある名にまさかと思った。
「目は赤か?髪は?歳は?」
確かめずにはいられなかった。
もしかしたらーー
「目は赤ですね。髪は白で、歳ははっきりとは分かりませんが3歳ぐらいだとーー」
「マジか!?今どこ!」
見つけた!
今すぐに会わなければ。
逸る気持ちに男を急かすが、不思議そうに首を傾げている。
早く教えろよ!
苛立ち懐からナイフを取り出すと男を押し倒し馬乗りになる。
顔のすぐ横にナイフを突き立てれば驚いたような表情に肩まで伸びていた髪が数本パラパラと散った。
「早くっ、言えよ!」
「何をだ?」
「あ?」
誰の声だと振り向こうとして、その瞬間弾き飛ばされた。
壁に叩きつけられるほどの威力と脇腹の痛みに蹴り飛ばされたのは分かったがあまりの痛みに起き上がることができない。
「セイン、アレン、ジーク!」
嬉しそうなその声になんとか顔を起こせば、見知らぬ大柄の獣人が3人立っていた。
興奮するあまり警戒を怠っていた。
後ろには倒れた仲間たちの姿に負けを悟る。
だがーー
「動くなっ、コイツがどうなってもいいのか?」
気力だけで立ち上がると男を人質に獣人たちの動きを止める。
「「「縁っ!?」」」
睨むようにこちらを見てくる獣人たちをナイフを首に当てることで押しとどめる。
仲間はやられたようだが全てが終わったわけではない。
まだ聞き出したいこともあると男を引きずりながら入り口に向かうと叫ぶような声に動きを止めた。
「ママっ!」
「アズ!?なんでここに!」
一番大きな獣人の背中から現れたその姿に息が止まった。
いた!見つけた!
「アズライト!」
もういらないと男を突き飛ばすとアズライトに駆け寄る。
「ママっ、こないで!」
「ぐっ!」
その途端激しい魔力の塊に吹き飛ばされ床に押し付けてられる。
徐々に重くなるそれに膝もついていることができず、崩れ落ちればさらに威力が強くなる。
「アズ!やめなさい!」
「やだ!ママのこといじめた!」
自分の知るその声は明らかにこちらを敵視しており、やっと会えた喜びが萎んでいく。
「アズっ!!」
「なんで?ソイツママのこといじめたもん。いじめはダメってママいったもん!」
潰される身体にすでに力は入らず意識も遠のいていく。
やっと会えたのな……
「アズお願いだからやめて下さい。私は大丈夫だから。ね?ほらおいで」
「ママっ!」
パタパタと走りぬける音とともにそれまでの全身への圧迫感が消えた。
急激に入ってくる空気に咽せ咳き込んでいれば、再び床に押し付けてられる。
「くそっ、離しやがれ!」
「バカか?離すわけねぇだろ」
「楽に死ねると思うなよ」
「狙う相手を間違えたな」
冷たく見下ろす3人に睨み返すが明らかに結果は目に見えている。
それでも諦めきれず力の限り暴れるが多勢に無勢。
体格も力も劣る自分が3人に勝てるわけがない。
「くそっ!」
やっと会えたのに。
「アレンやめて下さい」
「なんで!」
「その方はたぶんアズのお兄さんです。ですよね?」
アズライトを抱きしめ、にこりと微笑む姿に驚きを隠せなかった。
そう聞かれた瞬間思ったのが「こいつバカなのか?」だった。
誘拐犯にそんな聞くバカがいるだろうか?
あぁ、ここにいたな。
攫われたと理解しているくせに泣きも叫びもせず、魔族と知ってからもこの反応だ。
うるさくないのは助かるが、今までにない反応に苛立つ。
「なに?アンタそんなにオレらのことバカにしてんの?殺すよ?」
さっきから何だと言うんだ。
苦手なものはなんだの、危険なものはなんだとそれをいま聞いてくる意味が分からない。
知ったところでどうなると言うのか。
「何を怒られているか分かりませんが、先程話した私の子どもが魔族なので何か注意すべきことがあれば教えてもらえたらなと思ったのですが……」
「はぁ?」
魔族?子どもが?
何言ってんだコイツ。
「えーと、私も知らずに引き取ったんですが歳が歳なので子育てもしたことがなく、誰かに聞こうにも知っていそうな知り合いもいないので出来れば教えていただければと」
引き取った?知らずに?
