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「……なんで分かった?」
「なんとなく、としか言えませんが。目元が似ていたのとアズを見て嬉しそうだったので」
驚きこちらを見る姿はどこか幼く見えた。
アズを見て真っ先に駆け寄ろうとしたということは知り合いであることは確実で、幼い頃に捨てられたはずの名前を知っているということは家族である可能性が高い。
その中で見た目の年齢から考えて当てはまるのはアズの兄という可能性だった。
「アズをずっと探していたんですか?」
「母上がいきなりやってきてアズライトは捨てたって聞かされて……」
ということはアズを捨てたのは母親の独断だったのだろう。
ある日いきなり弟はもういないと言われれば、それは誰でも探し回るだろう。
捨てた本人以外は。
「そうでしたか。でも無事会えて良かったです。アズ?ほら、アズのお兄さんですよ」
「やっ、しらない!アズのママはママだけだもん」
よほど縁を傷つけようとしたのがショックだったのだろう。
目を合わせるどころか見ようともしないアズに男も悲しそうだった。
「大丈夫、大丈夫です。で、お兄さんはお名前はなんていうんですか?」
「……エルビス」
俯き答えた声は今にも消えそうなほど小さかった。
未だに抱きついて離れないアズの背を撫でながら、安心させるようにギュッと抱きしめてやる。
「ママあぶないってパパいったの。アズもママのとこいくっていったの」
「こんな危ないことしてほしくなかったですが、それだけ心配してくれたのは嬉しいです。ありがとうございますアズ」
連れてきたことは褒められないが、そこまでして縁を助けようとしてくれたのは素直に嬉しかった。
大丈夫大丈夫と撫でてやれば、漸く落ち着いてきたのか腕の力が緩んだ。
「で?コイツどうすんの?」
「殺せばいいだろ」
「いや、手足切り落として放っておけばいいだろ」
なんとも物騒な会話である。
アズの前ではやめてもらいたい。
「そんなことやめて下さい。捕まりはしましたがこうして無事なんですからいいんです。離してあげて下さい」
「「「ダメだ」」」
ゔーん。
説得は難しそうだ。
このままでは埒があかないと、とりあえず男を動けないように紐で縛ってもらい取り上げられた鞄を探す。
「ありましたありました。では、とりあえずお昼ご飯にしましょう」
「「「「なんでだよっ!」」」」
まさかのエルビスにまでツッコまれたが無視し、地下から出ると一階まで移動しリビングらしき場所で鞄に入っていたサンドイッチや水、果物を取り出すと次々並べていく。
離れるのを嫌がったアズを膝に乗せるといつも通り食べさせてやれば、それを見たアレンたちも諦めたのか食べ始める。
「アズの好きなジャムを挟んだものもありますよ」
「たべる!」
ムシャムシャと美味しそうに頬張るアズに微笑むと、手を縛られ部屋の端に追いやられていたエルビスを手招きする。
「一緒に食べませんか?」
「「「縁っ」」」
「ママっ」
反対するアレンたちを宥めるとチラチラと様子を伺っていたエルビスに微笑む。
「大丈夫ですよ。おいで」
躊躇うように立ち止まる姿にもう一度語りかければソロソロとゆっくり近づいてくる。
隣の椅子を引いてやれば大人しく座った。
「申し訳ないですがアズが落ち着くまでそのままでお願いします。そのかわり私がお手伝いしますね。どれがいいですか?」
「……肉」
正面から睨みつけてくるアレンたちを気にしながらも縁が口元に運んでやればバクバクと勢いよく食べていく。
片手でアズの世話をしながら、もう片方でエルビスに食べさせていれば縁が食べてないことに気づいたアズが食べさせてくれた。
「ママおいしい?」
「えぇ、とても美味しいです。ありがとうアズ」
嬉しそうに笑うアズに微笑めば、満足気に再びサンドイッチを頬張り始める。
「これ……アンタが作ったの?」
「そうです。お気に召しました?」
「美味いね。初めて食った」
それは良かったと今度は木苺ジャムのサンドを運んでやれば、一口食べ驚いたように目を見張った後勢いよく齧りついていた。
甘いものも好きなようだ。
それから望むまま与えてやれば全て綺麗に食べ終えた。
「ではお腹も落ち着いてたところでまずは自己紹介しましょう」
縁が名乗りアレンたちも紹介していく。
「アズは…いいですね。ではエルビスさん、貴方はこれからどうしたいですか?」
「なにが?」
縛りつけたまま聞くのもおかしな話だが、アズをずっと探していたとするならば見つけた今はこれからどうしたいのか。
「私は別に貴方を捕まえる気も、ましてや殺す気もありません。貴方が望むなら自由にしてもいいですが、それでアズの望まないことになるというなら話しは別です。だからこそ貴方に聞きたい。貴方はこれからどうしたいですか?」
アズが望むなら家に帰してもいいが今までの行動から見て、アズにその気はまずないだろう。
その上でエルビスが無理矢理にでもアズを連れて帰るというのであれば縁だってそれを許すことはできない。
「オレは……アズライトと、一緒にいたい」
「帰らなくてもいいんですか?」
アズが一緒ではなくとも家が恋しくないかと聞くが。
「最初から帰る気なんてなかったからいい。あんな両親すでに見限ってたし、オレにとっての家族はアズライトだけだから」
こちらを見る真剣な瞳にきっと嘘はないだろう。
「一緒にいられればそれでいいと?アズが嫌がっていても?」
俯く顔に悲しみが浮かぶが、それでも再び上げた表情には覚悟があった。
「それでも。遠目でもいいから少しでもアズライトのそばにいたい」
それだけの覚悟があるなら大丈夫だろう。
縁は頷くと、こちらを見つめるエルビスの頭をソッと撫でてやる。
「よくできました。なら貴方も一緒に行きましょう」
「……え?」
「「「はぁぁぁぁ!?」」」
驚く4人に微笑むとアズを抱え家を後にするのであった。
「なんとなく、としか言えませんが。目元が似ていたのとアズを見て嬉しそうだったので」
驚きこちらを見る姿はどこか幼く見えた。
アズを見て真っ先に駆け寄ろうとしたということは知り合いであることは確実で、幼い頃に捨てられたはずの名前を知っているということは家族である可能性が高い。
その中で見た目の年齢から考えて当てはまるのはアズの兄という可能性だった。
「アズをずっと探していたんですか?」
「母上がいきなりやってきてアズライトは捨てたって聞かされて……」
ということはアズを捨てたのは母親の独断だったのだろう。
ある日いきなり弟はもういないと言われれば、それは誰でも探し回るだろう。
捨てた本人以外は。
「そうでしたか。でも無事会えて良かったです。アズ?ほら、アズのお兄さんですよ」
「やっ、しらない!アズのママはママだけだもん」
よほど縁を傷つけようとしたのがショックだったのだろう。
目を合わせるどころか見ようともしないアズに男も悲しそうだった。
「大丈夫、大丈夫です。で、お兄さんはお名前はなんていうんですか?」
「……エルビス」
俯き答えた声は今にも消えそうなほど小さかった。
未だに抱きついて離れないアズの背を撫でながら、安心させるようにギュッと抱きしめてやる。
「ママあぶないってパパいったの。アズもママのとこいくっていったの」
「こんな危ないことしてほしくなかったですが、それだけ心配してくれたのは嬉しいです。ありがとうございますアズ」
連れてきたことは褒められないが、そこまでして縁を助けようとしてくれたのは素直に嬉しかった。
大丈夫大丈夫と撫でてやれば、漸く落ち着いてきたのか腕の力が緩んだ。
「で?コイツどうすんの?」
「殺せばいいだろ」
「いや、手足切り落として放っておけばいいだろ」
なんとも物騒な会話である。
アズの前ではやめてもらいたい。
「そんなことやめて下さい。捕まりはしましたがこうして無事なんですからいいんです。離してあげて下さい」