聞く人間がいない?当たり前だ。
そんなこと教えてくれる人間いるわけない。
「アンタさ、それ本気で聞いてんの?」
「え?冗談で聞く人いるんですか?」
「………」
んなヤツいるわけねぇだろ!
あぁイライラするっ。
会話してるようで話しが噛み合っていない。
「今この状況でそんなこと考えてるバカ見たことねぇし、そんなこと聞いてくるバカ聞いたことねぇし、そもそもそんなことオレに聞くアンタはバカでかしねぇよ」
「……すいません」
なんでそこで落ち込むんだよ!
さっきまでバカみたいにバカなこと聞いてきた勢いはどこにいったんだよ。
「はぁー、アンタそのガキどうする気なの?」
「どうする?……別に、何も?元気に育ってくれればなぁと」
それが本心なのか本当に不思議な顔をしている。
元気にねぇ……
「……名前」
「名前?あぁ子どもですか?アズライトと言うんですが私はアズとよーー」
「はぁぁ!?マジかよ!」
聞き覚えのある名にまさかと思った。
「目は赤か?髪は?歳は?」
確かめずにはいられなかった。
もしかしたらーー
「目は赤ですね。髪は白で、歳ははっきりとは分かりませんが3歳ぐらいだとーー」
「マジか!?今どこ!」
見つけた!
今すぐに会わなければ。
逸る気持ちに男を急かすが、不思議そうに首を傾げている。
早く教えろよ!
苛立ち懐からナイフを取り出すと男を押し倒し馬乗りになる。
顔のすぐ横にナイフを突き立てれば驚いたような表情に肩まで伸びていた髪が数本パラパラと散った。
「早くっ、言えよ!」
「何をだ?」
「あ?」
誰の声だと振り向こうとして、その瞬間弾き飛ばされた。
壁に叩きつけられるほどの威力と脇腹の痛みに蹴り飛ばされたのは分かったがあまりの痛みに起き上がることができない。
「セイン、アレン、ジーク!」
嬉しそうなその声になんとか顔を起こせば、見知らぬ大柄の獣人が3人立っていた。
興奮するあまり警戒を怠っていた。
後ろには倒れた仲間たちの姿に負けを悟る。
だがーー
「動くなっ、コイツがどうなってもいいのか?」
気力だけで立ち上がると男を人質に獣人たちの動きを止める。
「「「縁っ!?」」」
睨むようにこちらを見てくる獣人たちをナイフを首に当てることで押しとどめる。
仲間はやられたようだが全てが終わったわけではない。
まだ聞き出したいこともあると男を引きずりながら入り口に向かうと叫ぶような声に動きを止めた。
「ママっ!」
「アズ!?なんでここに!」
一番大きな獣人の背中から現れたその姿に息が止まった。
いた!見つけた!
「アズライト!」
もういらないと男を突き飛ばすとアズライトに駆け寄る。
「ママっ、こないで!」
「ぐっ!」
その途端激しい魔力の塊に吹き飛ばされ床に押し付けてられる。
徐々に重くなるそれに膝もついていることができず、崩れ落ちればさらに威力が強くなる。
「アズ!やめなさい!」
「やだ!ママのこといじめた!」
自分の知るその声は明らかにこちらを敵視しており、やっと会えた喜びが萎んでいく。
「アズっ!!」
「なんで?ソイツママのこといじめたもん。いじめはダメってママいったもん!」
潰される身体にすでに力は入らず意識も遠のいていく。
やっと会えたのな……
「アズお願いだからやめて下さい。私は大丈夫だから。ね?ほらおいで」
「ママっ!」
パタパタと走りぬける音とともにそれまでの全身への圧迫感が消えた。
急激に入ってくる空気に咽せ咳き込んでいれば、再び床に押し付けてられる。
「くそっ、離しやがれ!」
「バカか?離すわけねぇだろ」
「楽に死ねると思うなよ」
「狙う相手を間違えたな」
冷たく見下ろす3人に睨み返すが明らかに結果は目に見えている。
それでも諦めきれず力の限り暴れるが多勢に無勢。
体格も力も劣る自分が3人に勝てるわけがない。
「くそっ!」
やっと会えたのに。
「アレンやめて下さい」
「なんで!」
「その方はたぶんアズのお兄さんです。ですよね?」
アズライトを抱きしめ、にこりと微笑む姿に驚きを隠せなかった。
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