「「「ダメだ」」」
ゔーん。
説得は難しそうだ。
このままでは埒があかないと、とりあえず男を動けないように紐で縛ってもらい取り上げられた鞄を探す。
「ありましたありました。では、とりあえずお昼ご飯にしましょう」
「「「「なんでだよっ!」」」」
まさかのエルビスにまでツッコまれたが無視し、地下から出ると一階まで移動しリビングらしき場所で鞄に入っていたサンドイッチや水、果物を取り出すと次々並べていく。
離れるのを嫌がったアズを膝に乗せるといつも通り食べさせてやれば、それを見たアレンたちも諦めたのか食べ始める。
「アズの好きなジャムを挟んだものもありますよ」
「たべる!」
ムシャムシャと美味しそうに頬張るアズに微笑むと、手を縛られ部屋の端に追いやられていたエルビスを手招きする。
「一緒に食べませんか?」
「「「縁っ」」」
「ママっ」
反対するアレンたちを宥めるとチラチラと様子を伺っていたエルビスに微笑む。
「大丈夫ですよ。おいで」
躊躇うように立ち止まる姿にもう一度語りかければソロソロとゆっくり近づいてくる。
隣の椅子を引いてやれば大人しく座った。
「申し訳ないですがアズが落ち着くまでそのままでお願いします。そのかわり私がお手伝いしますね。どれがいいですか?」
「……肉」
正面から睨みつけてくるアレンたちを気にしながらも縁が口元に運んでやればバクバクと勢いよく食べていく。
片手でアズの世話をしながら、もう片方でエルビスに食べさせていれば縁が食べてないことに気づいたアズが食べさせてくれた。
「ママおいしい?」
「えぇ、とても美味しいです。ありがとうアズ」
嬉しそうに笑うアズに微笑めば、満足気に再びサンドイッチを頬張り始める。
「これ……アンタが作ったの?」
「そうです。お気に召しました?」
「美味いね。初めて食った」
それは良かったと今度は木苺ジャムのサンドを運んでやれば、一口食べ驚いたように目を見張った後勢いよく齧りついていた。
甘いものも好きなようだ。
それから望むまま与えてやれば全て綺麗に食べ終えた。
「ではお腹も落ち着いてたところでまずは自己紹介しましょう」
縁が名乗りアレンたちも紹介していく。
「アズは…いいですね。ではエルビスさん、貴方はこれからどうしたいですか?」
「なにが?」
縛りつけたまま聞くのもおかしな話だが、アズをずっと探していたとするならば見つけた今はこれからどうしたいのか。
「私は別に貴方を捕まえる気も、ましてや殺す気もありません。貴方が望むなら自由にしてもいいですが、それでアズの望まないことになるというなら話しは別です。だからこそ貴方に聞きたい。貴方はこれからどうしたいですか?」
アズが望むなら家に帰してもいいが今までの行動から見て、アズにその気はまずないだろう。
その上でエルビスが無理矢理にでもアズを連れて帰るというのであれば縁だってそれを許すことはできない。
「オレは……アズライトと、一緒にいたい」
「帰らなくてもいいんですか?」
アズが一緒ではなくとも家が恋しくないかと聞くが。
「最初から帰る気なんてなかったからいい。あんな両親すでに見限ってたし、オレにとっての家族はアズライトだけだから」
こちらを見る真剣な瞳にきっと嘘はないだろう。
「一緒にいられればそれでいいと?アズが嫌がっていても?」
俯く顔に悲しみが浮かぶが、それでも再び上げた表情には覚悟があった。
「それでも。遠目でもいいから少しでもアズライトのそばにいたい」
それだけの覚悟があるなら大丈夫だろう。
縁は頷くと、こちらを見つめるエルビスの頭をソッと撫でてやる。
「よくできました。なら貴方も一緒に行きましょう」
「……え?」
「「「はぁぁぁぁ!?」」」
驚く4人に微笑むとアズを抱え家を後にするのであった。
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